12月に入ってからWCPT Newsが更新されませんね。今日はWCPT Policy Statement: Disaster Managementをお届けします。
【災害マネージメントに関するWCPT方針】
災害には様々な種類(自然災害や環境変化、技術進歩がもたらす災害など)があり、人々や国に与える影響は甚大で長期的なものになるという認識をWCPTはしている。
理学療法士が災害時に専門性を生かした貢献ができるよう平時からの備えとマネージメント戦略を練っておくようにWCPTは各国のメンバー組織に推奨する。
・理学療法士は国や地域が災害時の対策を考えるにあたり協力すべきである
・理学療法士は発災前・後・復興期における障害予防に関する教育や施策について協力すべきである
・理学療法士は被災者にリハビリテーションを含む介入や治療の提供をすべきである
・理学療法士は被災した全ての人が理学療法を受けることができ、健康面・機能面を最大限に高めることができるようにするべきである
WCPTは次のことを推奨する。
・メンバー組織は政府機関、非政府機関、援助機関などと協力し、災害予防策や災害対策準備、災害時活動戦略、コーディネート計画を行うこと
・メンバー組織は災害時、支援を申し出る個人会員と協力し、情報の共有などの手助けをすること
・メンバー組織は卒後教育に災害マネージメントに関する内容をカリキュラムに入れること。
【原文】
http://www.wcpt.org/policy/ps-disaster-management
【用語】
・災害コンティニュアム
本文中には出てこないが、Disaster continuumという言葉があります。災害予防(prevention)、準備(preparedness)、災害時対応(response)、復興(recovery)の変化のある一連の流れを指します。WCPTは準備・対応・復興に理学療法士が関わっていけると報告書にまとめています。
・準備(preparedness)
平時からの備えは非常に重要です。どのような備えをすべきか、災害が起こったら自分は何をしなければならないか。理学療法士という以前に、一個人として考えておく必要があります。
また理学療法士として災害時にできることが、平時に自分ができることを超えることはありません。災害時に多い疾患はWCPTのレポートから引用すると、
・脊髄損傷、
・外傷性脳損傷、
・骨折、
・末梢神経損傷、
・熱傷、
・切断
であり、求められるPT技術は
・呼吸理学療法、
・スプリント(副子固定法)、
・車椅子処方、
・心理的ファーストエイド、
・障害インクルージョン(障害のある人もない人も同じ権利を持ったり、同じ活動を行ったりすること)
です。これらの事を普段の仕事でしていなければ、災害時にできる事ももちろんありません。
JDRの導入研修でも「普段の仕事をきちんとやる、普段から様々なことにアンテナを張る」ことの重要性を再確認しました。
【使われていた英語】
・be involved
(議論・活動などにいい意味で)参加する、関わる、携わる
・those affected by disasters
被災者
・populations affected
被災者全員
・curricula
カリキュラム(curriculumの複数形)
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