2011年3月21日月曜日

JOCV派遣は予定通りの見通し

 派遣前訓練というものが、青年海外協力隊(以下JOCV)として派遣予定の人には課せられることになります。長野県にあるJICA駒ヶ根と、福島県にあるJICA二本松の2ヶ所で例年行われています。私は平成23年度1次隊の候補生としてJICA駒ヶ根に4月6日から6月9日まで滞在することになります。
 実は、今回のこの大地震による災害で、訓練は延期になるものだと思っていました。福島県のJICA二本松は被災者の避難所になっていますし、長野県でも地震がありました。3月14日にJICAが「予定通り実施する予定にしている」との発表がありましたが、あくまでも予定でした。その後、18日に「JICA二本松で訓練予定だった人は、JICA駒ヶ根とJICA大阪に分かれて訓練を実施する」との発表があり、訓練が予定通り実施されそうな見通しになってきました。
 地震後、私の訓練に向けての準備は一時中断され、地震に関する情報収集、PT協会やOT協会の動き、自分ができる被災者への援助、について常に思案していました。4月から無職で、さらに訓練が延期となれば、被災地で援助活動が何かできないか、と考えていたからです。
 しかし、予定通り訓練は実施され、6月末にはドミニカ共和国へ派遣されるようです。今、日本がこのように混乱している中、国のお金で海外に行ってもよいのか? 自問自答してみました。
有事は地球規模で起きている
 海外から多くの救助隊や義援金、援助物資が届けられています。逆に、ニュージーランドの地震、スリランカの洪水、カリブ諸国でのハリケーン、チリでの地震などなど・・・これらの有事の際に、日本は様々な形で援助をしてきました。同じ地球に住む者として、このような援助は、隣人が困っているときのように行われるべきものだと思います。困っている程度に関係なくです。JOCVの活動もなにも特別なことではなく、派遣国で困っている人に手を差し伸べているだけです。
 「困ったときはお互い様」で、人と人が繋がり、国と国とをも繋げていく。これが国際協力だと思います。この有事のときでも、JOCVの派遣は問題ではないと考えます。
 もう一つの問題は、JOCV派遣には税金が使われていることです。国民だけでなく、海外からも巨額の義援金をもらいながらも、国のお金の一部はJOCV派遣に使われます。訓練所での食事・電気・ガス・水道もそうです。冷たい目でJOCVを見る人もいるかもしれません。しかし、この件に関しても、事態の深刻さを議論の対象に挙げないなら、問題ないと思います。専門の知識・技術を持ったJOCVが困った人のところへ助けに行くことは、海外の人たちが日本に援助してくれていることと同じように大切なことだと思います。
 JICAの「途上国支援がいつかは我々の国益になる」という考え方は、私はあまり好きではありませんが、つまり「持ちつ持たれつ」、「ギブ&テイク」という意味なんだと思うようにしています。国益のためではなく、地球市民であるために、私は生きているんですから。

2 件のコメント:

  1. Lily君の考察は正しい。たしかに「国益」という言葉は、地球市民の対蹠点にある言葉だと私は思う。国際協力のためにも、日本の「国力」は必要である。今その「国力」に危機がおとづれていることはたしかだ。しかし、何があろうと行く予定を変更するのは「義」に反する。私も秋田に毅然と行ってきた。だからこそよけい感ずることもある。マイナスの状況をプラスに変えるのも人間力ではないだろうか。良い研修の時間を過ごされんことを祈るのみである。

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  2. katabira no tsujiさん
    被災者・被災地の支援に自分は何ができるか、と考えていましたが、何もできない自分がいました。派遣前訓練に入り、語学や国際協力の基本をしっかり身につけ、ドミニカ共和国で最大限に活動することが最も今、自分がしなければならないことだと思いました。
    日本の復興をドミニカ共和国で見守りながら、今後続いていくであろう国際社会での繋がりを維持していきたいと思います。
    訓練、頑張ります!ありがとうございます!

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