大阪工業大学 |
現在、私は、日本発祥の物理医学の理論・技術「関節運動学的アプローチ(以下AKA)博田法」を海外でも普及させようと活動しています。ターゲットはスペイン語圏の約20か国の医師・理学療法士・作業療法士です。しかし、このAKA博田法は、日本が世界に誇るべき技術なのですが、日本で広く認められているかというと、そうではありません。AKA博田法の理論や技術が優れていることを知っている医療従事者は、その治療効果を目の当たりにし、肌で感じ取った人のみで、そう多くはありません。既存の技術を用いて働いている人で、AKA博田法を教科書や噂で聞いた程度の人にとっては、受け入れがたいものです。
平松氏は国際標準化について「研究・開発の段階から、世界各国と共同することが望ましい」と述べています。これは国内での標準化でも同様でしょう。「研究・開発の段階から、関係機関と共同すること」、例えば、研究機関・教育機関・医療機関などと早くから連携し、仲間をつくることで、拒絶反応をなくすことができると思います。AKA博田法に関してはこれが不十分だったのではと考えます。
昨日の日経の経済教室で平松氏は、開発には3つのステップがあると述べていたそうです。(参考→日本のガラパゴス現象を問う)1「要求条件の明確化」、2「要求条件を満たすための基本構造の設計」、そして3「技術開発」です。日本はこの3つのステップの内、最初の2つのステップを踏まないで、いきなり技術開発に入ってしまう、という話でした。AKA博田法も3つ目のステップにのみ心血が注がれたのだと思います。
今後、AKA博田法を日本のみならず海外にも普及させるために、ステップ1、とステップ2について考え直し、長期的な人材育成を行い、仲間を増やしていきたいと思います。
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