2019年6月13日木曜日

国際リハビリテーション医学会世界会議 in 神戸 ③

国際リハビリテーション医学会世界会議の最終日Day 4の報告です。参加したDay 0はこちら。Day 3はこちらから。

この日は8:40からワークショップがあり、朝6時に家を出ました。テーマは『The Disaster Rehabilitation Committee: Building Capacity and Evidence for Rehabilitation in Disaster Settings』で、オーストラリアのメルボルン大学の医師の発表が主でした。

メルボルン大学では能力開発のためのe-learningを今年中に発表する予定だそうです。EMTのspecialized cellの内、リハビリテーションの認証を受けているチームはなく、今後、リハビリテーション能力を高めるには、メルボルン大学が作成中のe-learningを是非活用して欲しい、という事でした。発表者の一人は、座長から「おそらく唯一のdisaster rehabilitationの分野でのPhD保有者」と紹介されており、ワークショップ後、連絡先を交換させて頂きました。

ワークショップの中で、中長期的なケアが、災害時には抜け落ちている事が多く、心理的サポートも今後のEMTの課題だと言っていました。四川地震でのフォローアップ調査でも心理的サポートの必要性が示されたとのことでした。

このワークショップの次には、ワークショップで座長を努めたFary Khan先生のセッション『Rehabilitation Services in Disaster Response: Role and Future Agenda』でした。Fary Khan先生はISPRMのDisaster rehabilitation committee (DRC)で精力的に活動されており、メルボルン大学の仲間や他の国の仲間とで研究やWHO、国連などとの交渉もしているそうです。

また、ISPRMで災害時に派遣可能なリハビリテーション医を登録するシステムを作り、EMTのspecialized care team for rehabilitationの認証プロセスに入ったとのことでした。この登録システムは医師だけなのか、理学療法士も入れるのか、はっきり説明は無かったですが、医師の学会なのできっと医師だけなのだろうと思います。けど、一度メールで聞いてみようと思います。もし国際学会のチームがEMTのspecialized care team for rehabilitationに認証されて、そのチームに登録できるとなると面白くなるな、なんて考えました。

災害時のリハビリテーションにおいてはまだまだdata collectionが必要で、そのためにICFのDRC版コアセットを開発予定だとも言っていました。実はこの後、またICFに関する講演を聞いてきて、演者の向野先生に災害時にリハビリテーションニーズを測るためにICFはどのように使えるか聞いてみたらICF generic 6がいいのではないかとコメント頂きました。DRC版コアセットについて、またFary Khan先生か向野先生にお尋ねしたいと思います。

今回、初めて国際学会に参加してみて、世界では様々な取り組みがされており、知らない事がいっぱいあった事に驚かされました。常に情報をアップデートしていかないと、あっという間に置いていかれるように思います。国際リハビリテーション医学会、特にDRCの今後の動きに注目したいと思います。

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