2015年10月28日水曜日

WCPT Congress

 世界理学療法連盟の学術大会が今年はシンガポールで行われました。4年に1回、加盟国で持ち回りで開催されており、1999年にはアジアで初の開催となる日本・横浜で行われました。外国から2000人、国内から3000人の予想を上回る参加があったと聞いています(参照元 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n217/n217_14-01.html。開会式には天皇陛下のご臨席・お言葉があったそうです。また全て英語での開催、日本の技術=AKA博田法の紹介など、その場に居たかったと非常に羨ましく思います。
 このWCPT Congressが次回から2年に1回の開催となるそうです。2年後はアフリカで初の開催となる南アフリカ共和国です。開催スパンが短くなり日本での2回目の開催もそう遠くはないかもしれません。
 PT界の国際情勢とは少し異なりますが、ミレニアム開発目標(MDGs)として途上国の問題に取り組んだ2000年からの15年間が終わり、ポストMDGsとして採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)というものがあります。世界の共通目標として2016~2030年に、途上国も先進国も同様に地球市民として、持続可能な世界・発展・健康などを目指します。
 SDGsにはPTとして取り組める目標もあります。何かを犠牲にして得る発展ではない、というのが「持続可能な」という言葉に込められていますので、自分の手1つで患者を治療し、生活を改善させるPTの技術・知識は正に「持続可能な」人々の健康のための資源だと考えます。
 PT界もSDGsのような国際的な動きに機敏に反応し対応できていければいいな、と思います。

2015年10月9日金曜日

医学英語・医学スペイン語

 医学に関する英語やスペイン語は、実はそんなに難しくありません。しかし、やはり普通の英語やスペイン語とは違うことを知っておかなければいけません。医学用語はギリシャ語およびラテン語に主に基づいています。ですので、他言語に翻訳されている場合(日本のように)を除き、世界中でほぼ同じ形を取ります。医学英語も医学スペイン語も似ていますので、ここでは医学英語に関して主に書きます。
 医学英語は、接頭語+語幹+接尾語、から基本的に成り立っています。語幹がその単語の基本的な意味となり、接頭語や接尾語で修飾されます。接頭語・接尾語のどちらか、もしくは両方がない場合もあります。例えばpolyneuritisは接頭語poly-と、語幹neurと、接尾語-itisの3つのパーツに分けることができます。poly-は「たくさん」、neurは「神経」、-itisは「炎症」を意味しますので、日本語では「多発神経炎」と訳されます。
 この基本を理解していれば、算数の問題のように答えが導き出せます。接頭語、語幹、接尾語をどれだけ知っているかが、医学英語の理解度に直接関係してきます。学生時代に使っていた教科書は『Medical Terminology: An Illustrated Guide (Medical Terminology An Illustrated Guide)』でした。私は第4版を持っていますが、来年2月に第8版が出版されるようです。このテキストには、接頭語・接尾語が網羅されており、語幹となる解剖学的・形態学的・病態学的な用語も解説やイラスト付きで載っています。またちょっとした臨床的な話や、症例紹介や、クイズなども付いています。
 その他に『Medical Terminology, A Programmed Text』という、もう絶版(?)のテキストも中古でアメリカから取り寄せたり、日本医学英語教育学会が作成した『講義録医学英語―語彙の充実と読解力の向上 (1) ~(3)』の(3)を買いました。初学者は(1)から購入すると良さそうです。ちなみに、私は今、(2)を買おうか検討中です。
 また、ネット上から、生きた医学に関する情報を手に入れようとするなら、アメリカ国立衛生研究所のウェブサイトで検索するのも良いです。実際の文脈から、医学英語の使い方を学ぶ、実践的な方法です。文献検索ならNational Center for Biotechnology Information (NCBI)が便利かもしれません。無料のアカウントを作れば、検索内容を保存できます。その利点は、例えば、dominican republicという検索ワードを登録すれば、ドミニカ共和国に関する新たに発表された医学論文の一覧が定期的にメールで送られてきます。これらアメリカのサイトはスペイン語に表示を変更できることが多いので、それも活用できます。
 ちょっと、いろいろな情報を盛り込みすぎて、読みにくくなってしまいましたが、医学英語/スペイン語が必要な人は、よければ参考にしてください。