2018年10月31日水曜日

世界理学療法士連盟(WCPT)のメンバー組織に新入/退会

WCPT Newsによると、9月にエジプトとセルビアの理学療法協会が退会となります。理由はWCPTが求めるメンバー組織の義務を果たせていないから、とのことです。


以下にメンバー組織の権利と義務を示します。

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●メンバー組織の権利

・WCPT規則に則ってWCPT事業に参加できる
・委員会や総会で意見を出し施策に携わることができる
・ 総会で提案、発言、投票ができる
・自国の理学療法発展のための事業に対し支援を要請できる
・総会に参加できない場合は代理投票ができる。ただし、二回の内一回は総会に参加しなければいけないと言う要件には数えない。
・サブグループに入ることができる
・WCPT基金から支援の申請ができる

●メンバー組織の義務

・WCPT規則を遵守する
・規則に則って会費を支払う。2017年は組織の会員数×1.53ポンド。
・定例総会に二回に一回は参加し投票をしなければいけない
・会の規約などに変更があった場合は6ヶ月以内に全ての変更箇所のコピーをWCPTに送らなければならない
・WCPTの窓口となる委員のメンバーの氏名と住所を知らせなければならない
・WCPTに関連のある国内イベントや取り組みがあった場合はWCPTにそれを知らせること
・その他、求められればレポートを提出すること
・WCPTの活動や取り組みに協力すること

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また2019年5月の総会で承認されると、新たにコートジボワール、マリ、セネガル、モロッコ、ハイチの理学療法協会がメンバー組織に加わります。


ちなみに日本は1970年にメンバー組織になりました。メンバー組織は上記の通り会員一人につき1.53ポンドを支払っています。これは日本のPTのほとんどが知らないことでしょう。日本理学療法士協会に入ると自動的に年会費の中からWCPTにお金が流れています。

少額ですが会費を払っているメンバーとして、やはりWCPTの活動にはアンテナを張っておくべきかなと思います。ニュースを読んだり、ガイドラインを確認したりして国際標準にそって(国内法令を遵守して)仕事をしていかなければと思います。そうすることで、例えば災害時などで他国のPTと共に活動する時に同じスタンダードで話ができます。

また日本では「日本理学療法の日」があり関連イベントが各地で行われていますが、「世界理学療法の日」に合わせたイベントは全く聞いたことがありません。世界一PT人口が多い日本が、世界一WCPTの活動に無関心なのかもしれません。言葉の壁なのでしょうが、いつか自動翻訳などが発展して、日本もWCPTと足並みを揃えて活動できるようになってほしいです。

2018年10月17日水曜日

【WCPT News】2018/10/12 ハリケーンマリアによる被害から一年 プエルトリコ

2017年10月にプエルトリコを襲ったハリケーンマリアはプエルトリコの歴史上最も酷い被害をもたらしました。

ハリケーンマリアによる死者は4600人以上と報告されています。幼い子供と高齢者への被害が目立ち、また生命維持装置の使用者や透析患者の多くも死亡しました。レスキュー隊による捜索もむなしく行方不明者もいて、家屋ごと洪水で流され生き埋めになった可能性もあります。

電話回線は寸断され、インターネットも使えない状況が5ヶ月以上続きました。これにより理学療法士の活動も制限され、十分な支援が困難になりました。

プエルトリコ理学療法士協会の会長Marizabel La Puerta氏は「電話やインターネットが使えるようになったのはハリケーンから11ヶ月後でした。通信会社からの一時的な回線接続を利用しています。これにより書類の提出などは期限に間に合いません。

理学療法士は徐々に臨床に戻り、それぞれの地域の医療サービスの復旧を手助けしています。いくつかの診療所などでは停電により休業を余儀なくされていますが、発電機を使用し診療時間を短縮するなどして対応している所もあります。アメリカ合衆国に移転した理学療法士もいます。

私たちは復興に向け全力で働いています。毎年開催している学術大会は今年も11月に、被害がなかったイスラベルデ国際ホテルで行われます。また2019年のWCPTジュネーブ大会参加のためのファンドレイジングも行っています。プエルトリコ代表として参加することを目標に、二人の代表を送りたいと思っています。」と述べています。

2018年10月13日土曜日

【WCPT News】2018/10/12 大学に理学療法学部専用校舎を ネパール

ネパールの理学療法士たちが、カトマンズ大学理学療法学部の専用校舎を建設するための要望を出しました。
 
カトマンズ大学はネパールで唯一の理学療法学部を有します。ネパールの理学療法士はまだまだ不十分なサービスの提供や教育、臨床能力の向上に日々懸命に取り組んでいます。2015年に起きた大震災で、理学療法のニーズは増し、求められる質も高くなりました。
 
ネパール理学療法協会のNischal Ratna Shakya会長は次のように述べています。「技術や専門性の高い教育を行うことで、地域に健康をもたらす真の変革が訪れるでしょう。ネパールの人々は辛いときでも表情に表さないような性格がありますが、健康な生活やより良い人生を送るためには理学療法が必要な人もいます。しかし、それに対応できる十分な理学療法士がいないのが現状です。
 
我々は目標として272万6000米ドルの資金を集め、専用校舎を建て、助けが必要な人に理学療法を提供できるようにしたいと考えています。
 
我々は質の高い理学療法を人々に提供すると同時に、未来のネパールの健康に寄与する立派な理学療法士を育成するため、努力を惜しみません。」
 
支援を募っています。
 
 銀行の詳細:
Account name(口座名): DHULIKHEL HOSPITAL
Account number(口座番号): 006-0000000301
Bank name(銀行名): NCC BANK (NEPAL CREDIT AND COMMERCE BANK LTD.)
Branch(支店): BANEPA
Bank address(銀行住所): BANEPA, KAVRE
Swift code: NBOCNPKA
Country(国): NEPAL