2021年4月15日木曜日

【オンラインコース】PREP : Physiotherapy and Refugees Education Project

PREP certificate
以前、何度かこのブログでも紹介したオンラインコース、「難民に対する理学療法の教育プロジェクト」(PREP; Physiotherapy and Refugees Education Project)が今年2021年1月から始まり、今月初旬に1期生の過程が終了しました。無事に全ての単元で合格点を頂き、コースを修了することができました。

すべてで9つのブロックがあり、各ブロックでテストがあります。テストは選択式の回答と記述式の回答の両方があり、自分の経験や考えも回答に落とし込んでいく必要がありました。英語でしたので、少し大変ではありましたが、多くのことを学び、たくさんの気づきや、次に学ぶモチベーションにもなりました。

各ブロックの紹介をします。

ブロック1:難民に関する基礎知識(統計、法律、健康問題)
ブロック2:難民の人権と偏見・差別、医療へのアクセス
ブロック3:難民が経験する苦難、病気、ストレス
ブロック4:難民からの信頼を得ること、通訳の活用方法
ブロック5:拷問に起因する様々な病気
ブロック6:難民が持つ背景の理解、難民が理学療法に期待すること
ブロック7:小児、青年、高齢者への配慮事項
ブロック8:理学療法士自身のセルフケア、平等と公平
ブロック9:気候変動と移民、難民の過去・現在・未来

それぞれ、詳しく書くと膨大な量になるので、この記事を少しずつ更新していく形で、各ブロックで学んだことを紹介していきます。自分の知識の整理をしながらなので時間がかかるかもしれませんが、ご了承ください。

【ブロック1:難民に関する基礎知識(統計、法律、健康問題)】

ブロック1では難民とは何か、という基本的なところの理解から始まりました。難民に関係・類似する用語として以下のようなものがあります。

Refugee:難民
Internally Displaced Person (IDP):国内避難民
Stateless person:無国籍者
Asylum seeker:亡命希望者、難民申請者

難民(Refugee)とは自分の国が戦争や暴力などの危険があり、それから逃れるために第三国へ移動する人です。実際は第三国で難民申請をし、難民として認められるまでは難民申請者(Asylum seeker)であり、もともとの自分の国や第三国が法的に市民権を与えない場合は無国籍者(Stateless person)になります。

また、国境を越えて第三国に保護を求め、受け入れられた場合は難民となりますが、国境を越えずに自国の別の地域に避難する場合は国内避難民(Internally displaced person)となります。

2021年1月30日土曜日

【オンラインコース】Early Rehabilitation in Conflicts and Disasters (DisasterReady.org)

修了証
2020年1月にHumanity and Inclusionが関連機関と共同で作成したハンドブック「Early Rehabilitation in Conflicts and Disasters」を基にDisasterReady.orgからオンラインコースが展開されています。

ハンドブックと同様にオンラインコースも第1章~第9章で構成されています。細かい内容はハンドブックの方が詳しいですが、オンラインコースでは写真や動画が使われており、要点もまとまっているので非常に分かりやすいです。各章は20~30分で完了するようにデザインされているようですが、英語を母国語としない人ではもう少し時間がかかると思います。私の場合は各章1時間から1時間半くらいかかりました。

読むだけではく、見て、聞いて、考えて進んでいきます。コースの途中で英語で何かを記述するセッションはありません。(WFOTのDisaster Managementのオンラインコースでは自分の考えを英語で記述することを多く求められたので、それよりはハードルが低いと思います←当ブログの過去記事参照

イギリスの緊急医療チームUKEMTに入るリハビリテーション専門職は5日間の訓練を受けるそうですが、その訓練内容を「Early Rehabilitation in Conflicts and Disasters」は反映していると聞いています。

日本の緊急医療チームや理学療法教育などに、緊急援助論を取り入れる際に、このコースが参考になると思います。災害や紛争の総論や、そこでのリハビリテーションの特徴などが最初に書かれており、その後は各論になります。各論は骨折、脊損、脳障害、末梢神経損傷、熱傷、切断といった緊急援助の現場でよく遭遇する疾患をカバーしています。

緊急援助の現場で遭遇する疾患は、普段日本で臨床をしているときよりも幅が広いです。日本では標榜する診療科や所属する医師の専門に応じて比較的限られた疾患の患者が来ますが、災害や紛争の現場ではそういうことは関係ないからです。それがこの分野に従事する人を魅了する点ともなっています。

このコースも他のコースと同様に、英語であることが日本人の受講を妨げると思います。翻訳すればいいかとも思いましたが、翻訳して英語が苦手な人が受講しやすいように準備しても、その受講者が海外で活躍するようになるのは難しいと考えます。やはり英語教育なのかなぁ。

2021年1月28日木曜日

人道支援分野で国際的に活動するための募集情報(サイト一覧)

人道支援分野で働きたいと思っても、どこでどのような組織がリハビリテーション専門職を募集しているのか、最初は分からないです。以下のサイトで各組織の募集情報を得ることができます。

①国境なき医師団
https://www.msf.org/work-field

②世界の医療団
https://www.medecinsdumonde.org/en/join-us/offers

③赤十字国際委員会ICRC
https://careers.icrc.org/go/Working-in-the-field/3809301/

④Health Volunteers Overseas(HVO)
https://hvousa.org/get-involved/programs/physical-therapy/
理学療法士のカテゴリーあり。

⑤Relief Web
https://reliefweb.int/jobs

⑥Humanity and Inclusion
https://hi.org/en/jobs
リハビリテーション専門職の募集あり。

人道支援+リハを学べるコース•サイト一覧(2021年1月更新)

 人道支援には、自然災害(地震、洪水、暴風、干ばつ、火山噴火、感染症流行など)や人的災害(紛争、テロ、爆発、化学汚染など)、また難民支援など幅広い分野があります。
 近い例から大きなものを取り上げると、モーリシャスの油流出による海洋汚染、レバノンの大爆発事故、サモアの麻疹流行、モザンビークのサイクロン、メキシコの地震などがあります。
 一言に「人道支援をやりたい」と言っても分野が広すぎて、勉強は大変です。日本のやり方と他国のやり方では相違点も多く、幅広く学ぼうと思うと英語が必要になります。
 ここでは、人道支援について学べるコースやサイトをまとめています。いいものを見つけたら随時更新していこうと思います。

災害•紛争•リハ
Rehabilitation Treatment Planning for Common Conflict and Emergency Related Injuries

DisasterReady.orgのオンラインコースで、内容はHumanity and Inclusion(HI)のサイトに飛びます。骨折、切断、脳障害の章があります。

災害・紛争・リハ

HIが作成したハンドブック「Early Rehabilitation in Conflicts and Disasters」を基に作成されたオンラインコースです。①と同様、DisasterReady.orgで展開されているコースです。

災害•リハ

履修証明プログラム『災害医療ロジスティクス専門家コース』では、災害時の活動の礎になるロジスティックスを幅広く学び、その上で受講者の専門性に合わせた内容を学べます。理学療法士なら災害時の生活不活発病をテーマにリハビリテーション関連の講座を受ける事ができます。履修期間は2年です。私は2020年10月より履修生となりました。

難民•リハ

2021年1月よりオンラインコースが開始となりました。現在は受講者は限定されており、今の受講者からのフィードバックを受けて、改良した上で一般公開されるようです。私も受講生として入ることができました。難民に関する知識や、理学療法士が難民支援においてできることなどが学べるようになっています。

災害•リハ

世界作業療法士連盟(WFOT)の作業療法士向けのオンラインコースです。このコースは有料になっています。受講レポートを当ブログで取り上げていますのでご参照下さい。→https://lily-international-cooperation.blogspot.com/2020/03/wfot-disaster-management-for.html?m=1