4月になり理学療法士として6年目の年度を迎えました。理学療法士として働き始めて丸5年が経過したのです。この5年、非常にいろいろな事がありました。
1年目、就職してすぐAKA医学会理学・作業療法士会に入会しました。そして同じ年に大阪で行われたAKA博田法の基礎コース(10日間でAKA博田法を一通り全て勉強するコース)に参加し、AKA博田法の世界へ入って行きました。
AKA博田法とは、日本人医師博田節夫氏により開発された物理医学における診断・治療の技術であると同時に、運動療法を行うための技術です。理学療法の技術には非常に多くの種類がありますが、日本発祥の医学的に体系づけられた技術というのはAKA博田法以外に存在しません。
1年目の試用期間が終わり、有給休暇が取れるようになると、学生時代に実習でお世話になった先生のツテで、博田先生の診察・治療の見学に月1回、足を運ぶようになりました。また同じ先生のツテで、診療にAKA博田法を用いられている先生の勉強会へも参加させていただくことになりました。休みの日には研修会に参加したり、同級生や先輩の先生方と共に勉強会を行ったりと充実した日々を過ごしました。
2年目も継続して博田先生の診察見学に行き勉強しました。AKA博田法の研修会や学会、勉強会などにも欠かさず参加しました。臨床でもAKA博田法を使用していました。しかし、この頃、同僚からAKA博田法ばかりで周りが見えていない、という忠告を受けました。他の手技を知った上でAKA博田法を選ぶのなら良いが、他を何も知らないでAKA博田法に集中しているのはどうか、というアドバイスでした。当時の私はアドバイスではなく批判に聞こえましたが。
3年目には、AKA博田法を補完する技術であるANTの基礎となる「関節神経学」に興味を持ち、学問的に深く学べる機会がないか探し始めました。2年目の時にアドバイスをくれた同僚の影響で、大学院で関節神経学を研究できる所を探しました。しかし、研究がストップしてしまっている分野であり、諦めることになりました。
4年目には、高校生のときからの目標であった国際協力に向かって行動を始めました。JICAボランティアの要請書に書かれている経験年数3年以上という条件をクリアしたからです。職場の事務との話し合い、労働組合との話し合いなど努力しましたが、退職してのボランティア活動という形になりました。いつからか「AKA博田法を世界に広めることが夢」と周りに語るようになっていました。
5年目のスタートは臨床ではなく、駒ケ根訓練所でした。2か月半、駒ケ根で語学や国際協力について勉強し、6月末にドミニカ共和国に来ました。活動の中で、AKA博田法をどのように広めていくか試行錯誤しました。
そして現在、6年目となりました。現地スタッフの一部にAKA博田法の基礎に則り、触診や関節の触り方、運動療法などを指導しています。また、AKA博田法をより多くの人に知ってもらうための計画が一つ進行中です。いずれ、いろいろな形で報告できればと思います。
AKA医学会理学・作業療法士会に入会して5年が経過したわけですから、次の2月はAKA博田法の認定試験です。同期で受験する人もきっと何人かいると思います。私はその時、まだドミニカ共和国にいるので、遅れを取ることになりますが、追いつけるように頑張りたいです。