MPHのコースに入学する人は、医師が多いそうですが、それ以外の人も多くいます。看護師、保健師、薬剤師、栄養士、などの医療関係者だけでなく、経営者などの非医療従事者もいるそうです。それは、公衆衛生がカバーする領域が広く、産業衛生の分野では「いかに労働災害をなくすか」などで会社の経営者が学びにくることがあるのだそうです。最近はMPHのコースに入学する学生が減少傾向なのでアメリカの公衆衛生大学院は入りやすくなっているそうです。
日本でもよく聞く、働きながら大学院で学ぶ、という制度もあります。40~50歳台の人が、病院で医師をしながらpart-timeで勉強に来ている事もあり、年齢層も幅広いようです。海外からの留学生はfull-timeで、アルバイトなどはなかなかできず、勉強に追われる、とのこと。演者の先生は、院での講義も含めて、1日8時間の勉強が11ヶ月間続いた、と話されていました。(アメリカでもMPHは1年で取得できるよう) まるで、医師国家試験の試験勉強をしている時のように、ひたすら勉強した、とのことでした。
留学中はアルバイトができないので、お金はきちんと準備しておかないといけません。授業料や生活費などを含めて500万円ほどはかかる、とのことです。決して安くありません。しかし、その価値は絶対にある、とのこと。なかなかの大金が必要ですが奨学金制度の紹介もあり、フルブライトなど良く聞くものから、初めて聞くものまで情報を得ることができました。世界銀行も奨学金制度があるというのは知りませんでした。最近は、学生が減ってきている上、公衆衛生学はトレンドとなっているそうなので、奨学金はもらえやすい、とのことです。世界銀行の奨学金もあまり知られていないのか、応募している人はそう多くない(もちろん競争はあるが)かもしれないそうです。
そして、入学のために必要な学力を証明するものですが、TOEFLとGREというテストがあります。TOEFLは留学のための英語力を見るもので、GREは一般学力を見るものです。GREは数学と国語(英語の)で、国語は極端に低い点数を取らなければ、外国人の点数はあまり重視しないそうです。GREよりもTOEFLの勉強が大変だったそうです。TOEFLとGREは足きりに使われる程度のものだそうです。
もっと大事なのは、エッセイと履歴書(CV: curriculum vitae)で、志望動機や今後のことを高度な英語で書いて提出しなければいけません。自分が過去にやってきた実務経験・活動が非常に重視されます。これはアメリカ人でも、書いた後、プロによる英語の校正を受けるそうです。そこらへんの、英語ぺらぺらのにーちゃんに見てもらってもダメだそうです。
そして、推薦状を最低3人に書いてもらう必要があります。これも重要で、自分のことを良く知っている人に書いてもらうことが必要です。ある程度、書いて欲しいことを持ってお願いに行くのがコツだそうです。
これらの準備には手間と時間が非常にかかるそうで、留学が始まる前から、根気が必要なようです。入学すれば、後はやるかやらないかは自分次第。基本的に留学生には甘いらしく、よっぽどでなければ単位を落とすことはないそうです。ただ、大金を払っているので、 (留学生からどれだけお金を吸い上げられるか、という事を大学側は考えているそう)、怠ける人はほとんどいないそうです。いろいろな人との出会いもあり、刺激的で留学した人のほぼ100%が「行って良かった」「めっちゃおもしろい」と口をそろえて言うそうです。
MPHを取得している日本人はまだまだ少なく、特に関西は少ないらしいです。(東京にほとんど集まっているらしい) 今回の講演を聞いて、ますますMPH取得に向けて勉強、そして活動をしようと思いました。大学院に挑戦するまでの間に、いろいろと活動したことを発表したり、学会誌に投稿したりして実績を積み、アピールポイントをたくさん作れるようにしていこうと思います!
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