修了証 |
ハンドブックと同様にオンラインコースも第1章~第9章で構成されています。細かい内容はハンドブックの方が詳しいですが、オンラインコースでは写真や動画が使われており、要点もまとまっているので非常に分かりやすいです。各章は20~30分で完了するようにデザインされているようですが、英語を母国語としない人ではもう少し時間がかかると思います。私の場合は各章1時間から1時間半くらいかかりました。
読むだけではく、見て、聞いて、考えて進んでいきます。コースの途中で英語で何かを記述するセッションはありません。(WFOTのDisaster Managementのオンラインコースでは自分の考えを英語で記述することを多く求められたので、それよりはハードルが低いと思います←当ブログの過去記事参照)
イギリスの緊急医療チームUKEMTに入るリハビリテーション専門職は5日間の訓練を受けるそうですが、その訓練内容を「Early Rehabilitation in Conflicts and Disasters」は反映していると聞いています。
日本の緊急医療チームや理学療法教育などに、緊急援助論を取り入れる際に、このコースが参考になると思います。災害や紛争の総論や、そこでのリハビリテーションの特徴などが最初に書かれており、その後は各論になります。各論は骨折、脊損、脳障害、末梢神経損傷、熱傷、切断といった緊急援助の現場でよく遭遇する疾患をカバーしています。
緊急援助の現場で遭遇する疾患は、普段日本で臨床をしているときよりも幅が広いです。日本では標榜する診療科や所属する医師の専門に応じて比較的限られた疾患の患者が来ますが、災害や紛争の現場ではそういうことは関係ないからです。それがこの分野に従事する人を魅了する点ともなっています。
このコースも他のコースと同様に、英語であることが日本人の受講を妨げると思います。翻訳すればいいかとも思いましたが、翻訳して英語が苦手な人が受講しやすいように準備しても、その受講者が海外で活躍するようになるのは難しいと考えます。やはり英語教育なのかなぁ。