2010年9月12日日曜日

第25回日本国際保健医療学会学術大会 1‐2

 初日の午後のプログラムについてです。中村哲先生(ペシャワール会現地代表)のご講演がありました。中村先生の活動についてはペシャワール会のホームページに譲るとして、ここでは講演での話を一部、紹介したいと思います。
 まず、最初にパキスタンとアフガニスタンの関係について述べられていました。この2国には同じ民族が半分ずつ、勝手に決められた国境によって分断され住んでいるそうです。なので仲が良い、とのこと。アフガニスタンに拠点を置き、アフガニスタンやパキスタンで活動されているそうです。それがもう20年以上。用水路の作るのは、医師の仕事かと聞かれると、命を救う仕事として同じなのだと、また、血管外科に似ている、と言い会場を笑わせていました。ちなみに現地へは国連の飛行機が飛ばないと入れないそうで、こうした講演が聞けるのは非常に貴重なんだと思います。
 お話の中で、「何が嬉しいのか、何が悲しいのか、それを知らなければ医療はできない」という言葉がありました。外国から来た援助者が、自分たちの価値観で、現地のやり方を評価する。そしてお金がなくなると帰る。都合が悪くなると帰る。だから国際援助隊なんて信用できなくなった、とおっしゃっていました。そんな中村先生の活動の原動力となっているものは何なのか? 「最近、そのような質問を受けるようになりました。昔は、そんな事聞く人はいなくて、こんなことやっている、と言うと『おう、そうか!頑張れ!』とだけでした。(原動力は)男気なんですよ。ほっとけない。」と言っておられました。
 私は2年間、ドミニカ共和国で活動することになりますが、かなり守られた、与えられた活動であるので、恵まれています。国際協力の超・超初級編だと思います。それでも、やはり不安はあります。ただ、中村先生のように『男気』を忘れないように、自分自身の原点を忘れないようにしないといけないなぁ、と改めて考えました。

2 件のコメント:

  1. 中村さんの「男気」いいねえ。結局、その人の美学であり、人間力なんだよなあ。

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  2. katabira no tsujiさん
    国際協力の現場では女性が非常に多いので、「女気」とも言うんでしょうかね。理屈では心から人を動かせないのだと思いました。

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