JICAボランティアの募集説明会に今回、4度協力させていただき、応募を考えている方、興味をお持ちの方といろいろお話させていただくことができました。そこで出た質問と、私ができる回答を紹介したいと思います。応募の締め切りは5月12日ですので、迷っている方も応募を考えている方も是非、下記のQ&AやJICAのQ&Aを読んでいただき、応募してください。
Q、要請一覧に書かれている「26/3, 26/4, 27/1」とはどういう意味ですか?
A、26/3は平成26年度3次隊のことを意味します。質問された方だけでなく多くの方が、平成26年3月と思ってしまうでしょう。JICAボランティアの派遣は年4回行われます。1次隊は1月頃、2次隊は4月頃、3次隊は7月頃、4次隊は10月頃に派遣されます。
Q、派遣される時期はいつ分かるのですか?
A、合格すると合格通知に派遣国と派遣隊次が書かれています。その時初めて、どこにいつ行くのかが分かります。質問者の意図は、仕事を休職または退職するために、都合の悪い時期に派遣となった場合に困る、という事でした。二次選考に進むと、派遣可能な時期の確認がありますので、その際に、「1次隊でしか無理です」や「3次隊以外なら大丈夫です」と希望の派遣時期を伝えておく必要があります。
Q、健康診断はきびしく見られますか?
A、途上国に派遣されるにあたり、知識・技術だけでなく、健康面も重要であり、一次選考および二次選考で厳しくチェックされます。途上国では、環境面(暑さ、寒さ、空気汚染など)や、衛生面、感染症、ストレスなどで、持病がある場合は悪化する可能性があります。JICAは2年間の限られた活動期間をフルに活用して有意義なボランティア生活を送ってほしいと思っています。ですので、病気により1か月仕事を休む、治療のために日本に一時帰国する、などの事態に陥ると、活動がストップし、せっかくの派遣が無駄に終わってしまうこともあり得ます。そうならないための健康診査です。また、健康面で不安があるまま派遣されることになると、日本にいる両親や兄弟、友人などは安心して送り出せません。詳しくは募集要項に書かれていますので、そちらもご覧ください。
Q、語学が心配です。
A、派遣前研修が70日程度あり、そこで集中的に語学の習得を行います。また派遣後も1か月ほど、現地で実践を兼ねた(タクシーやバスの乗り方、買い物の仕方、現地の独特の表現など)語学研修も行います。そこで最低限、生活ができるレベルになっていると思います。PTやOTなどの専門職に限って言うと、専門用語を覚えてしまえば、仕事の話は比較的容易にできると個人的には考えています。むしろ、私は仕事以外の日常会話の方が、語彙力の問題で苦労しました。
Q、安全面で不安があります。
A、安全に関してはJICAが最も気を遣っているところです。極端な例で言うと、日本人が○○国で強盗に会い殺されたとすると、その○○国は危険な国として日本人はみな日本へ撤退することになります。日本が撤退した、となると他の国のボランティアも○○国から撤退するという連鎖が起こり得ます。すると○○国への支援は途絶え、○○国の発展が止まってしまう、という事態になります。これは最悪なシナリオ例ですが、途上国では少しの気の緩みが、大きな問題へと発展することが多々あります。ですので、派遣されたら、安全オリエンテーションが最初にあり、守るべきルールを叩き込まれます。また定期的に安全対策協議会が開かれ、派遣された国での最近の治安状況について情報を得ます。現地警察や大使館に所属する安全対策官などとも連携しJICAは安全に関して最大限の対策を行っています。安全のためのルールを守って活動すれば、危険なことはないと私は考えています。
Q、派遣前に勉強した事、読んだ本について
A、職種別試験問題を解答するために、CBR(地域に根ざしたリハビリテーション)や、世界の保健医療問題などについて勉強しました。現在公開されている職種別試験問題の理学療法士の分を見ると、非常に難しいな、と言うのは私の感想です。派遣前にしっかり勉強しなさい、ということかもしれません。途上国での実際の活動を想定した問題も出ているので、そういう所で適正を見られると思います。CBRについてはhttp://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/intl/un/CBR_guide/index.htmlが参考になると思います。このCBRガイドライン日本語版は私の時はまだなくて、英語版を全て印刷して何とか読んだという経験があります。また『国際保健医療学』や『国際協力師になるために』を読みました。あと、派遣国が決まってからは、その国の歴史や宗教、経済などを勉強しました。
Q、すごく興味があるんですが、あと一歩が踏み出せなくて…
A、途上国に2年間行く、というのは非常に大きな決断です。しっかり考えて、経験者の話をたくさん聞くのがいいと思います。「行って良かった」と経験者はみな口を揃えて言うでしょう。経験者もみな、最初は「あと一歩」を踏み出すきっかけがあったと思います。それが何か、は人それぞれです。私は、高校生の時に途上国からの研修生さんと出会い、そこで「途上国には学びたくても学べない人がいる」ということを知り、そういう人たちに学ぶ機会を提供したいと思い、理学療法という技術・知識を身につけました。私の場合は、高校生の時から青年海外協力隊に興味があり、教えるものを得られたら応募しようと考えていましたので、きっかけは途上国からの研修生さんとの出会いです。青年海外協力隊に参加して、「途上国には学びたくても学べない人がいる」ということを自分の目で改めて確認し、高校生のときからの夢がかなった思いでした。
まだまだ、学びたくても学べない人たちがたくさん途上国にいます。その人たちの力に是非、みなさんになっていただけないかと願っています。