「Inger Brøndstedと申します。デンマーク出身です。」私がIngerと初めて交わした会話はこのように始まりました。その場所はWCPTヨーロッパ地域の総会で、彼女は代表者として意見をする立場でした。WCPT会合でのこのような出会いは今日に繋がっています。
アイルランド理学療法士憲章協会の代表を私が勤め始めた時、何をするにもナーバスになっていました。話すときは早口になってしまっていて、Ingerがこっそり優しくその事を指摘してくれました。
彼女は英語を母国語としない人のためにもっと配慮することを教えてくれました。それからは、WCPT会合で話をする時は、聴衆の中にいるIngerを見ながら、早口になっていたら合図をしてもらっていました。
Ingerはデンマーク理学療法士会の会長で、WCPTでは1999年から2003年執行部で働き、2003年から2007年は副会長を勤めました。
Ingerは先週、亡くなられました。彼女の死を受けて、私はもう一人の偉大なデンマーク人理学療法士、Johnny Kuhr (1957-2014)を思い出します。彼もデンマーク理学療法士会の会長を勤め、2011年から2014年までWCPTの委員をやっていました。Johnnyも私を優しく指導してくれました。
私の知る範囲では、Johnnyは驚くほど優秀で冷静沈着でした。記憶に鮮明に残っていることは、ブルガリアでの講演のことです。そこでの通訳が期待通りのものではなかったのです。スライドが多すぎたことは分かっていましたが、私は開催者に説明を求めようとしていました。Johnnyは私を呼び寄せ、そんなことしても何も変わらないから、とにかくこのまま続けて最善を尽くすことだ、と諭してくれました。
リーダーシップにはいろいろな形があります。この二人の偉大なリーダーのことを思い出していると、二人には直接この話をしたことがないと気づきました。二人からどれだけのことを学んだか、二人は知らないでしょう。私の成長の軌跡を人に話すことは多くなってきましたが、IngerとJohnnyに話すチャンスを逃してしまいました。
Drew DudleyはTEDトークで「毎日のリーダーシップ」という面白く興味深い話をしています。彼が言うには、リーダーシップは頑張っても手の届かない遠い存在のものだというイメージを自分達で作り上げてしまっているとのことです。
私たちは皆、おそらく知らないうちに他人の成長を促しているだろうと彼は考えています。しかし、私のように、成長のきっかけを与えた人と話をすることがないがために、自分自身の能力に気がつかないこともあります。
リーダーシップというのは様々な方法で行われます。リーダーシップとは大きな役割や出来事であると同時に、お互いを成長させる日々の行いでもあります。IngerとJohnnyはデンマークの優秀な理学療法士であると同時に、理学療法業界の世界的なリーダーでもあります。多くの人に影響を与えたきたことに疑いの余地はありません。
IngerとJohnnyはJim Collinsが示した「5段階のリーダーレベル」について、特徴を提示しました。貪欲で、何かおかしな時は自分自身の行いを見直すことができる、そして、上手く行っているときは、周りの人たちの働きを認めることができる、ということが挙げられます。
そのようなリーダーになろうと努力することで、私たちの人生や私たちが関わる人の人生をより良いものにしていけるでしょう。
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