2013年8月1日木曜日

学びたいのに…

 私が国際協力の道に進むきっかけになったイベントが、JICA大阪で行われた高校生セミナーでした。そこで、開発途上国からの研修生たちとの交流の場があり、学びたいのに現地では学べない熱心な人が、日本に研修に来て、一生懸命に勉強している、ということを知りました。当時の私にとってはインパクトの強いイベントで、その後の人生に大きく影響を与えました。
 日本では、勉強しようと思えば何でも自分次第で勉強できる(お金はかかるけど)、しかし、途上国では勉強しようと思っても、教えてくれる人がいない、設備がない、学校があっても通えない、など様々な理由で学ぶことができません。私はいつからか、「学びたいと思っている人に、学ぶ機会を与えられる人になりたい」と思うようになりました。
 その最初の一歩が青年海外協力隊での活動でした。そして、それが終了した今、また途上国でセミナー・研修会などを開催するプロジェクトを企画したいと思っています。
 しかし、学びたいのに学べないのは、なにも途上国の人だけではないと最近分かりました。日本の現場を改めて見渡してみると、若い理学療法士が、疑問や問題を相談する相手がいないため、それを解決しないまま日々の臨床を行っているように感じます。または相談しても回答が得られず、解決しないままの場合もあるようです。日本における「学びたいのに学べない」は、おそらく非常に多くの現場が抱えている問題ではないかと思います。
 日本の理学療法士の質を上げることが、日本の理学療法士が世界で活躍するための必要条件であることは以前書きましたが、そのための一助になれるように、自分の知識や技術、経験を他の人と共有できる環境づくりは、今の職場から小さく始めたいと思っています。
 「学びたいけど、学べない人に、学ぶ機会を」は今後もずっと私自身のテーマになってくるでしょう。

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