実は、今回のこの大地震による災害で、訓練は延期になるものだと思っていました。福島県のJICA二本松は被災者の避難所になっていますし、長野県でも地震がありました。3月14日にJICAが「予定通り実施する予定にしている」との発表がありましたが、あくまでも予定でした。その後、18日に「JICA二本松で訓練予定だった人は、JICA駒ヶ根とJICA大阪に分かれて訓練を実施する」との発表があり、訓練が予定通り実施されそうな見通しになってきました。
地震後、私の訓練に向けての準備は一時中断され、地震に関する情報収集、PT協会やOT協会の動き、自分ができる被災者への援助、について常に思案していました。4月から無職で、さらに訓練が延期となれば、被災地で援助活動が何かできないか、と考えていたからです。
しかし、予定通り訓練は実施され、6月末にはドミニカ共和国へ派遣されるようです。今、日本がこのように混乱している中、国のお金で海外に行ってもよいのか? 自問自答してみました。
有事は地球規模で起きている |
「困ったときはお互い様」で、人と人が繋がり、国と国とをも繋げていく。これが国際協力だと思います。この有事のときでも、JOCVの派遣は問題ではないと考えます。
もう一つの問題は、JOCV派遣には税金が使われていることです。国民だけでなく、海外からも巨額の義援金をもらいながらも、国のお金の一部はJOCV派遣に使われます。訓練所での食事・電気・ガス・水道もそうです。冷たい目でJOCVを見る人もいるかもしれません。しかし、この件に関しても、事態の深刻さを議論の対象に挙げないなら、問題ないと思います。専門の知識・技術を持ったJOCVが困った人のところへ助けに行くことは、海外の人たちが日本に援助してくれていることと同じように大切なことだと思います。
JICAの「途上国支援がいつかは我々の国益になる」という考え方は、私はあまり好きではありませんが、つまり「持ちつ持たれつ」、「ギブ&テイク」という意味なんだと思うようにしています。国益のためではなく、地球市民であるために、私は生きているんですから。