今年に入って、少しずつ進めてきた「関節運動学的アプローチ博田法 第2版」と「DVD版 関節運動学的アプローチ博田法 第2版」のスペイン語翻訳ですが、現在68ページまで内容を増やし、そして今もまだ追記・修正を重ねています。これを印刷して職場で使うことは、著作権の問題でできませんので(協議の結果、著作権使用料が発生することになりました)、今は私がこちらでAKA博田法を紹介する際の台本的な役割を担っています。この翻訳資料ですが、完全な翻訳ではなく、AKA博田法の「紹介」のための翻訳ですので、内容は原著の4分の1程度だと思います。
まだまだ改良の余地のある翻訳資料ですが、3月から理学療法士への技術移転に活用しています。毎日30分、3人の理学療法士に集中的にAKA博田法の技術を紹介しています。副運動と構成運動の技術を全て紹介し、習熟度確認テストを行い、修了するまでに3か月程度かけました。そして現在は、2期生として3人に技術移転を行っており、間もなく修了します。
こうして草の根的に人材育成をし、今後、さらに大規模にAKA博田法を紹介する際に、アシスタントとして手伝ってもらおうと考えています。「標準化=仲間作り」(→前回の記事「国際標準化」を参照)と言われるように、啓蒙活動をする前に、啓蒙活動に協力してくれる人を作ることから始めています。
技術移転を毎日コツコツ行っていると、いろいろな人の目に触れ、先週からドクター向けの紹介コースも実施しました。彼らドクターはPTの処方箋を書くので、今後、処方にHakata método(博田法)と書かれる日が来ると思います。ドクターを仲間に取り入れられた事は、AKA博田法普及の大きなステップです。次に繋げるための働きかけを考えようと思います。
また、今、来年2月にドミニカ共和国のPT・OT・POを集めて学会を開こう、と計画しています。その中の一コマにAKA博田法の紹介を組み込む予定でいます。
さらに、来年の6月に、中米カリブ諸国に派遣されているPT・OTのJICAボランティアに声をかけ、現地PT・現地OTをドミニカ共和国に召集させ、AKA博田法を学ぶ機会を設けたいと思っています。
私がドミニカ共和国での任期を終了し、帰国後は、また別の方法で中米カリブ諸国にAKA博田法を普及させる仕事をしたいと思っています。今はそのための仲間作りと、資料作りと、経験の蓄積が私の主な仕事です。