2018年4月28日土曜日

【WCPT News】2018/4/24 WCPT DOVESについて;ボランティアおよび専門家のデータベース

WCPTはDOVEデータベースを刷新し、理学療法コミュニティーの国際的な繋がりを強め、専門的技術の検索や専門職としての発展を国際的に促進しようとしています。

新しくなったWCPTのボランティアおよびエキスパートのデータベース=DOVEデータベースには、WCPTメンバー機関や関係機関を支援することで自身のキャリアを磨きたい人材が登録されており、検索することが可能です。

DOVEデータベースに登録された専門家と、国際保健に高い関心を持つ臨床家が繋がるチャンスがあります。現在、300人以上の理学療法士が登録されており、臨床・教育・研究・政策に関する助言をする下地ができています。

「新しくなったDOVEデータベースは世界の理学療法業界の大きな発展を象徴しています。WCPTが目指す、全会員が世界中のどこにいても繋がりを感じられるコミュニティーを作るという方針を実現させる一つの取り組みです。」とWCPTのEmma Stokes会長はコメントしました。

「データベースを活用して若手からベテラン、臨床家や研究者が世界中の専門家と繋がることができます。すでにDOVEデータベースにより新たな取り組みが開始された例もあり、我々はできるだけ多くの会員がDOVEに登録して頂けるよう促していきたいと思っています。」

DOVEデータベースでは登録者は3つのレベルから自身で選択するようになっています。専門家・経験者・興味あり、の3つです。登録した分野に関してどこまで自分が関わることができるかを選択できます。登録は無料で、登録内容を一般公開または限定公開に設定できす。

2018年4月15日日曜日

【WCPT News】2018/4/13 無効で有害は腰痛治療にストップ

腰痛に関する大規模研究が行われ、有害な治療法を止めさせる必要があると結論付けました。またその症状から起因する能力低下について世界的に広く認識されているとこが分かりました。

Lancetに掲載された論文では、医師に強力な薬剤・オピオイドの処方、注射、不要な手術などの有害で効果に乏しい治療は中止するように求めています。

理学療法士はこの結果に賛同し、エビデンスに基づいた治療法の研究が各国で進めてきました。患者には、効果に乏しい治療法に高額な費用を払うより、活動的なライフスタイルを構築するよう助言するようにしています。

「著者は高所得国のみではなく、中・低所得国でのデータも比較検討しています」と Emma Stokes会長は述べています。

「注目すべきギャップが研究結果と実践の間にありました。これには複雑な背景があり、多角的視点からの解決策を考える必要があります。研究成果を実践に反映させる作業は単純ではないと認識しなければいけません。全世界で努力していくことで時間はかかるが前に進むことができるでしょう。」

腰痛は年齢を問わず発症し、多くの場合は原因不明です。有症率は増えてきており、腰痛を原因とする能力低下は1990年の1.5倍です。最新の研究では病態の複雑さが明らかになってきましたが、一方で腰痛の予防に関する研究成果が乏しいことも問題としています。

「やるべきことはたくさんあります」と論文の共著者Nadine Foster教授は述べています。Foster教授は“腰痛の予防と治療:エビデンス・挑戦・正しい道”を執筆しました。

「患者が症状を自己管理できることと、医療従事者がエビデンスに基づいた治療を提供することに拘ることです。理学療法士やその職能団体がエビデンスに基づいた訓練や生涯学習を取り入れることが必要です。」

身体的に活動的であることが重要だというのは国際徒手理学療法連盟(IFOMPT)会長のKen Olson医師も繰り返し述べています。

Olson会長によると「早期の画像診断やオピオイドの過剰投与は腰痛の問題を悪化させます。しかし、運動習慣や仕事復帰を促していくことや、特別な体操、脊柱のマニピュレーションはエビデンスによる裏付けもあり、効果的です。

論文は世界保健機関(WHO)への要望で締めくくられていました。腰痛による苦しみにもっと目を向けて、予防策などについて国際リーダーとして取り組んでもらいたいとしています。