この画像はハイチの復興支援を取材したビデオの一部ですが、他にも松葉杖を使用している方々がたくさん映っていました。解説が英語で全てを聞き取ることができませんでしたが、震災初期は整形外科的な疾患の患者が多いそうです。なんと創外固定されている方も何例か映っていました。
患者さんの治療やリハビリテーションに多くの方が尽力している姿を見て、自分も! と気合を入れた次第です。
ちなみにこのビデオに出てきた松葉杖ユーザーの映像を見て、理学療法士として少し寸評してみようと思います。まずは画像の女性が使っている松葉杖ですが、左右の長さが違うと思います。遠近の差による見え方の問題ではなく、実際に違っていると思います。松葉杖にもS、M、L、LLなどのサイズがあります。適切なサイズを選んで、さらに長さの取っ手の位置を決める必要があります。おそらく、同じサイズの松葉杖が無かったんだろう、と予想します。他の例では、松葉杖の高さが異常に高かったりしている画像を何枚か見ました。これはきっと理学療法士によるフィッティングがされていない例だと思います。松葉杖だけ渡されて、「若いんだからできるでしょ」みたいな感じなのではと想像してみました。
松葉杖は意外と使う側も教える側も難しいのです。理学療法士の人の中にも、松葉杖指導について簡単に思っている人が多いですが、実際、きちんと松葉杖を教えられる理学療法士は少ないと思います。使う側が上手であればほとんど指導は要りませんし、松葉杖の高さが多少おかしくても歩けます。しかし、不器用な人や高齢者では数cmの高さの違いで歩けなくなったり、ちょっとした指示の仕方で足がすくんでしまう人がいます。上手く教えれば必ず歩けるのに、理学療法士の中には「この人の能力では歩けない」と判断して諦めてしまう。患者のせいにして諦めてしまうのです。患者のせいにしているから、自分の能力不足に気づかないです・・・。
物資が整っている日本では、長さの違う松葉杖を患者に持たせたら必ず笑われます。この画像を何の説明もなしに日本で見せると「何さしてるのこの人?素人か?」となると思います。日本基準で物事を考えてしまうから。
別のビデオで同じハイチの地震で、足を片側、失った少女の松葉杖で歩く姿が見れます。一生懸命ですが上手に歩いています。そして、最後にはにかんだ笑顔が見れます。
(参考)
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