JICAが開発途上国に派遣して技術移転を行っている人を対象に、「技術情報支援制度」というものがあります。これは、JICA研究所(東京都新宿区)に入っているJICA図書館が行っている制度です。JICA図書館にはODA資料や各国の情報を扱った図書などが所蔵されており、一般の方でも閲覧可能です。平日10時~18時までです。各国言語の辞書や語学学習教材などもあるようなので、派遣前などの語学学習にも使えるかもしれません。
さて、そのJICA図書館が行っている「技術情報支援制度(←詳細はクリック)」の対象者ですが、私も含まれます。そして、その制度を利用して、先日、2つのDVD教材を申請しました。医歯薬出版株式会社から出ている『DVD版 関節運動学的アプローチ(AKA)-博田法 第2版』と『DVD版 関節神経学的治療法(ANT)』です。申請してからちょうど1か月でJICA在外事務所に到着しました。
現地で手に入るものは申請できないので、スペイン語の医学書、などは欲しいけど申請できません。私の配属先にはこれまで派遣されてきたボランティアが残していった様々な本がありますが、その多くが「○○のリハビリテーション」や「リハビリテーションマニュアル」など、簡潔にまとまってはいるけど情報不足、という本です。そして、内科学、外科学など臨床医学の本が全くありませんので、病気のことを調べようと思うと、インターネットに頼るしかありません。(インターネットでは信用できる情報であるかを吟味しないと、誤った情報で患者を診ることになります。私は「メルクマニュアル」を基本的に活用しています。メルクマニュアルを提供しているMSDという会社のメキシコ版からはスペイン語で書かれたメルクマニュアルが参照できます。しかしユーザー登録が必要です。)なので、本当に欲しいものが必ずしも手に入る、とは限らないのがこの制度の欠点かもしれませんが、他にも私たちを支援する制度はいくつかあるので、使える制度をできるだけ有効活用すれば、この問題は解消されます。
この制度で申請できるもの=現地で手に入らないもの、それは「日本オリジナル」のものになってくると思います。様々な分野で「日本発祥の技術・知識」があるはずです。それは物理医学においてもそうです。これが日本の技術だ、というものを見せつけるための、非常に有用な制度がこの「技術情報支援制度」だと思います。他の分野でも日本オリジナルをこの制度を使ってアピールしていって欲しいと思います。
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