2011年7月3日日曜日

引き継ぎ

ドミ共弁当(220円)
 以前、青年海外協力隊が交代として派遣される際に、引き継ぎがどのように行われているのか質問されたことがあります。質問されたときは、私も分からない状態でしたが、回答できるようになってきましたので、この場で回答させていただきます。
 職場が変わる際や、新人に仕事を託す際など、「引き継ぎ」が非常に重要になってきます。今行っていることが、「現状でOK」なのか「改善が必要なのか」。そしてそれぞれ、どのような経緯で今のやり方になっているのか。それを知ることで、過去にあった失敗や成功を活かして次に進むことができます。
 私は理学療法士養成校を卒業した後、就職した大学病院で、いろいろな仕事が与えられました。物品請求、修理依頼、朝のコーヒーの入れ方など、先輩に教えてもらいながら覚えました。すぐには全て覚えることは無理で、何度も聞いては覚えていきます。
 そして、次に私の後輩となるスタッフが入職すると、また同じように仕事を引き継いでもらいます。いかに分かりやすく、無理のないように引き継ぎができるかを意識して行いました。一度にたくさんのことを言っても覚えることは不可能だと、私が入職したときに感じたので、簡単なことから引き継ぐようにしました。そして簡単なことの中でも、今必要なことから実際にやってみながら教えることにしました。例えば蛍光灯が切れている場合、「蛍光灯の交換はどこに頼むか知ってる?」から引き継ぎが始まります。「これを書いて、そしてここに電話するんだよ」と教えて、実際にやってもらいます。
 しかし、この方法は、教える人と教えられる人が同時にいる場合のみ可能です。青年海外協力隊で、交代で行った際、前任者がもう帰国していない場合もあります。その場合の引き継ぎはどうなっているのか。私の例で書きますと・・・、
 私の前任者は3月末で日本に帰ってきています。そして私の派遣が6月末ですから、現地で顔を合わせることはありません。なので、直接話を聞くとしたら日本で、という事になります。前任者の連絡先は、派遣前訓練の途中で、知ることができます。そして派遣前訓練と派遣の間の短い期間に、アポイントを取って直接お話することができます。ただ住んでいる所が遠くて直接会うことは難しい場合もあります。私はたまたま前任者のブログを見つけ、早い時点から連絡を取らせていただきました。
 直接会ったり、メールでやり取りする以外に、報告書を閲覧する方法もあります。そこには、どのような所で、どのような活動をしているのかが書かれており、それは一般公開されています。JICA地球ひろばの図書室などに所蔵されており、コピーも可能です。
 また、任国に派遣されると、ボランティア調整員という方がいて、事情に詳しいです。任国のボランティア事業を広く見渡しておられるので、「今後、こことここの結びつきを強くしていきたい」とか、「こういう目標で今まで頑張ってきている」など、いろいろ話を聞くことができます。また勉強もされており、調整員の方から「AKA博田法」など専門用語も飛び出します。
 このように前任者からの説明、担当調整員からの説明、報告書の閲覧により、引き継ぎがなされます。これにより、これまでの流れを汲みとり、効率よく前進することができるようなシステムになっていると感じます。
 私の場合、派遣される病院からビデオレターをいただき、早く行きたい、と胸をワクワクさせています。その前に明後日から始まる1か月の語学訓練で、しっかり実践的なスペイン語を身に着けようと思います!

2 件のコメント:

  1. なるほど、そういうカタチで引き継ぎするわけだ…。私もケニアやブルキナで調整員や看護婦さんと何人かお会いしたが、いい人ばっかりだったよ。JOCV後、日本に帰らず現地で国際貢献に携わることを選んだ方々だ。ある意味、JICAの職員さん以上に真剣にJOCVのために頑張っておられた。先の民主党の仕分けで、その予算が減らされて、大いに腹が立ったことを思い出す。いろんな人との出会い、それも勉強。頑張って。

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  2. katabira no tsujiさん
    事業仕分けの影響が、私たちの派遣の時から影響を受けています。けど、スタッフの方が一生懸命に活動しやすい環境を作ってくれているので感謝です。元JOCV隊員という人も多く、気持ちが分かるんでしょうね。心強い人ばかりです。明日から語学訓練&ホームステイ、楽しみながらも頑張りたいと思います!

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