2019/1/12-13の二日間、東京の大田区産業プラザで国際緊急援助隊の訓練に参加しました。今回の訓練は「展開訓練」と呼ばれ、実際に派遣時に使う資機材を展開して、模擬診療を行います。現在、マニュアルを整備している段階で、そのマニュアルに基づいて診療等を行い、問題点を洗い出すのが目的でした。
診療を行う場となるテントを設置し、各部署に資材を配置し、電気の配線などを行います。そして、プレイヤー(隊員)役、患者役、オブザーバーなどに別れて実派遣を想定した訓練を、役割を変えながら計三回行いました。私は一回目は患者家族役、二回目は患者役、三回目はロジスティック班として訓練をしました。
三回の訓練の中で、それぞれ目標があり、急変対応、緊急避難、急な雨などのイベントが発生します。三回目の訓練で、私がロジスティック班にいた時には、松葉杖で帰宅させる入院患者への指導依頼が病棟から来て、理学療法士としての活動を求められる場面もありました。また、下肢骨折術後の患者も「歩けるようになりますか」と不安になっている場面があり、理学療法士の必要性を改めて感じさせられました。
JDRにおける理学療法士の役割や活動のためのマニュアルはまだ今後の課題として残っています。マニュアルの整備を急ぐ分野ではないというのは、私もJDR事務局も同じ意見です。現場での臨機応変な対応で何とかなると考えます。
マニュアルを整備していく上での課題としては、WHOが緊急医療チームに求めるリハビリテーション機能の要件が高いことです。WHOの基準に合わせようとすると大きなハードルが多くあります。しかし、これはリハビリテーションに限らず、WHOが求める様々な基準は、非常に高いものです。国際的にはWHOの基準に近づけていかないと、いざ派遣となったときに、「これはできません。それもちょっと…」とばかり言っていると評価が下がってしまいます。「リハビリスタッフは今回はいません」なども言いたくないです。
なので、JDRに登録する理学療法士を増やすことも平時の努力として必要だと思います。やはり人がいないとどうしようもないです。
研修会場から横浜まで近くでしたので、研修の翌日はJICA横浜を訪問しました。初めての訪問で中にある海外移住資料館に立ち寄ることを目的に行きました。実際に行ってみると、たまたまJDRに関する特別展示がされていました。救助チームの装備や、派遣経験者のストーリーなどが紹介されていました。医療チームの編成には理学療法士が含まれることもきちんと図示されており嬉しかったです。