2017年7月22日土曜日

JDR(国際緊急援助隊)医療チーム 中級研修

 国際緊急援助隊(JDR)に登録されている人は、登録維持要件の1つに中級研修の受講が含まれています。7/22にJICA東京で実施された「2016-17年度 第三回中級研修」に私は初めて参加させて頂きました。

 なお、導入研修についてはこちら。
(参考)http://lily-international-cooperation.blogspot.jp/2016/12/jdr.html

 この中級研修は2年で3回の研修を1クールとしており、来年度から新たなクールに入ります。新たなクールではtype 2としての派遣をより想定した内容になるそうで、今、研修内容を思案中だそうです。type 2と言えば、やはり私が気になるのは「リハビリテーション機能を持ったチーム」という事です。


 今回の中級研修ではリハビリテーションに関する内容はなく、私はロジスティック班としてエアテント設営・撤収、発電機や焼却炉の取り扱い、ロープワークなどを学びました。焼却炉は800℃以上の高温になるもので、今回、初めてJDRが購入し動かしてみたものでした。皆、講師も受講生も興味深々でした。


 私としてはエアテント設営を再び経験できて、忘れている部分を思い出せて良かったです。また、私たちの班がエアテントを立てた後、外科班が中で模擬手術をしている場面を見学できて、現場のイメージをよりしっかり持つことができました。


 多くの内容は、派遣時に役に立つことはもちろんですが、同時に、自分が被災したときにも非常に有用なものでした。しかし、研修の時だけ練習してもすぐに忘れてしまうので、定期的に思い出すために自主訓練しなければなりません。ロープワークなどは、息子がアウトドアに興味を持ち出せば一緒に遊びながら学べるかなと思いました。

 次の中級研修までは一年弱ほど時間があるそうです。今翻訳を進めているWHOが作成したEMTのためのリハビリテーションマニュアルにも対応した研修を企画していただけるよう、私も頑張ろうと考えています。

 例えば、翻訳してきた内容を参考に考えてみると、

・リハビリテーション専有スペースは作れるか
・リハビリテーション職種を何名配置するか
・リハビリテーションのための資機材にはどのようなものを持っていくか
・持っていった物をどう使うか
・退院支援をどのように行うか
・サイコロジカル・ファーストエイドの知識
・現地医療施設との連携の方法。

 また、細かいテクニカルな部分では、

・術後の早期離床をどのような基準で進めるか
・切断肢の断端形成のための弾性包帯の巻き方の練習
・脊髄損傷や末梢神経損傷の患者に行う神経学的評価の練習
・術後患者などに行う呼吸理学療法の手技の練習
・松葉杖や車椅子などのフィッティングや使い方の指導の練習
・入院患者の褥創予防のためのポジショニングの方法。

 WHOのマニュアルでは、引き継ぎ隊でも同じように援助ができるよう技術・知識の統一が必要とされています。JDRが行う外科治療に対応したリハビリテーション手順を医師と協力して作らなければいけないと思います。リハビリテーション職種というのは、他のどの医療技術者よりも個人の技術・知識レベルの差が大きいと感じています。きちんとJDRのリハビリテーションマニュアルを作成しないと危険な気がします。

 type 2に認証されて最初の中級研修のクールが来年度から始まります。いろいろ協力していけたらと思います。

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