学会参加者の活発な議論でPTの専門性についての未来像を描くことができました。専門性を高めることにより独自処方を行えるよう前に進んで行くことも視野に入れられました。
専門職としての役割について議論するセッションでは、専門分化が進むと身動きが取り辛くなるのではないかと恐れる意見がありました。理学療法士は内向きで社会のニーズに縛られた専門分化ではなく、やってみたいことに挑戦していくべきではないでしょうか?
イギリスの脊髄疾患専門のLaura Finucaneは専門分化が行き過ぎているとの見解を示しています。「私たちは'そんな事できません。私は専門家ですよ'と言った風潮を作ってはいけないと考えています。私たちは複雑に絡み合う問題点を広い視点から考え、全人的に患者を診る必要があります」と述べています。
Laura Finucaneは、今の医学は総合医と専門医がいてどちらも同等の評価を得ていることから、理学療法もそういう流れになるのではないか、という会場の意見に反対の意を唱えました。全人的に患者を診るためには全体の20%が専門家となり、80%はジェネラリストであるべきだとLaura Finucaneは考えています。
一方でそれは専門家の重要性を低く見すぎだという意見もあります。ドイツで健康的な生活習慣に関する専門家として働いているHans Hobbelenは、自分がジェネラリストであれば可能な限り、患者を専門家に紹介するよう努めるべきだと考えています。ニュージーランドで理学療法の准教授をしているJon Warrenも同意見で、ジェネラリストが専門家に代わって治療することは危険を伴うので、どこで線引きするか皆で決めておく事が大切だと述べています。
参加者からは専門分化や先進技術に関してきちんとした定義付けやガイダンスが必要だという意見が多く出ました。これはWCPTの役割だったでしょうか?
WCPTのEmma Stokes会長はこのテーマに関して様々な意見をまとめた報告書の作成に取りかかっていると話しました。ガイドラインや方針もそれに続いて作成されます。現在の理学療法士の権利を越える展望を持つことが重要だということ、そして世界中の理学療法業界にもこの課題を投げかける必要性も会長は強調していました。
「よりお互いを高め合うようなガイドラインができれば素晴らしいと思います。」と会長は述べました。
別のセッションでは、自身の専門分野における処方権の拡大について議論されました。2012年にイギリスで独自に処方できる権利を理学療法士が得たという例が紹介されました。理学療法士が処方権を持つ国はイギリス以外にはまだありません。
理学療法英国公認協会のNatalie Bestwetherickによると、新たな権利を持つには医師、薬剤師、世論の支持が必須です。また政府とも足並みを揃えて指針を作ることが重要です。
整形外科領域の人材不足などの問題を解決するためにイギリスではこれまで様々な職域の変更が行われてきました。理学療法士の例の前には看護師が処方権を得ています。
「国によって事情は異なるので上手く行く場合ばかりではないでしょう。」と彼女は述べました。
久しぶりにコメントを書きます。よく勉強しているなあと、感心して読みました。医療のことは全くの素人なので、良くわからないのですが、とにかく感心しました。
返信削除さて、国語科の後輩で、野球部とかるた部でがんばっていたR君が、先日南スーダンに旅立ちました。国境なき医師団の航空関係のスタッフとしてです。私は、凄い教え子を2人もっています。君とR君です。誇りにに思います。
ますますのご健勝を。
先生、ご無沙汰しております。国語科のR君の記事拝見しました。教え子の立場からすると、先生の記事やコメントは励みになりますし、それを誇りに僕たちも思います。ありがとうございます。
削除【WCPT News】シリーズは別のサイトの翻訳記事です。最近は翻訳の仕事が多いです。