2010年12月29日水曜日

公衆衛生大学院

 先日、アメリカの公衆衛生大学院で公衆衛生学修士(MPH: master of public health)を取得された医師の講演を聞く機会がありました。留学のための基礎知識から、行った人にしか語れない大学院生活など、留学しようと思っている人にとっては非常に魅力的な講演でした。
 MPHのコースに入学する人は、医師が多いそうですが、それ以外の人も多くいます。看護師、保健師、薬剤師、栄養士、などの医療関係者だけでなく、経営者などの非医療従事者もいるそうです。それは、公衆衛生がカバーする領域が広く、産業衛生の分野では「いかに労働災害をなくすか」などで会社の経営者が学びにくることがあるのだそうです。最近はMPHのコースに入学する学生が減少傾向なのでアメリカの公衆衛生大学院は入りやすくなっているそうです。
 日本でもよく聞く、働きながら大学院で学ぶ、という制度もあります。40~50歳台の人が、病院で医師をしながらpart-timeで勉強に来ている事もあり、年齢層も幅広いようです。海外からの留学生はfull-timeで、アルバイトなどはなかなかできず、勉強に追われる、とのこと。演者の先生は、院での講義も含めて、1日8時間の勉強が11ヶ月間続いた、と話されていました。(アメリカでもMPHは1年で取得できるよう) まるで、医師国家試験の試験勉強をしている時のように、ひたすら勉強した、とのことでした。
 留学中はアルバイトができないので、お金はきちんと準備しておかないといけません。授業料や生活費などを含めて500万円ほどはかかる、とのことです。決して安くありません。しかし、その価値は絶対にある、とのこと。なかなかの大金が必要ですが奨学金制度の紹介もあり、フルブライトなど良く聞くものから、初めて聞くものまで情報を得ることができました。世界銀行も奨学金制度があるというのは知りませんでした。最近は、学生が減ってきている上、公衆衛生学はトレンドとなっているそうなので、奨学金はもらえやすい、とのことです。世界銀行の奨学金もあまり知られていないのか、応募している人はそう多くない(もちろん競争はあるが)かもしれないそうです。
 そして、入学のために必要な学力を証明するものですが、TOEFLとGREというテストがあります。TOEFLは留学のための英語力を見るもので、GREは一般学力を見るものです。GREは数学と国語(英語の)で、国語は極端に低い点数を取らなければ、外国人の点数はあまり重視しないそうです。GREよりもTOEFLの勉強が大変だったそうです。TOEFLとGREは足きりに使われる程度のものだそうです。
 もっと大事なのは、エッセイと履歴書(CV: curriculum vitae)で、志望動機や今後のことを高度な英語で書いて提出しなければいけません。自分が過去にやってきた実務経験・活動が非常に重視されます。これはアメリカ人でも、書いた後、プロによる英語の校正を受けるそうです。そこらへんの、英語ぺらぺらのにーちゃんに見てもらってもダメだそうです。
 そして、推薦状を最低3人に書いてもらう必要があります。これも重要で、自分のことを良く知っている人に書いてもらうことが必要です。ある程度、書いて欲しいことを持ってお願いに行くのがコツだそうです。
 これらの準備には手間と時間が非常にかかるそうで、留学が始まる前から、根気が必要なようです。入学すれば、後はやるかやらないかは自分次第。基本的に留学生には甘いらしく、よっぽどでなければ単位を落とすことはないそうです。ただ、大金を払っているので、 (留学生からどれだけお金を吸い上げられるか、という事を大学側は考えているそう)、怠ける人はほとんどいないそうです。いろいろな人との出会いもあり、刺激的で留学した人のほぼ100%が「行って良かった」「めっちゃおもしろい」と口をそろえて言うそうです。
 MPHを取得している日本人はまだまだ少なく、特に関西は少ないらしいです。(東京にほとんど集まっているらしい) 今回の講演を聞いて、ますますMPH取得に向けて勉強、そして活動をしようと思いました。大学院に挑戦するまでの間に、いろいろと活動したことを発表したり、学会誌に投稿したりして実績を積み、アピールポイントをたくさん作れるようにしていこうと思います!

2010年12月26日日曜日

欲しいものまとめてゲット

 今日は、ヨドバシ梅田で欲しかった電化製品をまとめて購入しました。
  ・デジタルビデオカメラ
  ・ドキュメントスキャナ
  ・外付けポータブルDVDドライブ
 です。その他消耗品やアクセサリー類も購入しました。
 デジタルビデオカメラは、勉強会や研修会で撮影可能な場合に記録を残したり、ドミニカ共和国での活動の記録を残したりするのに使用したいと思っています。これまで研修会での撮影は、友人からDVDハンディーカムを借りて撮影していました。頻回に使うので借りてそのまま我が家に置いてあります(かれこれ4年)。記録メディアが直径8cmのDVD-Rで、1面で60分撮影できていました。そのDVDが現在、積み上げると50cmを越える量になってきています。保管と管理が大変だし記録メディアも安くはありません。
 一時期、ハードディスク内蔵のハンディーカムが出ており、現在も売っています。しかし、最近の主流は、メモリー内蔵でもっと小型化されたもののようです。店員さんにいろいろ教えてもらい、一緒に買い物に付き合ってくれた友人は価格調査をしてくれたりして、この商品を購入することに決めました。
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 そして、ドキュメントスキャナですが、これは、自宅や職場にある大量の資料を電子化し、ドミニカ共和国に持っていくために購入しました。紙は大量に持っていくと非常に重く、そして嵩(かさ)張ります。電子化しておけば検索も簡単ですし、あれもこれも持って行けます。出発まで時間が限られているし、資料がたくさんある、という事から、スキャンするスピードが最も速く、一度にセットできる用紙の枚数が最も多いもので、かつ手の届く値段のものを選びました。こちらは、ビデオカメラと違って種類は多くないので、簡単に選ぶことができました。この商品です。
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 最後のDVDドライブですが、現在メインで使用しているPCがネットブックで最低限の機能しか付いていないことから、CD-ROMからソフトウェアをインストールする事ができないのです。今まで人に借りたり、インターネット上でダウンロードしたり、という方法でしのいでいましたが、あれば便利なので勢いで購入しました。
 これで年末年始、資料の電子化、整理で忙しくなりそうです。

2010年12月14日火曜日

ハイチの復興支援

 ハーバード大学の公衆衛生大学院のホームページからお借りしてきた画像です。ハイチの大地震で怪我を負った女性が松葉杖で歩く練習をしています。白人の青いズボンと手袋の女性は理学療法士でしょうか? 分からないですが、歩く手助けをしているように見えます。
 この画像はハイチの復興支援を取材したビデオの一部ですが、他にも松葉杖を使用している方々がたくさん映っていました。解説が英語で全てを聞き取ることができませんでしたが、震災初期は整形外科的な疾患の患者が多いそうです。なんと創外固定されている方も何例か映っていました。
 患者さんの治療やリハビリテーションに多くの方が尽力している姿を見て、自分も! と気合を入れた次第です。
 ちなみにこのビデオに出てきた松葉杖ユーザーの映像を見て、理学療法士として少し寸評してみようと思います。まずは画像の女性が使っている松葉杖ですが、左右の長さが違うと思います。遠近の差による見え方の問題ではなく、実際に違っていると思います。松葉杖にもS、M、L、LLなどのサイズがあります。適切なサイズを選んで、さらに長さの取っ手の位置を決める必要があります。おそらく、同じサイズの松葉杖が無かったんだろう、と予想します。他の例では、松葉杖の高さが異常に高かったりしている画像を何枚か見ました。これはきっと理学療法士によるフィッティングがされていない例だと思います。松葉杖だけ渡されて、「若いんだからできるでしょ」みたいな感じなのではと想像してみました。
 松葉杖は意外と使う側も教える側も難しいのです。理学療法士の人の中にも、松葉杖指導について簡単に思っている人が多いですが、実際、きちんと松葉杖を教えられる理学療法士は少ないと思います。使う側が上手であればほとんど指導は要りませんし、松葉杖の高さが多少おかしくても歩けます。しかし、不器用な人や高齢者では数cmの高さの違いで歩けなくなったり、ちょっとした指示の仕方で足がすくんでしまう人がいます。上手く教えれば必ず歩けるのに、理学療法士の中には「この人の能力では歩けない」と判断して諦めてしまう。患者のせいにして諦めてしまうのです。患者のせいにしているから、自分の能力不足に気づかないです・・・。
 物資が整っている日本では、長さの違う松葉杖を患者に持たせたら必ず笑われます。この画像を何の説明もなしに日本で見せると「何さしてるのこの人?素人か?」となると思います。日本基準で物事を考えてしまうから。
 別のビデオで同じハイチの地震で、足を片側、失った少女の松葉杖で歩く姿が見れます。一生懸命ですが上手に歩いています。そして、最後にはにかんだ笑顔が見れます。
(参考)

2010年12月11日土曜日

青年海外協力隊の目的

 JICAのウェブサイトにあるインタビュー記事に、青年海外協力隊事務局長の方の話が載っていました。
 ↓

 青年海外協力隊に関して、3つの目的を掲げているのだそうです。

 1、開発途上国の発展と復興に貢献する
 2、発展途上国との友好親善・相互理解を促進する
 3、ボランティア経験の社会還元

 先日、青年海外協力隊の大阪府OB・OG会の月例会に行ってきました。そこで企業が青年海外協力隊に参加した人たちをどう見ているか、インタビュー調査された内容を聞くことができました。企業の社会的責任(CSR)という言葉がよく聞かれる近年、会社から協力隊員を輩出することが一種のCSR活動だという意見がありました。しかし、現職参加制度を利用し、会社に籍を置きながら途上国で2年間活動した社員は、帰ってきてからその経験を生かす仕事に就くことは稀で、多くの人はネガティブな思いを会社に対して抱くのだそうです。「同期と給与の面で差が付いた」「スタッフが変わっていて〈あんた誰〉みたいな扱いを受けた」「事務的な過程が多く、話がなかなか前に進まない」・・・帰国後、もと居た会社を退職する人が多かったそうです。
 企業のグローバル化などがやっと謳われるようになった日本では、社内完全英語化を実践している企業が出始めています。こうやって、ドンドン外に出て行くような環境が出来上がってくると、ボランティア経験者は貴重な存在になっていくのではないかと思います。企業が、協力隊員を輩出するだけでは十分なCSR活動とはいえないと思います。協力隊の経験をさらに有効に使ってこそ、意味があるボランティア経験だったと言えるのです。
 ただ、企業側も、「2年間、どんなことをしてきたのか分からないから、帰国後の仕事に関しては2年前の能力をもとに判断して決めるしかない」という意見もあるようで、協力隊自らが、活動中などに自身の経験や行動を報告していくようにしないといけないでしょう。協力隊になった事が評価されるのではなく、協力隊になってどんな活動をし、何を残してきたのかが評価されるのですから。
 協力隊の3つの目的は、活動中も帰国後も、つまりこれから一生、私に課される課題なのかもしれない、と感じました。

2010年12月4日土曜日

国際協力の現場で女性が多く活躍している理由

 国際協力に携わる人材の多くが女性であることに、いろいろ人との繋がりを増やしていくと思ってきます。国際協力をしている男性も、女性自身も「男より女の方がタフだ」、「女性の方が交渉が上手い」などと言います。中村哲さんが「あなたの原動力は何ですか?」と質問されたとき、「男気なんだなぁ」と言っていましたが、その後、「女性の方が現場では多いんだけど」とおっしゃっていました。
 前回紹介した本の中でも女性が多く海外で活躍している事について取り上げられていました。その中で「男性は国際協力の仕事を辞めても日本で仕事がある。しかし、女性は日本に帰っても仕事がないので辞められない」という話がありました。事実、2010年、政府が発行した『男女共同参画白書』では、高校以上の教育を受けた女性の就労率は、経済開発協力機構(OECD)の加盟国30カ国中、29位となっています。つまり、学歴があっても日本という社会でそれを生かす場がない、ということです。(ちなみに、日本は66.1%、トップのノルウェーは88.8%、最下位の韓国は61.2%です)
 よって、能力のある女性は海外へ出て行ってしまうのでしょう。しかし、こういう社会的な事情だけでなく、実際に女性の方がタフで度胸があることは否めないと思います。海外で、とりわけ途上国で活躍する素質を、男性よりも兼ね備えていると感じます。男は、妙に保守的で、変化に臆病です。坂本竜馬のような革命を起こそうとする人物はほとんどいません。私もそうなのかも知れません。殻を破らなければ!

2010年11月28日日曜日

【書籍】世界を救う7人の日本人

 先月(10月)に出たばかりの本ですが、読書スピードが非常に遅い私でもサクサク読み進めることができました。サブタイトルに「国際貢献の教科書」と書かれています。その名の通り、国際協力をするためのノウハウが各分野ごとに実際例とともに解説されていますから、非常に勉強になります。
 7つの問題:「水の問題」「復興支援の問題」「命の問題」「食料の問題」「教育の問題」「経済の問題」「国際協力の問題」、について対話形式で書かれています。対話というのは、著者池上彰氏と、7つの問題に携わっている専門家7人との対話です。JICAの理事長緒方貞子氏や、JICA専門家、医師、大学教授などをされている方々です。
 この本の中で、「日本の国際協力の特徴」、という話がよく出てきます。①仕組みづくりが得意、②人づくりが得意、③現場主義、④小さな世界レベルのモデルがある、という事です。欧米とは少し国際協力のやり方、考え方が違う、という事を初めて知ることができました。

2010年11月27日土曜日

目的

 最近、ブログというのは流行らないらしい、というのを聞いたことがあります。長い文章を書くよりも、twitterやmixiのつぶやき機能のように、非常に短い文章で他人と繋がることができるサービスが流行りのようです。文章作成能力の低下などと言われています。が、私もtwitter userです。twitterでは制限された文字数の中で、いかに多くの情報を正確に伝えることができるか、という能力が試されるサービスだと思います。私は文章を書くのが嫌いではありません。(好きでもないのですが) 目的があってこのように文章を書くことは必要なことだと思っています。
 病院で働いていると様々な病気を持った方やそのご家族の方とお話することがあります。最近は自分の病気について本やテレビだけでなく、インターネットで医学情報サイトを見たりして情報収集している人が多いです。また、同じ病気を持った人が書いているブログを読んでいる人もいます。言い換えると、闘病生活やその後の生活についてブログに綴っている人が多い、ということでもあります。そのブログから病気との付き合い方について学ぶ人や、勇気をもらう人や、目標を持つ人がいます。
 私のブログには知人・友人だけでなく、様々な検索ワードで誘導されてきた見ず知らずの方もたくさん居ます。検索ワードを見てると、理学療法士を目指している方、国際協力がしたいと考えている方、スペイン語を勉強している方などなどだと思います。そんな方々に少しでも自分が役に立てることがあるなら、ここで情報提供していこう、というのがこのブログの趣旨です。
 もともと自分が学んだこと、思ったことを自分一人のために使うことが嫌いです。出し惜しみするような人にはなりたくないと思っています。いろいろ助言をくれたり、勉強会の情報を流してくれたり、勉強の資料を送ってくださったりする先生方が、私の周りには多くいます。非常に幸せなことだと思っています。その幸せをこのブログの読者の方に還元しなければ、そんな思いなのです。

2010年11月15日月曜日

第12回フォローアップコース

 久々のブログ更新は、またもや福岡空港からです。今回は金曜日から福岡に来ています。土曜日と日曜日にAKA-Hの第12回フォローアップコースが福岡で開催されていたので参加しました。2日間みっちりAKA-Hの全手技をレビュー・レベルアップする、というコースです。受講するためには、いろいろ条件があり、初心者は参加しませんので、ちょっと踏み込んだ所まで研修で教えてもらえるのが特徴です。前回、第11回が名古屋であり、それにも参加しました。
 九州は九州ブロックでシニアインストラクター、インストラクターがいるので近畿ブロックからのインストラクターの参加はなかったです。シニアインストラクターの先生以外は初めて見る方ばかりでした。今回の私の研修に参加する目的は、もちろん技術向上もありますが、一番は「全手技を網羅しているこのコースでデモの動画を撮影してドミニカ共和国に持っていく」という事でした。持っていく目的は自分のためです。自分の技術を見直すときに、今回の最新の動画を使って細かい点を修正しようと思っていました。
 しかし、少し自分が求めているものと違いました。初心者がいないことから、デモはあまり詳しくなく、ほとんど実技練習の方に時間が割かれる進行の仕方でした。多くの手技をたった2日間でやるのですからそうなるのは当然でした。考え違いでした。撮影した動画は後で使えるようなものではなさそうです…。しかし、普段あまり聞いたり見たりすることのない九州ブロックのシニアインストラクターのデモを見れて非常に新鮮でした。シニアインストラクターって凄いなぁ、と改めて思いました。
 私も含めて、まだまだ初心者の方は認定療法士を目指して、次にインストラクターを目指します。インストラクターを目指している認定療法士の方はみな、「認定療法士とインストラクターは全くレベルが違う。認定療法士は取れてもインストラクターは並大抵の努力じゃ無理だ」と言います。しかし、そんなインストラクターよりもやっぱりシニアインストラクターのレベルは桁違いに高いです。そして、そのシニアインストラクターが越えられない壁が博田先生なのですから、博田先生は神だと言っていいと思います。
 兎にも角にも、今回の研修も、いろいろな意味で、非常に有意義でした。満足できた所、不満だった所などいろいろ含めてよい経験だったと思います。新しい注意点も聞くことができましたし、明日からの臨床に生かしていきたいと思います。
 ちなみに今日、月曜日は紅葉狩りに行ってきました。また写真とともにアップします。

2010年11月3日水曜日

ロゼッタストーン:スペイン語レベル1終了


 ロゼッタストーンのスペイン語はレベル1から5までありますが、先日レベル1が終了しました。仕事の合間などにやりながら2ヶ月ちょっとかかりました。このペースではレベル3くらいまでしか派遣前訓練までに終了できないかもしれません。
 レベル1終了記念に、現在のスペイン語能力で何か書いてみようと思います。

 ¡Hola! ¿Como esta? Estoy muy bien. Me llamo Lily. Vivo en japon. Trabajo en un hospital. Me gusta jogar al tenis. Estoy enseñando español con una computadora. No tengo diccionario de español. Necesito diccionarios.

 パッと書けるのはこんな程度です。
 内容は・・・ 「こんにちは。お元気ですか?私は元気です。私の名前はLilyです。日本に住んでいます。病院で働いています。テニスをするのが好きです。スペイン語の勉強をコンピューターを使ってしています。スペイン語の辞書を持っていません。スペイン語の辞書が必要です。」
 過去や未来についてはまだ書けません。接続詞や前置詞をほとんど知りません。指示代名詞の使い分けも曖昧です。覚えた動詞も少ないです。レベル2が終わる頃にはどれだけ成長しているか期待してみようと思います。

2010年10月31日日曜日

【映画】The Price of Sugar

 原題 : The price of sugar
 制作年 : 2007年
 制作国 : アメリカ合衆国、ドミニカ共和国
 監督 : Bill Haney
 ナレーション : Paul Newman
 ホームページ : http://www.thepriceofsugar.com
 
 ドミニカ共和国でいろいろ検索していたら、「ドキュメンタリー映画『The Price of Sugar』 グローバル化の闇を浮き彫りにする」という記事を見つけました。この映画、見たいと思いアマゾンなどいろいろ調べてみても手に入れる方法が分かりません。公式ホームページを見てみると、どうやら現在、一般販売はされておらず、アメリカの学校や大学、教会など、団体への貸し出しの上映が有料で行われているようです。
 残念ならが映画自体は予告編しか見れませんが、公式ホームページのPressからPress Kitという所をクリックすると、いくつかデータが手に入るようです。
 「グローバル化」、「労働」、「国際経済」、「貧富の差」、「移民」、さまざまなキーワードが入っていると思います。次に読もうと思っている書籍『あなたのTシャツはどこから来たの』とテーマは似ているのかもしれません。いつかチャンスがあればこの映画見てみたいですが、それまでは頭の片隅に「こんな題材の映画があったなぁ」と留めておきたいと思います。

2010年10月29日金曜日

JPTA News No. 267 Oct. 2010

 先日参加した「ファシリテーター養成講座」の参加報告が、日本PT協会のニュース誌に掲載されています。PT協会の会員の先生方は、JPTA News No. 267の25ページを是非ご覧ください。参加したくなると思います。
 報告書の中には、今回の講座のキーワードがちりばめられていています。「新しい発見」「意見の共有」「議論の前進」などなど… また、恥ずかしながら(と言いながらも、ちょっと嬉しかったですが)愚生の事も書いていただいています。
 報告者は当ブログをいつも見ていただいているK.Yさんです。参加者を代表して書いていただきました。ありがとうございました。

2010年10月17日日曜日

【書籍】Collins easy learning: Spanish Grammar

 英語で書かれたスペイン語の文法書Collins easy learning: Spanish Grammarです。以前、大きな本屋さんで見つけて欲しいな、と思っていた本です。日本語を介さずにスペイン語だけを感覚で勉強するロゼッタストーンのレベル1がそろそろ終わるので、基本的な文法をここで一度チェックしてみようと思ったわけです。
 冠詞や、動詞の活用など「何となく」でやってきたのですが、文法書を読むと、「なるほど、やっぱりそういう使い方か!間違ってなかった」と思えるところがロゼッタストーンの成果だし、文法書の価値です。
 今日は、英検のバイトがあり、お小遣いができたので、それで購入しようと、バイトで一緒だった友人(後輩T君&M君)と本屋さんへ行きました。今日行った本屋さんは(現在もそうかどうか知りませんが)西日本最大の本屋さんで、お目当ての本はしっかり売られていました。この商品を手に取り、他にもいろいろ本を見渡している内にトイレに行きたくなり、T君に本を預けてトイレに行きました。待たせると悪いと思い、すぐに戻ると、「ここに居ます」と言っていた場所に彼がいませんでした。広い本屋さんなので「はぐれたな」と思い、あまり動かず待っていると、預けていた本が袋に入った状態になって、それを持った後輩が奥から現れました。「餞別です」と言い、この本を私にプレゼントしてくれたのです。なんと良い後輩を持ったのでしょう!嬉しさのあまり動揺してしまい噛み噛みでしたが、お礼を言い、ありがたく頂きました。T君、ほんとうにありがとう!!

2010年10月11日月曜日

グローバルフェスタ 2010

 10月2日と3日は東京の日比谷公園で行われたグローバルフェスタへ行ってきました。2日はスリランカからのPTさんとの研修の後、一緒に参加した先輩JOCVの方と2時間くらいウロウロとしました。3日は高校時代の友人S君と一緒に朝から最終5時までたっぷりフェスタを堪能しました。著名人も何人か講演やパネリストなどとして来ており、非常に多くの方で盛り上がっていました。
 毎年、出展数は増加傾向にあるようで、多くの政府機関、国際機関、NGO、学生団体、有志の団体が出展していました。JICA関係や国連ボランティア、リハ関連職種の集まり「JOCVリハビリテーションネットワーク」、ドミニカ共和国にJOCVで派遣されていた方の集まり「ドミニカ共和国OV会」などが今の私に最も興味のあるところでした。その他にも医療系の活動をしているNGOなどの話を聞きにいったり、謎の料理やケバブなどの有名料理を食べたり、講演を聞いたり、中野美奈子アナを見に行ったりと動き回っていた一日でした。
 一緒にいたS君は、アフリカで活動しているNGOのブースで掘り出し物探しに没頭していました。インテリアに凝っているらしく、壁飾りや置物などたくさん購入していました。右の写真はその一つで、購入したものの中では一番のお気に入りだったようです。木製で、アフリカの地図が書かれており、国ごとにパズルのピースになっているものです。地図系を探していた彼(アフリカが中心になった世界地図が欲しかったそうです)がこれを見つけた時の興奮ったらなかったです。笑 私は様々な団体の資料で荷物が重たくなりましたが、S君は多くの雑貨で両手がふさがっていました。次に彼の家を訪ねたときはアフリカンテイストになっていると思います。
 「JOCVリハビリテーションネットワーク」は出展とワークショップを行っており、その模様は「JOCVリハビリテーションネットワーク」のサイト(といってもブログ形式)に行くと紹介されています。「JOCVリハビリテーションネットワーク」では、PT・OT・STが国際協力をより身近に感じてもらったり、簡単に始めることができるよう、スタディーツアーの開催などを今後の目標にしている、というお話があり、これが実現されれば、リハ関連職種の国際協力への高いハードルが解消されるのでは、と期待しております。
 そう!「ドミニカ共和国OV会」のブースで、私費出版されていたドミニカ共和国についての本を購入しました。歴史や文化、食事や買い物など非常に多くの情報が、そこで住んだ人でしか書けない内容で書かれています。なかなか情報量の少ないドミニカ共和国だったので、手に入れることができて非常によかったです。

2010年10月2日土曜日

スリランカのPTとの交流

 今日は、2005年スリランカから、JICAのプログラムで日本に理学療法・リハビリテーションの勉強に来ていたPTと東京でお会いしました。2005年に勉強したことが祖国でどう活かされたか、という報告や、今後の行動計画についての討論会が行われました。
 祖国スリランカでは、PT養成校が少しは増えたそうだがそれでも3 coursesとおっしゃっており、250人のPTがいるだけだそうです。スリランカも日本と同様に高齢化が進んでおり、さらにまだ戦争の傷が癒えない(身体的にも精神的にも)人々が多くいて、理学療法の需要はありそうです。しかし政府はなかなかリハビリテーション分野までは支援しきれず、最近は人工呼吸器や各種モニター装置に予算を出したそうです。
 そのような状況のスリランカにおいて「現職者への研修プログラム」をどう作り上げていくか、という行動計画について、みなで意見を出し合いました。メンバーは、ICAの方2人、JIMTEFの方1人、PT協会国際部の先生、JOCV経験者の先生、そして私でした。英語での討論であることと、訛りのある独特な英語であったことから、半分くらいしか理解できず、あまり発言もできませんでしたが、ICAのファシリテーターの方が上手く引っ張ってくださり、たくさん意見が出たと思います。「そうするにはお金はどの程度必要か?」という突っ込んだ所まで議論が展開されました。
 今回のように日本に研修に来たPTを再度、日本に呼んでフォローアップする、ということは初めてだろう、とのことでした。なので、日本での研修がどのように祖国で活かされたのか、という報告は非常に貴重なものだったと思います。また、じっくりスライドを読み返してみようと思います。名刺交換もしましたので、気になることがあったらいつでも質問できます。彼は研修生として来ていますが、私にとっては彼から教わることばかりです。研修に来ているPTだからと言っても、決して能力のないPTではなく、非常に貪欲にいろいろな所でいろいろな方から多くのことを教わっているPTですから、私が知らない事を多く知っているのは必然だと思います。彼を見習って、私ももっといろいろな事に貪欲にならねば、と思いました。
 夜は一緒に食事をし、秋葉原でお別れをしました。「See you in Sri Lanka!」と握手と笑顔で挨拶をしました。スリランカは3月が最も訪問にはよい時期だそうです。ぜひ訪れてみたいものです。

2010年9月25日土曜日

こちらの善意が、相手に迷惑になっていないか?


 以前書いた、パキスタン地震の際のPT・OTの活動について、疑問点を書きましたが、今日、その解答を実際に活動したPTのHさんに教えてもらいました。
 「女性がほとんど外出することのない地域で、女性障害者に対して外出訓練をした、という事だが、文化と逆行していないか?」
 その答えは、次のごとくです。
 「活動地が都心であり、女性は比較的外に出る方だった。また集団でやったので可能だった。もし、活動地が田舎の方だったら、外出訓練はできなかったでしょう」
 別の例ですが、当ブログの読者登録なさってくれている母校(高校)のkatabira no tsuji先生から聞いた話です。正確には覚えていませんが、理数科教師の途上国での活動の話だったと思います。子供に算数を教えるのですが、父親は算数ができません。父親は子供にとって偉大な存在である国で、父親よりも高等な教育を行うことは許されることなのか? その教師が行った教育方法は、「子供と一緒に父親にも教育を一緒に行う」という方法だったと記憶しています。(合っていますか?)
 こちらが良かれと思ってやる活動も、「配慮」を欠くと失敗することが多くあると思います。「配慮」のためには相手を知ること、相手を取り巻く文化や風習、環境を知ることが大切だと思います。そして「配慮」は何も国際協力に限った特別なことではありません。道を単に歩いているとき、人と単に話をするとき、どんなときにも「配慮」ができる人を私は尊敬します。
 来週、スリランカの理学療法士の方とお食事することになりました。お互いのことを良く理解できるように「配慮」(=ここでは準備と言い換えれましょうか)をして行きたい、と思います。

2010年9月24日金曜日

【書籍】Yes/No Medical Spanish

 この本はスペイン語での問診をする際に利用できそうな本です。今年の1月に発売された意外と新しい本です。あらゆる状況を想定した数々の問診例を英語―スペイン語の対訳形式で書かれています。
 聞きたい内容によって章が分かれており、既往歴を聞く章、現病歴を聞く章、痛みについて聞く章、など細かく分かれており、必要な所をすぐに見つけられるようになっています。
 英語での問診についても勉強できるので、私にとって一石二鳥です。
 以前に紹介した英語―スペイン語の医学辞書と合わせて使用するために、ドミニカ共和国に持っていこうと思います。

2010年9月23日木曜日

HIV/エイズとともに生きる子どもたち


 NPO法人宇宙船地球号の代表、山本敏晴先生の写真展「HIV/エイズとともに生きる子どもたち」へ先日、行ってきました。山本先生の写真展へ伺わせてもらったのは、今回で2回目です。1回目に行ったときにゲストブックに名前と住所を書いたので、今回は招待状が届きました。AKA医学会の学術集会が終わった後の、新幹線までの時間に慌ただしく行ったせいで、ゆっくり時間をかけて見ることができなかったのですが、訴えかけるものが物凄くありました。 宇宙船地球号の活動の一つ「お絵かきイベント」で、世界中の人たちに描いてもらった「あなたの大切なものはなんですか?」の答えを集めて、本にしたり写真展にしたりして発表されています。現在69の国で行われており、まだ実施されていない国では協力者を求めているそうです。私の行く、ドミニカ共和国はまだ未実施、とのことで是非とも協力させていただく、という話になりました。来年の話にはなってしまいますが、このような壮大なイベントの一端を担うことができ非常に光栄だと感じます。 そのような活動もされている山本先生に、初めて写真展でお会いしたときは頼めなかったお願いをしました。そして手に入れたのが右の写真。「サインをいただけないでしょうか?」と勇気を出して言えました。笑

2010年9月21日火曜日

第32回AKA医学会学術集会

 先日、東京で行われた「第32回AKA医学会学術集会」に行ってきました。基本的には医師の学会ですが、PT・OTも参加できます。同級生のPTが2人来ていましたので、現地で落ち合い、K君と一緒に行動していました。K君はパネルディスカッションの中で登場する予定でしたが残念ながら登場せずでした。
 日本で開発された唯一の技術であるAKA博田法は、会員医師やPTにより海外にも発信されています。水泳の北島康介選手や、KONISHIKI元力士など有名人も多数、AKA博田法を受けられ、その効果を実体験されています。そんな報告も詳しく聞けて、非常に興味深かったです。
 「日本の技術を学びたい」と言われるとAKA博田法しかありませんし、「きちんと理学療法を学びたい」と言われると博田先生からの教えをできるだけ忠実に伝えることしかありません。「日本の理学療法」と言われると、伝えられる価値のあるものではありませんので困りますが・・・。「日本の理学療法」は、日本の医療制度により何とか成り立っている、と言えるのではないでしょうか?DPCに理学療法が含まれると、「理学療法なんて要らない」と患者からも社会からも言われるようになるのではないか、と危惧しているPTが多いことからも、そう感じます。
 そんなAKA博田法ですが、技術習得に終着点はありません。博田先生自身が「私は完璧だとは思っていません。完全に患者を治せたことがないからです。まだまだ分からないことはたくさんあります。」とおっしゃっておられました。その博田先生の技術の10年以上前の姿が、現在のインストラクターだ、といわれます。私の技術なんて、誰にも相手にされないレベルです。ただ、幸い、下手なりにも効果が一時的に出ることがあります。関節反射が起こると、一時的に可動域が良くなったように見えるのです。「変化が起こる」ということだけでも伝えれたら十分でしょうか・・・。
 「AKA博田法の全体像と未来の共有」というテーマでしたが、私が感じた「AKA博田法の未来」に必要な事は、会員の技術向上、学術的発信、世界標準化、を行い続ける会員の努力です。どれも私の目標でもあります。

2010年9月17日金曜日

第25回日本国際保健医療学会学術大会 2

 学会2日目は、国際保健、特に災害支援活動の分野でのリハビリテーション職種の役割、について考える自由集会に参加してきました。JOCVリハビリテーションネットワークと日本CBRネットワークの共催で、パキスタン北部で起きた地震災害の際に現地で活動した理学療法士および作業療法士の方々からの報告がありました。
 災害直後の現場の過酷さが非常に伝わってきました。最初の活動は、やはりPT・OTのことではなく、運ばれてきた人、特に子供の清潔保持や食事の提供などのお手伝いだったそうです。日本の病院とは違い、入院患者であっても、食事や着替えなど身の回りのことは家族が行う、というシステムなので、重症な子供が単身、ヘリで拠点病院に運ばれてくることもあり、家族と離ればなれになった場合の支援をボランティアが行う必要があったようです。
 災害直後の混乱がある程度、落ち着くと、PT・OTとしての活動を行っておられました。PTとしては脊損患者へのROM ex.や動作訓練、その他患者教育や医療スタッフ教育などです。OTでは車椅子での調理訓練や外出訓練、家屋改造、レクリエーションなどです。
 ここで一つの疑問が沸きました。パキスタンの文化的背景が最初に紹介されました。その中で、女性はほとんど外出することはなく、外出するときは全身を覆う衣装(二カーブ、ブルカ、チャーダル)をする、という事。そして思春期になると外出することは滅多にない、という事が紹介されました。町中どこを見ても男性ばかりで、女性用の衣服を販売している店の店員も、それを買いにくる人も皆、男性だ、ということでした。
 外出訓練の目的はおそらく、「障害があっても、工夫すれば外に出ることができるんだよ」「車椅子ではこうすると段差を乗り越えられるよ」「松葉杖ではこういうところを気をつけましょうね」「部屋にこもってばかりじゃ元気がでないよ」、と言ったところでしょうか。倒壊した建物の中には、前述の文化的背景のために女性が多く、したがって障害を受け、PT・OTの対象になった方の2/3は女性だった、との報告もありました。
 対象者(多くは女性)に外出訓練を行った、という事ですが、それが果たして現地の習慣と逆行していなかったのか?
 援助、支援さえすればみな幸せ、ではない、という事をさまざまな例でこれまで聞いてきたことがあります。考慮しなければいけないのは、現地のルール(文化、風習、宗教など)だと思います。きっと、活動報告で外出訓練について「失敗した」「うまくいかなった」という話はなかったので、最大限考慮して活動されたのだと思います。なので、その辺りをもう少し詳しく、お聞きできたら、と思いました。(が、質問はまた次に会った時に、と思い他の参加者に発言を譲りました)
 非常に興味深い話ばかりで感動しました。目標にすべき人が大勢いることが幸せです。

2010年9月14日火曜日

【書籍】Spanish-English, English-Spanish Medical Dictionary


 今日は手短に、最近購入した本を紹介しようと思います。
 医学用語は普通の辞書には載っていないので、購入しておきました。今の所、調べた単語は全て載っていましたが、マニアックな単語を探し出すと不掲載の場合もあるかもしれません。2万語以上を収録と書いてありますが、ドーランドの医学大辞典の23万語と比べるとかなり劣ります。簡素化されているのか、23万語の英語に対応するスペイン語がないのかは、よく分かりません。もしかしたら、本書に掲載されている2万語を組み合わせれば、それなりに語数は増えるかもしれません。中手骨と指節骨はそれぞれ辞書に載っていましたが、中手指節間関節は載っていませんでしたし。
 後、単なる辞書としてではなく、スペイン語の基礎文法も少し載っていますし、簡単な問診の例も載っています。ちなみに問診についての、スペイン語のテキストも見つけましたので、またの機会に紹介しようと思います。

2010年9月12日日曜日

第25回日本国際保健医療学会学術大会 1‐2

 初日の午後のプログラムについてです。中村哲先生(ペシャワール会現地代表)のご講演がありました。中村先生の活動についてはペシャワール会のホームページに譲るとして、ここでは講演での話を一部、紹介したいと思います。
 まず、最初にパキスタンとアフガニスタンの関係について述べられていました。この2国には同じ民族が半分ずつ、勝手に決められた国境によって分断され住んでいるそうです。なので仲が良い、とのこと。アフガニスタンに拠点を置き、アフガニスタンやパキスタンで活動されているそうです。それがもう20年以上。用水路の作るのは、医師の仕事かと聞かれると、命を救う仕事として同じなのだと、また、血管外科に似ている、と言い会場を笑わせていました。ちなみに現地へは国連の飛行機が飛ばないと入れないそうで、こうした講演が聞けるのは非常に貴重なんだと思います。
 お話の中で、「何が嬉しいのか、何が悲しいのか、それを知らなければ医療はできない」という言葉がありました。外国から来た援助者が、自分たちの価値観で、現地のやり方を評価する。そしてお金がなくなると帰る。都合が悪くなると帰る。だから国際援助隊なんて信用できなくなった、とおっしゃっていました。そんな中村先生の活動の原動力となっているものは何なのか? 「最近、そのような質問を受けるようになりました。昔は、そんな事聞く人はいなくて、こんなことやっている、と言うと『おう、そうか!頑張れ!』とだけでした。(原動力は)男気なんですよ。ほっとけない。」と言っておられました。
 私は2年間、ドミニカ共和国で活動することになりますが、かなり守られた、与えられた活動であるので、恵まれています。国際協力の超・超初級編だと思います。それでも、やはり不安はあります。ただ、中村先生のように『男気』を忘れないように、自分自身の原点を忘れないようにしないといけないなぁ、と改めて考えました。

2010年9月11日土曜日

第25回日本国際保健医療学会学術大会 1-1

 初日の今日は、午前中はシンポジウム「大規模自然災害に立ち向かう 人道・人倫・人知」、お昼はポスター発表、午後からは特別企画「アフガンとの約束」に行ってきました。会場では、先日ファシリテーター養成講座で知り合った先生方や、先輩JOCVや、来年駒ヶ根で一緒に訓練を受ける同期JOCVの先生にお会いすることができました。また、先日、長崎大学大学院の説明会に行ったときに在校生代表でお話されていた先輩JOCV(看護師)の方もいらっしゃっていて、声をかけて下さいました。
 シンポジウムでは、シンポジストとしてJICAの国際緊急援助隊(JDR)として活動した医師、自衛隊の医療援助の統括をした医師、赤十字の救援活動に参加した看護師、と言った方々のお話を聞きました。5人中4人はハイチの地震で活動された経験を話されました。
 まず最初にJDRが現地に入り、その後自衛隊、そして赤十字と医療援助を引き継いでいったそうです。地震直後は、ほとんどが外傷患者であり、その65%が感染を伴う外傷であったそうです。よって処置に時間がかかり、一時間に診れる患者の数は数人だったとのことでした。感染を伴う外傷の例として、傷の奥深くで、うじ虫が隠れている写真があったり、骨まで露呈した皮膚欠損のある写真もあり、衝撃的でした。感染創を洗浄・デブリするための麻酔は日本は局所麻酔しか持っていないので、ケタミンという全身麻酔薬を国連や隣のドミニカ共和国にもらって対応していた、とのことで、各国から集まる医療チームは協力し合って活動を行っている例も知ることができました。逆にレントゲン撮影装置とエコーは日本しか持っていなかったので、他国の医療チームから撮影依頼が多くあったそうです。地震発生後、時間が立つに連れて処置に時間のかかる患者数は減少して、1時間に10~20人ペースで患者を診ることができるようになってきたそうです。2ヶ月後には地震と直接関係のない病気が多くを占めるようになり、公園で精神科の医師がカウンセリングを行ったりする光景が見られるようになった、とのことでした。最初に入ったJDRは前述のように外傷患者への対応に追われていましたが、最後の赤十字は、医療だけでなく、保健、水・食糧・住居など、様々なレベルでの支援を行いました。
 このような報告があった後、いろいろなディスカッションがありました。診療録(カルテ)の扱い、セキュリティーの問題、医薬品の問題、通訳の問題、現地人雇用の問題など。考えなければならないことはたくさんあるようです。私のような、国際医療援助に関して素人な人間の頭ではオーバーヒートしてしまいそうな程の情報量でした。目的が違えば方法も変わる。複雑な問題と常に付き合いながら活動するのが国際協力なんだなぁ、と思いました。
 午後からのプログラムについては後日書こうと思います。

2010年9月10日金曜日

明日から2日間

 福岡にやってきました。明日から二日間、第25回日本国際保健医療学会学術集会があり、それに参加してきます。いろいろレポートができたらいいなぁ、と思っていたのですが、なんと大切なカメラを自宅に置いてきてしまいました。文字だけのレポートになってしまいますが、できる限り記録したいと思います。JOCVリハビリテーションネットワークの方々もブースを持っているようです。PT・OTとしての国際協力について学べる所がたくさんありそうで、ワクワクします。
 そういえば、私はこれまで何度も学会に参加してきましたが、振り返るとAKA関連の学会ばかりでした。PT学会にも行ったことがありません。(いいのか、PTとして!?)AKA関連の学会では、知り合いがたくさんいますので、私にとってはアットホームな学会なのですが、今回は知り合いと言っても、一度研修会でご一緒したのみの先生がせいぜい居らっしゃる程度なので、いわゆるアウェイです。国際協力の分野では新参者なので、顔を覚えていただけるよう動いてみようと思います。それも、こういう公の場に出て行く目的であります。

2010年9月4日土曜日

長崎大学大学院 国際健康開発研究科

 今日は、JR灘駅から徒歩12分のJICA兵庫に行ってきました。これまで、JICA地球ひろば、JICA東京、JICA大阪に行ったことがあるので、JICAの施設はこれで4施設目です。で、思うのは、どの施設も非常にキレイで、デザインもモダンだ、という事です。いかにも、たくさんお金が使われていそうな印象を受けます。いろいろ叩かれているからでしょうか、「省エネのため、ご自身のハンカチで手を拭いてください」とトイレの手を乾かす機械の前に張り紙をしていたり、「便座のふたを閉めることで○○%エネルギーが削減されます。使用後を閉めて下さい」とウォシュレットに書かれていたりします。笑
 JICA兵庫に行ってきた理由は、今日ここで、長崎大学大学院の国際健康開発研究科の進学説明会があったからです。この研究科を開設するとき、文部科学省とのやり取りの中で、「これは日本でオンリーワンの大学院だね」と言われたそうです。たった1学年10人の研究科だけども、長崎大学の目玉として運営しているそうです。その理由の一つに、長崎大学の各学部・研究科から経験豊富な教授陣を集めて、さまざまな方面から教育を行っている、という事が挙げられていました。大学という縦割り構造の組織とは違う構造になっています。この構造は「公衆衛生学」という非常に守備範囲の広い学問を教えるためには必要不可欠な構造だと思います。
 その公衆衛生学ですが、(一般的な定義は省略するとして、)「医学では治せない病気をなくすことができる」と冒頭に研究科長がおっしゃっており感動しました。その例としてコレラの話を聞きました。昔、原因不明の下痢が大流行した際、患者の行動調査を行った結果、ある特定の井戸の水を飲んでいることが分かり、その井戸を封鎖することで患者をなくすことができた、とのことです。そしてその井戸から病原菌が特定され、治療法が分かった、というのです。研究科長は続いてこのような事をおっしゃられました。「こういう題材が途上国にはいっぱいある!」
 日本でこのような公衆衛生学を学べる大学院は長崎大学だけだ、とのことです。しかし海外では前述のこともあり昔から公衆衛生学の重要性は認められており、たくさん大学院があります。ただ、日本が公衆衛生学に関して実績がないか、というとそうではなく、母子手帳や寄生虫対策など、日本が自慢できる公衆衛生に関する活動もたくさんあるそうです。
 なんだかこの研究科で勉強したくなってきました。が、もう少し、自分のキャリアプランについては熟考する時間が必要です。慌てず、冷静な目で物事を判断していこうと思います。

2010年8月31日火曜日

キャンプ

 思いのほか、プライベートでもオフィシャルでも忙しい日々を過ごしていました。普段、仕事では絶対に周りに「忙しい」や「しんどい」という言葉を使わないようにしているのですが、今月は非常に忙しかったです。ただ、しんどい忙しさではなく、充実した良い意味での忙しさでした。
 そして、そんな疲れも吹き飛ばす、8月最後のイベントは、専門学校時代の同期と、元教官の先生方との定例行事、サマーキャンプでした。毎年いろいろな所に行きます。今年は和歌山県の龍神へ、温泉&BBQをしに行きました。BBQは夜7時頃から始めて、深夜2時くらいまで続きました。しかし、これでも終了時間が短くなってきた方で、最初は朝方4~5時くらいまで、ちょびちょび肉を焼いてたものでした。年々、みんなの就寝時間が早くなっています。これが年を取る、という事なんだな、と最近感じるようになってきました。笑 ある友人は、「肉より魚」と言うようになってきました。私も同意見です。
 この夏のキャンプももしかしたら来年、参加できないかもしれません。来年の幹事さんは、派遣前訓練が終わってから、派遣までの期間に開催できそうならオーガナイズしてくれるそうです。もし参加できたら非常に幸せです。

2010年8月22日日曜日

合格報告

 今日はAKA医学会理学・作業療法士会が主催する研修会に参加してきました。指導者の先生方は、公私ともにお世話になっている先生方で、今日はドミニカ共和国への派遣について報告してきました。まずは、卒業したPT養成校の同窓会顧問(前会長)のTT先生。そして、退役された前顧問のN先生。PT養成校時代の担任のI先生。臨床実習でお世話になったTH先生。さらに研修会に参加されていた数々の先生方に報告させていただきました。(書き出して見ると、なんと知り合いの多い研修会なんでしょう。笑)
 前々からJOCVを受験することは言っていたので、合格した事に対してお祝いのお言葉を頂戴しました。そして皆の次の言葉は、やはり「どこにあるの?」でした。私も初めて聞いたときは場所がさっぱり分かりませんでした。そして「どういう事をするの?」と聞かれます。これは語り慣れました。笑
 で、そろそろ職場の直属の上司に、受験したこと、合格したこと、退職を希望すること、を伝えないといけません。現在の職場が初めての職場で、退職初体験の私は、退職の仕方が分からず、いろいろ調べました。今はネットで何でも調べることができます。私の部署には、理学療法士のトップの先生と、その上に部長の医師がいます。大学なので部長は教授です。退職について話をするときに、どちらに先、話をしようか迷っていました。どっちでもいいか、なんて思っていました。・・・が、これには、きちんと社会のルールがあるようです。上司が何人かいる場合は、直属の上司に先に話を通すのが筋のようです。間を飛ばして、いっきに部長に行ってしまうと、直属の上司の面子に関わる、という理由のようです。そして、退職する日をきちんと話し合って決め、退職願にその日付を記すようです。ドラマのような、いきなり退職願を突き出して辞めるのはルール違反なようです(まぁ、常識的に考えても、こういう辞め方はありえませんが・・・笑)。
 退職に関しては早めに言っておいたほうが、いつかは言うことですし。明日、タイミングを見計らって、お時間をいただこうと思います。

2010年8月15日日曜日

ファシリテーター養成講座 2日目

 今朝は東京、ものすごく暑くて、重たい荷物を持って駅まで歩くと、それだけで止め処ない汗です。電車に乗ると、冷房が効いていて汗は引いてきますが、乗り換えが何度かあり、そのたびに汗だくです。車内と車外の温度差で体を壊さないように注意する必要があります。会場に到着した時はみんな汗だくでした。朝からこんな状況ですから、お昼休みに昼食を取りに外へ出た時は、皮膚が焦げるのではないか、と思うほどの熱射でした。
 さて、2日目の今日は、昨日の合意形成を実際にみんなでやってみたり、行動計画のデモと実践をしたり、と楽しく興味深い内容でした。行動計画も、やはりいくつかのステップを踏みます。このいくつかのステップはすでに習った焦点会話や合意形成の手法を応用します。練習では各ステップごとにファシリテーターを決めて、順番にみんながファシリテーターを経験していきました。私は、行動計画について話し合うためのテー
マや目的などを決めるためのファシリテーターになり、それを良いことに、個人的な事ですが、「PTが国際協力をするための行動計画」というテーマに無理やり(ファシリテーターとして良いのか!?)していただきました。笑 場所をドミニカ共和国、時期を23年7月~25年7月、と設定もリアルにさせていただき、皆さんの意見を頂戴いたしました。黄色い紙に書かれたものは、目標を達成するための行動を挙げたものです。目標は「現地の人々への理学療法教育」としまして、非常にたくさん書いていただきました。この2日間で最も意見が多くでたと思います。感謝感激でした。最も良い画質に設定をして写真を撮りました。これは今後の行動計画を立てる際にいつでも見返すことができるよう、パソコンのデスクトップの背景に設定しました。派遣前にするべき黄色い紙がたくさんあったので、これから派遣までの間に、やることがたくさんあります。これをモチベーションが頑張ります!

2010年8月14日土曜日

ファシリテーター養成講座 初日

 竹橋駅下車、この階段を上って徒歩2分のところに「国際協力のためのファシリテーター養成講座」の会場である「ちよだプラットフォームスクウェア」がありました。方向音痴の私(後述)でも迷わずたどり着くことができました。
 会場に入り、受付をされていた男の方は、なんとなく見覚えのある方でした。講座が始まる前の挨拶で、PT協会国際部のW先生だと分かりました。さらに、後で知ったのですが、JOCVの2次選考の際の面接官の一人でありました。だから見覚えがあったのです。先月、私をテストした先生です。笑 
 初日の今日は、焦点会話手法と、合意形成のデモまで行いました。焦点会話手法は、グループ内のみんなが参加して有意義な話し合いをするために用いられる手法で、会話の自然な流れで、横道にそれないように導いていく手法です。具体的な話は著作権の関係がありますので割愛しますが、なるほど、これは種々の場面で活用できそうです。合意形成は、対立する意見をも短時間で融合し、グループ内の意見をまとめ、共通のビジョンやゴールを持つことで、チームの責任感が生まれるよう、議事を前進させる方法です。これに関しては明日、実際にワークショップがあります。予習をしてくるように仰せつかりました。今から予習です。その後、体力に余裕があれば、ロゼッタストーンでスペイン語の勉強です。
 今日は、S君の家への帰り道、本当の最寄り駅から歩いてみることにしました。(昨日までは、少し遠くなるけど道順が単純な一つ先の駅からS君の家まで歩いていました。)本当の最寄り駅からは、一度、S君と一緒に歩いて帰ったことがありました。その記憶を頼りに慎重に歩いていくと、大きな道路に出ました。ここは歩道がなく、歩道橋を使わなければいけないので、いつもキャリーバッグを転がしている私には大変だろう、ということでS君も気を遣って一つ先の駅からの道を勧めてくれたのもあるでしょう。その道路に出た・・・と思いました。しかし、そこには歩道橋もありましたが、普通の歩道がありました。次の道路だったかな、と進んでいくと歩道橋がありませんでした。迷ったようでした。周辺地図を見つけ、現在地を確認してみると目的地の町の名前が見当たりません。交番の位置は確認できました。S君の家は諦めて、交番に向かうことにして、そこで道を尋ねました。非常に優しいお巡りさんで、詳しくランドマークを調べて教えてくれました。結局、いつも駅から15分の距離を、1時間強かけて歩きました。疲労困憊です。泣
 話は少し戻りますが、今日の講座は非常に面白く勉強になりました。しかし、それだけでなく、今日、一つの場所に国際協力を志す、または経験した、実践している先生方が多く集まっている、という事が非常にエキサイティングでした。講座終了後、いろいろな話を聞くことができました。当ブログをいつも見てくださっているY.K.さんとも出会うことができました。こういう関係、大事にしていきたい、と思います。

2010年8月13日金曜日

上京

 今日は、仕事は午前に切り上げて、東京行きの準備をゆっくりしようと休みを取っていたのに、激務で急遽、午後も働くことになりました。飛行機の時間に間に合うぎりぎりまで患者さんをみて、息つく間もなく移動です。さすがに飛行機は速いです。上空にいるのは40分程度です。ただ、東京についてからの移動が長かったです。モノレール、山手線、東武東上線、を乗り継いで、友人宅にたった今、到着しました。そして、すぐに冷凍庫にお土産の冷凍551を入れておきました。帰ったら召し上がれ~。(肝心の友人は今日から韓国にしばらく行っており、現在、私一人です)
 今日と明日、前々から楽しみにしていた「国際協力のためのファシリテーター養成講座」が東京であり、それに参加するための上京です。事前に主催者から来たメールによると、参加者は留学やJOCV経験者、および留学やJOCVを目指す人など、さまざまな経験や熱意をお持ちの面々のようです。主催者から、初日のプログラム終了後、近くの喫茶店で意見交換会をしましょう、と提案がありました。さすがファシリテーター養成講座の主催者だけあって、素晴らしいプロポーザルです!素敵な2日間になりそうです。

2010年8月11日水曜日

派遣先→ドミニカ共和国

 合格通知が本日、届きました。1次選考の時は薄い黄色の合格通知でしたが、2次選考では薄い赤色の紙で届きました。
 「貴殿は、先に実施した平成22年度春募集二次選考の結果、下記のとおり派遣予定者として二次合格となりましたので、お知らせいたします。
 との文面で、本当に合格したのだと確認できました。
 そこに書かれていた派遣先はドミニカ共和国でした。第2希望に挙げていた国です。これから語学勉強に着手しようと思います。またドミニカ共和国について、歴史的・民族的・宗教的なことも勉強しようと思います。
 送られてきた封筒は比較的重みがあり、読まなければいけないし、書かなければいけない書類がたくさんありました。が、今日は仕事が激務だったので派遣国の確認だけで、もう寝ようと思います。

2010年8月10日火曜日

合格発表

 今日は、平成22年度青年海外協力隊春募集の最終合格発表がありました。職種別受験番号一覧がJICAのホームページにアップされました。理学療法士の結果に関して報告すると、要請数14件に対して、応募者は14人でした。その内、1次選考に合格したのは12人で、みな2次選考に進みました。そして、その2次選考に合格したのは、私を含む11人でした。残りの一人は健康条件付きの登録、という結果です。なのである意味全員合格でした。
 これでやっとスタート地点に立った訳です。やっと「位置に付いて」の状態になったので、今日から出発の日までは「よーいドン」の「よーい」の段階です。希望した隊次は6月頃派遣の隊次なので、4月頃から派遣前研修が始まると思います。その前に補完研修が1ヶ月ほどあると思います。なので、6月まで「よーい」の状態ですが、自由に使える期間は来年の2月末くらいまでではないか、と思います。今の職場を退職するのもその時期でしょう。
 理学療法士の先輩が、「これから派遣までの時期をどう過ごすかが、すごく重要になってくる」という話を先ほど電話で教えていただきました。今後のキャリアプランを立てるにも、今、改めて考え直すいい時期だと思います。「よーい」の時期に、どれだけエネルギーを溜め込んでスタートダッシュを切ることができるか。これからどうしていきたいのか? そのためには何が必要なのか? これを考えていないと、次のステップに進むときに、慌てることになります。先手々々で動いていかなければいけません。なので、これから今考えていることを、文章にして書きながら考えていこうと思います。

2010年8月7日土曜日

Peer Education

 私の友人である、高校時代の一つ後輩が、mixiの日記でpeer educationについて書いていました。彼は2年目の中学校の英語教師です。1年目から学級担任をしたり、2年目には英語科主任(順番に回ってくる?)をやったり、期待・信頼されている若手教師のようです。生徒が夏休みの時は、研修に精力的に行っているそうで、今ではpeer education研修のmentorだと言います。(彼が行っている研修ではpeer educationではなく、peer supportと呼んでいる)
 peerとは、「同等の立場の人」という意味です。ピアと読みますが、このピアを教育することをpeer educationと言います。私がこの言葉や概念を初めて知ったのは、尊敬する山本敏晴先生の著『国際協力師になるために』を読んだときでした。教育を行うときに、教師が生徒にあれこれ言うよりも、あるリーダー的存在を見つけて、その生徒を教育し、その生徒から他の生徒に教わったことを伝え広げる、という手法です。教師が「差別はいけませんよ」と言うよりかは、「差別はいけない」と思った生徒が、その友達に「差別はアカンで」と言ってくれた方が伝わる、というものです。
 ただ、ピア同士、信頼し合っていなければ、「お前が何を偉そうなことを言ってるねん」となります。最初に教育する一人を誤ると上手くいかないと思います。学校教育の場合は、もちろん現場は学校です。学校では、このpeer educationをどう行っているのでしょうか?子供は好き嫌いがはっきりしているし、仲良しグループ、敵対グループなど、子供同士の組織図が非常に複雑なような気がします。国際協力の場合は、現場は途上国だったり、その町や、もっと小さな村かもしれません。もしかしたら、地域の学校へ行く可能性もあります。最も難しいのは、やはり子供を対象にした場合であるような気がします。大人が簡単だ、とは言いませんが、子供でできれば、大人でもできるような気がします。理学療法でも同じです。「小児疾患を見れれば、成人の疾患も見れる。しかし、成人の疾患をどれだけ分かっていても、小児への応用はできない。」これは、教育のプロである教師が最も力を発揮する分野なのだと思いました。私は教育のプロではありませんが、今持っている知識や技術を途上国の人たちに教育したい、と思っています。なので、peer educationに限らず、教育手法に非常に興味があります。勉強したいことがたくさんあります。

2010年8月6日金曜日

ロゼッタストーン

 親戚の子供が昔、2歳くらいのとき、「こんなは?」「こんなは?」を連発していました。鳥取弁で「これは何?」という意味です。何度も何度も繰り返し答えを聞いて、「これもボールと言うのか」や「これは風船と言うのか」など、状況や性質などを五感で感じ取りながら言葉を覚えていく。これは誰もがやってきた事です。
 一方で、大人になってから外国語の勉強をするときは、この五感をフル活用することはありません。外国語が母国語に翻訳されたものを暗記するのみだからです。これでも一生懸命勉強すれば外国語を習得することはできると思いますが、誰もができるものではなさそうです。
 私は、中学一年生の時に、アメリカにホームステイで1ヶ月間、滞在しました。英語は中学校での教育のみで、その当時、比較級や、不定詞の使い方などほとんど知らずに、「ハロー。マイネームイズ…」くらいしか話せないレベルでした。他にも10人ほど、一緒に行って、別々の家庭にお世話になったのですが、他のみんなは高校生でした。一人、会話に最初は全く付いていけず、不安になりました。しかし、ホストファミリーが非常に良い人たちで、たくさん話しかけてくれましたし、たくさん質問に答えてくれました。「ワッツディス?」を何回言ったことでしょう。gorgeous(ゴージャス)という単語の意味を聞いたときに、美人でスタイル抜群のホストマザーは「私のことよ」と教えてくれた場面は、今でも鮮明に覚えています。文法の知識がほとんどない状態で行き、帰るときには比較級や不定詞はかなり使いこなしていました。日本に帰ってきて、学校でこれらの文法を教わったとき、理屈ではなく感覚で使っていた言葉が、正しいものだったと分かり感動しました。日本の外国語教育はダメだ、と思った瞬間でした。
 なので、私は南高校に進学し、非常に満足できる教育を受けることができました。英語で英語を学ぶことの重要性。翻訳するのではなく、五感で感じ取ることの必要性。これをきちんと認識し、教育の場で実践している南高校はすごく恵まれています。入学してみないと、この辺りのことは分かりませんが、入学した人は非常にラッキーなのだと思います。そして、英語教育だけではなく、南校魂というものを、これも理屈ではなく五感で感じ取ってもらいたい。
 ちなみに「こんなは?」で学ぶ外国語学習ソフトがあります。それがタイトルの「ロゼッタストーン」という商品。体験版を先日やってみましたが、みなさんもぜひ一度やってみてください。私はスペイン語をやってみました。検索すればすぐ見つかるはずです。

2010年8月4日水曜日

欲しいものリスト

 数ヶ月前から私のメインコンピューターの調子が非常に悪く、サブコンピューターがメインのようになっています。サブの方が昨年買ったばかりで元気なのです。メインは専門学校入学時に買ったものなので6年ほど使っていると思います。寿命でしょうか…。という訳で、今、メインのパソコンが欲しい、というか必要です。そして、他にもたくさん欲しいものがあります。

 1:パソコン
 前述の通り、サブ(ネットブックなんて言われている最小限の機能しか搭載されていない持ち運び便利なちっちゃいやつ)がメインを兼ねてしまっているので、あまり高度なことができません。先日の学会DVDも病院のパソコンを借りて作成しました。そもそもネットブックにはCD/DVDを入れる所がありません。外付けです。だから非常に今、不便なのです。
 買うならパナソニックのレッツノートです。頑丈で壊れにくく、キーボードに水をこぼしてしまってもコンピューターを傷つけない構造です。海外に持って行って、万が一、故障してしまうと修理に困ります。途上国ではなおさらだと思います。そういう理由です。
 2:外付けハードディスク
 写真撮影を趣味にするようになって、画像ファイルが増えました。最近のカメラは画質が良く、画像サイズも大きいので、たくさん写真を撮影すると保存に困ってきます。RAW撮影するとグンと容量を必要とします。コンピューター内臓のハードディスクに記録すると、処理速度などに影響しそうなので極力避けたい、という思いです。他に研修会や学会なので撮影した動画も保管しないといけません。そして、今持っている大量の本や資料のデジタル化もしたい、と考えています(後述)。
 3:スキャナー
 最近のスキャナーなかなり性能が良いようです。数十枚の書類を自動で次々に読み取ってPDF化してくれるのです。両面同時に取り込みもできるタイプだと、本をばらして(糊付けされている1辺を裁断機で切り落とすと簡単)スキャナーにセットするだけで、自動で1冊まるまるデジタル書籍になります。
 これは、札幌にいるとき、朝テレビで紹介されているのを見て知りました。海外で働くとなってもそうですし、引越しする時にも、今ある大量の本や資料は持ち運びに不便です。デジタル化できれば持ち運び簡単で便利になります。

 欲を出せばもっと欲しいものがたくさんありますが、至急欲しいものといえばこんなものです。ただ、年末のボーナスまではきっとお預けになります。パソコン→外付けハードディスク→スキャナーの順で買わないと何もできないので、まずパソコンです。ちなみに朝早くから、こうやって記事をアップしているときは病院のコンピューターを借りています。自宅にあるメインコンピューターの調子が悪いからです。

2010年8月1日日曜日

国際協力のためのファシリテーター養成講座

 8月に入りました。今月はいろいろイベントがあり忙しくなりそうです。「スケジュール」というページを新設し、右上にリンクがありますので、ご参照を。差し詰め重要なのは、10日のJOCV合格発表です。これにより今後の予定が大きく左右されます。当ブログの左コラムで、合格発表までのカウントダウンがされています。残り10日を切りました。 7月を振り返りますと、8月よりも濃い月になっていました。AKA医学会PT・OT会の学術集会。JOCV二次試験。札幌呼吸理学療法セミナー。実習生のスーパーバイザー。1週間の夏休みも取っていたので、数えてみると14日しか働いていなかったようです。つまり臨床以外で濃い1ヶ月間となった月でした。当サイトのアクセス数も徐々に増えてきておりまして、昨日は志しを同じくする理学療法士さんから、嬉しいコメントをいただきました。Y.K.さんありがとうございました。7月を良い気持ちで締めくくることができました。
 ではここで本題です。8月で楽しみなイベントとして日本理学療法士会主催の「国際協力のためのファシリテーター養成講座」があります。この講座が公表される少し前に、日本理学療法士協会が加盟する世界理学療法士連盟が、the World Health Professions Alliance(略してWHPA)のメンバーになった、という発表がありました。以下は世界理学療法士連盟が今年5月10日に発表した文章です。
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The World Confederation for Physical Therapy (WCPT) this week becomes a member of the World Health Professions Alliance (WHPA) – the international organisation representing health professions. Other members include the global bodies for nurses, physicians, dentists and pharmacists.

The WHPA is now the world’s largest and most powerful body for health professionals. Through its five constituent professional bodies (see list below), which now include WCPT, it represents more than 600 national member organisations, speaking for 26 million health professionals in more than 130 countries.

WCPT’s normal independent campaigning and collaborations will continue. But by also joining a global voice for health professionals, WCPT believes physical therapists will have more influence on campaigning issues, and will have new opportunities to inform initiatives that could benefit millions of patients and service users.

“Joining this coalition gives us the opportunity to work collaboratively with the world’s other health professions, while in no way compromising our independence,” says WCPT President Marilyn Moffat. “By pooling our resources and expertise, we are able to tackle global health issues more effectively and ensure that patients/clients and health care systems benefit.”

For WCPT, the WHPA provides another communication channel between the health professions and key bodies in global health, such as the World Health Organization. The WHPA is particularly concerned with:

· public health

· patient safety

· human rights in health

· regulation of the health professions and collaborative practice

· health human resources and workforce issues

· health care systems

· counterfeit medicines

The Alliance develops statements, fact sheets and advocacy tools on current health issues to influence policy and practice at global, national, and regional levels. It has brought together world health professions on several important initiatives in human rights, patient safety, tobacco control, health human resources and regulation of the health professions, and is currently running campaigns including:

  • the Positive Practice Environment campaign for health professionals, focusing on quality workplaces that attract and retain staff, improve patient satisfaction, safety and outcomes, and deliver cost-effective services
  • the Be Aware campaign to fight against counterfeit medical products

“The priorities and campaigns of WHPA are very much in tune with those of WCPT,” said Marilyn Moffat.

WHPA member organisations

The International Council of Nurses (ICN) – a federation of national nurses associations, representing the more than 13 million nurses working worldwide.

The International Pharmaceutical Federation (FIP) - the global federation of national organisations of pharmacists and pharmaceutical scientists representing more than two million pharmacists around the world.

The FDI World Dental Federation (FDI) - a federation of approximately 200 national dental associations and specialist groups representing more than one million dentists worldwide.

The World Medical Association (WMA) - the global federation of national medical associations from around the world, directly and indirectly representing the views of more than nine million physicians.

The World Confederation for Physical Therapy (WCPT) - the global voice for physical therapists/physiotherapists, with 101 national member organisations representing over 350,000 members of the profession.

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 つまり、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、に肩を並べて健康に関する専門家として理学療法士が発言権を持てるようになった、という事だと思います。私たち理学療法士はこれからもっと真面目に、真剣に知識や技術の研鑚をしていかなければいけません。こういう時代の流れですから、大阪の理学療法士ではなく、日本の理学療法士でもなく、世界の、いや地球の理学療法士である、という認識を持った理学療法士が増えていかなければいけない、と思います。世界に目を向けたとき、様々な問題で健康を脅かされている国があります。その問題を見つけて、解決していく過程で、ファシリテーターという存在が非常に大きいことを、先日受講した「PCM入門講座」で感じました。ファシリテーターが無能だと、話が一向に進まないですし、話し合っているグループ内が険悪なムードになったりもします。ですので、この「国際協力のためのファシリテーター養成講座」には即座に申し込みをした、という訳です。この講座で、ファシリテーターのしての知識や技術を学びたい、と思います。
 このWHPAのメンバーである医師、歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、5職種が世界の健康関連の議題について話し合うときに、理学療法士だけが蚊帳の外になってはいけないし、むしろ議論を引っ張っていくようなファシリテート能力を発揮できるようになればいいですね。

2010年7月27日火曜日

実習

 先週から実習生が当院に来ており、私がスーパーバイザーをしております。2年生で「検査・測定実習」という名称で来ています。しかし、学生にも最初に話しましたし、昨日来られた学校の先生も言っておられましたが、理学療法の実習をするにあたり、検査・評価・治療はどれも切って離せないものであり、常に瞬間々々、同時に行われるものです。なので、学生には理学療法の一連の流れを体験してもらっています。今は、ほとんど教えながらやっていますが、ここで道筋を作ってあげて、3年生になったら徐々にスーパーバイザーの手から離れていき、卒業することには一人で動けるように指導していくことが、私も学校も考えていることです。
 実習施設によっては、ほとんど教えず、「自分で考えろ!」という所も多いようです。このやり方が悪いとは一概には言えませんが、限られた実習期間であること、そして協力してくれる患者さんの負担を最小限にするためには、やはり教えながらでも前に進むことができる実習でないといけないと思います。ですので、私はほとんど教えています。そして2週間という短い実習期間ですが、症例発表ができるまで経験させようと思います。いずれ、当たり前のように求められることですから、その時、経験がある・なしで実習の進み方が大きく違うと思います。そう願います。
 昨日、実習訪問に来られた学校の先生は、私が学生時代に教わっていた先生です。学生と先生が話した後、私に、「いい実習をさせていただいているようで、ありがとうございます」と言われました。初めてのスーパーバイザーでしたが、お褒めいただき光栄でした。もっと良い実習ができるように、いろいろ工夫したい、と思います。けど、もしかしたら、実習生を今の病院で見るのはこれで最後かもしれません。最初で最後の学生です。在職中に、スーパーバイザーを経験できてよかったと感じています。また、実習生の通う学校には、講義をさせていただく機会も得ました。いろいろお世話になっています。非常にありがたいです。この経験を海外にもって行き活用しようと思います。

2010年7月25日日曜日

構成運動

 構成運動とは、骨運動に伴って起こる関節面の運動です。AKA博田法では、構成運動を利用した技術があります。これの難しい点というのは、骨運動と構成運動、2つの要素を考慮して実施することです。骨運動だけを考慮した他動運動でも非常に難しいのに、それにプラスα関節運動にも気を遣わなければなりません。
 今日は、有志で集まって練習会を行いました。みんなで「あーだ、こーだ」言いながら技術を修正していきます。一定時間グループで練習した後、中央のベッドに集合して、一人ひとり技術を披露します。そして見ている人は、容赦なく「もっとこう」「膝が使えていない」「強い」「脇開いてる」など、ビシバシ言っていきます。言われる側はだんだん失行状態になり、何もできなくなります。笑 時折、良い点を褒めてあげる人がでてきて、肩の力が抜けることもあります。アメとムチです。基本的にこのような集まりに参加する人はムチの使い手です。そして、打たれてもめげない人の集まりでもあります。ですので、アメは必要ないことが多いですが、アメが与えられたら悪い気はしません。
 (余談ですが、最近の実習生には、アメがたくさん必要なようです。ムチで打たれた場合、どう行動すればいいのか分からないらしいです。分からない、というか、考えないらしいです。)
 今日の練習会のテーマは肩関節屈曲の構成運動でした。分かったことは、多くの人が、骨盤が運動方向に向いていないことです。骨運動だけ練習している時は、骨盤はしっかり運動方向に向いています。しかし、構成運動の操作が加わると、骨盤が回旋して被検者の顔の方へ向いてしまいます。肩に力が入って動かなくなっているのだと思います。明日から、この点を意識して臨床でも頑張ろうと思います。

 そして、話は変わりますが、午後からバーベキューに行きました。猛暑が続く中、無事開催できるのか、開催できても無事終了できるのか、心配でした。しかし、木陰で直射日光で体力が消耗することもなく、気持ちよくBBQできました。意外と5組以上のBBQ客もいて、「この暑いなかBBQする人はおらんやろー」という予想を裏切ってくれました。水分補給を皆しっかり徹底して、熱中症にならずに済みました。
 熱中症予防といえば、(話がコロコロ変わり過ぎるがご容赦を。)来月、ある学校のクラブ合宿に同行することになりました。運動指導、体調管理でお手伝いさせていただきます。React Rightという救急援助法の講習も修了していますので、役に立てるよう復習しておこうと思います。もう一人助手が付くので、彼にも指導し、いろいろ手伝ってもらいます。とにかく熱中症の知識はきちんと心得ておかなければなりません。死に至る病気であることを生徒に伝える必要があります。レクチャーさせていただこうか、とも考えています。といっても無理してしまうのが子供の特徴ですから、その無理を見抜けるよう頑張ろうと思います。

2010年7月23日金曜日

力を抜く

 今日は仕事の後、堺で勉強会がありました。実技練習です。力を抜いて関節を触る、という事の難しさを改めて思い知らされました。力が入っているのと、抜けているのとでは、触られる側の人の感覚が全く違うようです。同じように触っているつもりでも、全く違う感触なので、触られた瞬間、上手いor下手が分かる。もっともっと練習しないといけないと身を引き締められた勉強会でした。
 そもそも、仙腸関節上部離開の際に、「腸骨稜の頂点に母指MP関節を合わせる」というのは、母指のMPを腸骨稜topに密着させるものだと、ずっと間違って理解していました。「分かっているつもり」がもたらす問題についてはAKA医学会PT・OT会の学会長講演でY先生がお話されました。Y先生の話の中に「100-1=0」というお話もありましたが、博田先生を見ていたり教えてもらったりするとその事を痛感せずにはいられません。「それで次のstepに行ってみたらいい。できないから。」触った瞬間から減点ですから、その先は0しかありません。これが技術の難しさであり、臨床の厳しさであると思います。
 そう言えば、1年目のまだ何も知らない時の方が、恐れをしらずにいろいろ質問していたような気がします。今考えれば恐れ多いことです。それは博田先生のすごさを知ったからです。が、これはY先生のおっしゃる「畏敬の念」と少し違う要素が入っているかもしれません。単に臆病になっている部分もあるのかも・・・。忍耐強く、継続してやっていくしかありません。力を抜いて、次のstepに進めるよう、よく考えて練習しようと思います。

2010年7月20日火曜日

さよなら北海道

 札幌の通勤ラッシュはまぁまぁ混雑しておりました。そんな日に大きな荷物を持って、ズカズカ奥に進んでいく私は、立派な大阪人でした。笑 そして先ほど、無事セミナーを修了して、大阪に戻ってきました。今日は北海道からですが、約1週間前は、東京にいました。8月にはまた東京に行きます。ANAカードを作ってから飛行機に乗ることが多くなりましたが、最近分かったことは、小さな飛行機の場合、陸上にいるとき何やら燃料の臭いがして鼻に染み付く、という事です。今も変な臭いが私にまとわりついています。
 今日の講義は昼まででした。セミナー終了後、私はすぐに小樽に行きました。写真は小樽運河です。連休明けの平日という事で、観光客は少なかったです。で、お店も結構閉まっていました。「すし屋通り」と呼ばれる通りも、ガランとしており、お店も営業しているのかしていないのか、よく分からない状況でした・・・。どのお店が有名な店なのか、人気の店なのか、全く分からなかったので、もう写真を撮ることに徹しました。時間もそんなに無かったので、一通り散策したら空港に向かう時間です。駅前で、さんまが今美味しいと勧められていたので「さんまの棒鮨」と、名物かまぼこを購入し、車内で食しました。かまぼこが非常に美味しかったです。
 空港に着くと出発ギリギリでした。急いでお土産を探しました。お土産屋さんのおばちゃんが、やたらチーズケーキの試食を持ってくるので(プレーンとメロン味の二種類があり、プレーン→メロン→プレーンと3回食べました。笑)それを購入。「とうきびチョコ」は見当たらず断念しました。泣 そして、定刻通り飛行機に乗り、定刻通り大阪に到着しました。(今回はトラブルもなく。でも、サプライズ、驚くことがありました。隣に座っていた方が、今回同じセミナーに参加していた大阪の先生でした。同じ4年目、話に花が咲き、離陸から着陸までずっと喋っていました。)
 さて、明日から普段通り仕事です。加えて学生のスーパーバイザーも2週間しないといけません。今回、札幌で学んだことをしっかり活かしていこうと思います。

2010年7月19日月曜日

札幌さいごの夜

 札幌の夜は美しい!札幌テレビ塔に登り、パシャパシャ写真を撮ってきました。観光客は意外と少ない感じです。北海道の方も、大阪に比べて、観光地でも意外と静か、とおっしゃっていました。休日の夜、札幌駅の飲食店で待ち時間がある所は少ないようでしたし。ちなみに、今日は北海道で有名な回転寿司「釧路花まる」に行ってきました。ここだけが順番待ちがあり、1時間待ちでした。結構おいしかったです。
 さて、呼吸理学療法セミナーも後半日です。今回、最も期待していた吸引の内容はほとんど触れられてなかったです。講義予定に吸引が入っていたのに、これを一番の目的で来られている方も多そうだったので、残念でした。明日、もう少し吸引の話があるようなのでそれに期待です。ちなみに今日は、スミスメディカルの方が来られていて、「アカペラ」という商品をお土産にもらいました。これは気道内分泌物の排出を促す商品で、呼気に抵抗がかかり、さらに振動が与えられる、という物です。ディスポーザルの商品なので、自分で使ったら、患者さんに使いまわすことはできないので、患者さんには購入してもらわないといけません。また、大阪に戻ったら開封して使用してみようと思います。
 明日は火曜日平日です。札幌の通勤ラッシュも大阪よりはマシでしょうか。私の病院では明日から実習生が来ます。スーパーバイザーは私ですが、セミナーのため初日不在です。笑 悪いですが、後輩に一日お願いしました。帰ったら今回習ったことも、指導に加えようと思います。後少し、頑張ろうと思います!

2010年7月17日土曜日

呼吸理学療法セミナー始まる

 今日から札幌医科大学で呼吸理学療法セミナーが始まりました。札幌医科大学と言えば、ここの整形外科の教授が、脊椎外科専門で、椎間関節の関節受容器の組織学的研究をしています。検索すると論文が出てきます。医学系大学院の門を叩き、この先生に付いて研究したい、と一時期思っていたこともありました。ここの大学院は、医者ではない人にも広く門戸を広げています。けど、理学療法士にはこの研究は難しいことが分かり、この分野の発展は他の人に託すことにしました。
 さて、呼吸理学療法セミナーですが、80人強が集まったそうです。最も遠い方は、沖縄からお越しのようです。その他、全国各地から集合していますが、やはり北海道の方が多くを占めているようです。お隣に座られた方は北海道旭川市の先生です。いろいろ話し相手になってもらいました。北海道土産は何がいいかなど教えてもらい情報通になりました。
 今日の講義では、病気の話が最初に医師からあり、その後、PTの先生から講義がありました。やはり医師の講義は奥が深く、非常に勉強になります。それに対してPTは、あぁPTだな、と言う講義です。総論はまだ勉強になる所もありますが、各論の理学療法の話になると「う~ん」な内容です。こんなこと言うのは生意気かもしれませんが・・・。総論、評価をしっかり学ぼうと思います。治療は当院の主任の先生がやっている事を帰ったら学びなおします。講義中に「筋トレ」なんて言葉を聞いてガッカリしてしまいましたし・・・。
 余談ですが、講義される先生の多くは本を書いています。必ず宣伝が間に入ります。笑 さぁ、まだ4分の1が終わったにすぎません。居眠りしないように頑張ります。

2010年7月16日金曜日

札幌に来ました

 「第11回呼吸理学療法セミナー」に参加するため、本日、札幌にやってきました。4泊する予定です。朝の9時から夜6時まで、しっかり勉強です。最終日のみ午後がフリーですので、小樽観光に行ってこようと思います。
 セミナーでは多くの先生方が講師として来られます。その一人に、PT協会の国際部のT先生がおられます。懇親会に参加予定ですのでお話できれば、と思います。T先生とは、これまで会ったことがありません。お顔も存じ上げておりません。どんな方なんでしょう。お話できるか? ドキドキします。
 今回は、おそらくPT協会としては初めての研修となる「吸引」に関する講義・実習がプログラムに含まれています。先日のPT協会FAX通信では、吸引に関するプロトコルを作成し、全会員に配布する、と連絡がありました。これが行われると、吸引に関して現場で大きな動きが起こるかもしれません。現時点では、吸引が認められても、具体的に動いている病院は少ないように思います。当院でもPT・OT・STが吸引を行う運びにはなっていません。ちなみにME(臨床工学技師)の吸引実施もまだ、法的に認められても実現していません。懇親会では他の病院の情報も得られるでしょうし、セミナーでは最新のPT協会の取り組みについて知ることができるでしょう。
 収穫の多い札幌滞在になるようにしたいです。

2010年7月14日水曜日

面接試験

 面接試験について、今日は書こうと思います。
 前にも書いた通り、受験生1:面接官4でした。仮に質問してきた順に、面接官A、B、C、Dとします。
 <面接官について
 私の予想ですが、A、B、DはみなJICAの正職員ではないかと思います。Cの方は、理学療法に関する専門的な質問をされたので、JICAの技術協力専門家か、専門員なんじゃないかと思います。A、B、Cは男性、Dは女性でした。
 どの方も、威圧的な印象はなく、やさしく質問してくれました。答えた事に対して、さらに突っ込んで聞く、という事もなく、「なるほど。分かりました」って感じで次々と進んでいきました。ちなみに英語試験の時に隣に座っていた幼児教育の方は、専門家の方から辛口コメントを多数浴びせられたそうです。職種によって雰囲気は異なるようですので、ここで書くのはあくまでも理学療法士の場合です。
 <質問内容
 A:
 「(提出書類に書いていますが)志望動機を改めて教えて下さい」
 「過去にこの職種で行かれた方がたくさんいますが、その方とお話されたことはありますか?」
 「その時、印象に残った話はありましたか?」
 「現地に行ったら、何ができますか?何をしようと思いますか?」
 B:
 「(さっき言っていただいた事以外で)何か他に努力していることはありますか?」
 「苦手な人のタイプはありますか?」
 C:
 (大学病院から途上国へ行く、というのは環境の変化がかなりあると思いますが)と前置きがあって、
 「希望案件を見ましたが大丈夫ですか?対応できますか?」
 「COPDに対する理学療法について教えて下さい」
 「肩の痛みについて、どう評価・治療するか教えて下さい」
 「チーム医療で大切だと思うことについて教えて下さい」
 「(保健師・公衆衛生学修士を取得したい、と書いていますが)公衆衛生に関する活動をしたことがありますか?」
 「青年海外協力隊の経験をした後、どうしようと思っているか教えて下さい」
 D:
 提出書類の内容の確認で、
 「派遣国で、自動二輪の免許が必要である場合、自費で免許を取ることに同意していただいた、という事でよろしいですか?」 
 「希望する要請以外に合格した場合でも、派遣を希望する、ということでよろしいですか?」
 ・・・
 以上でぴったり予定の15分、という感じでした。ほとんど今までに考えてきた事、やってきた事でしたので、緊張はしましたが、言いたいことを言うことができ満足です。

2010年7月13日火曜日

英語試験

 先日行われた英語の試験についてです。
 最初にリスニング試験、その後に筆記試験(いずれもマークシート方式)が行われました。リスニング試験は20分25問、そして筆記試験は45分50問だったと思います。
 <リスニング試験
 いくつかのパートに分かれていました。覚えている限りで列挙すると、
 ・写真を最もよく表している文章を選ぶ
 ・会話文の最後に適する文章を選ぶ
 ・会話文を聞き、問題用紙に書かれている質問の答えに適した文章を選ぶ(事前に質問を読む時間を数十秒くれる)
 ・アナウンスメントを聞き、問題用紙に書かれている質問の答えに適した文章を選ぶ(事前に質問を読む時間を数十秒くれる)
 ・ある国の面積や人工、人口密度、発見された年代、などの情報を聞き取り、数字の理解ができているかを問う。
 <筆記試験
 こちらも、いくつかのパートに分かれていました。
 ・単文、短文の穴埋め問題
 ・長文の穴埋め問題
 ・文章を並び替えて意味の通る文章を作る
 ・文章の文法的誤りを見つける。
 ・会話文を成立させる
 ・言い換え問題
 ・長文読解
 ・説明書読解
 ・・・
 英語の試験は大丈夫だろうと油断していました。非常に簡単な問題の中に、難解な問題を散りばめられており、スラスラとはいかなかったです。制限時間いっぱいまで問題を解いていましたので、見直しをする時間がありませんでした。
 特にリスニングの最後の方では、自分の英語能力の乏しさに落胆しました。人よりできる自信があったのですが、もっともっと勉強しようと思った次第です。ただ、空欄を作ることなく最後までやりきることができました。足きり(あるのかどうか知りませんが)されるような点数ではさすがに無いと思います。「語学に自信がない人も、派遣前研修でしっかり勉強しますので、ぜひ挑戦してください」とJOCV募集のパンフレットに書かれていますし。

2010年7月12日月曜日

帰阪

 昨日、JICA東京に夜の10時頃到着しました。今日のJOCV二次試験のために、大阪から前日入りです。ロビーで部屋の鍵と、IDカードが渡されました。JICA東京の奥は宿泊棟になっていて、その1室をお借りしました。
 <at JICA東京、前夜
 部屋に着くと、まず冷房を入れてシャワーを浴びました。この日は朝から英検のお手伝いで一日中動き回っていましたので汗だくです。スーツの上着が非常に疎まれました。で、スッキリしたら東京の友人S君に無事上京してきたことを報告しました。
 部屋は、普通のビジネスホテルの一室のような感じで、ベッド、机、椅子、テレビ、ユニットバス、クローゼットがありました。テレビはすでに地デジ対応です。(ちなみに我が家はまだ地デジ対応しておりません。笑) あと、机にはLANケー
ブルがあり、インターネットができるようになっていました。タオルや石鹸等のアメニティーは無かったので、全て持参です。最寄の幡ヶ谷からJICA東京までの間にドラッグストアがあるので、何か必要なものが出てきてもある程度はすぐ対応できそうです。
 友人S君から、「今日は早くねぇや」とのアドバイスがあったので、少ししゃべる練習をしてすぐに寝ました。寝坊したらダメなので、携帯のアラームと、モーニングコールをセットして就寝しました。
 <at JICA東京、試験当日
 朝の5時半にセットしておきましたが、アラームなどが鳴る前に目が覚めました。早起きしてしまったなぁ、と思いながら携帯の時計を見ると「05:31」!?目を疑いました。アラームもモーニングコールも不発です。たまたま目が覚めたから良かったものの、この事態に関して理解不能でした。でも、原因を考えようと、首を傾げていると、考える間もなくモーニングコールが鳴りました。「05:32」でした。鳴っても鳴らなくてももはや同じですが、なんとなく心が落ち着きました。
 身支度を整えて、レストランで朝食をいただきに行きました。豪勢でした。朝から豪勢な料理をいただく事には鳴れていないので、申し訳なかったのですが、少し残してしまいました。無理に食べて試験に影響が出るのを避けたかったためです。税金で食べさせてもらっているのに、みなさんすみません。
 宿泊地:JICA東京から試験会場:JICA地球ひろばまでは、バスが出ました。集合時間の7:20分に受験生が全員集まりました。85人だったそうです。保健師、幼児教育、稲作、卓球、さまざまな職
種の方がおられました。この中に理学療法士は12人。見つけることはできませんでした。
 <at JICA地球ひろば
 交通渋滞もなく、予定より早く試験会場に到着しました。バスを降りて、受付をして、3階の講堂に集合です。そこで全体説明がありました。その後、書類の記入や回収が行われ、英語の試験が始まりました。
 <英語試験
 全部で65分のテストでした。前半20分はリスニングテスト25問、後半45分はペーパーテスト50問だったと思います。非常に簡単な問題から、難しい問題もあり、所々分からない問題がありました。これには少し、自分にショックでした。まだまだ勉強が必要だなぁと思いました。試験の詳細はまた後日、書こうと思います。
 <面接試験
 今日行われた職種では、幼児教育のみ集団面接で、その他は個人面接です。実技試験のある人を除いて、一人15分ほどの面接です。講堂で、受験番号が呼ばれるまで待期します。午前からの人、午後からの人がいますが、基本的にはみんな講堂で待期です。面接まで時間がある人は、その他の事務手続きに回ったり、健康診断に呼ばれたりします。私は、面接は午前中に終わってしまいました。
 面接は、面接室前に2人が待期し、順番を待ちます。前の人が終わって、自分の番になると、中から扉を開けて、案内されます。ドアのノックはありません。というより「ノックしないで下さい」と張り紙されていました。中に案内されると、面接官の方が4人おられました。一人は中へ案内してくれた事務的な事を聞く女性、一人は「技術専門家」(だったかな?)と書かれたネームプレートを胸につけた専門的な事
を聞く男性(おそらくPTか医療職)、後の2人は、面接で聞かれる定番質問をする男性でおそらくJICAの方。横長のテーブルがVの字に置かれ、その間に挟まれるような位置に、受験者が座る椅子がありました。
 面接で聞かれた事は、「アフリカ留魂録」の管理人T先生がおっしゃった通りでした。詰まることなく、言いたかったことのほとんどが言えました。心配していた面接より、英語の方が不満の残る結果だったと言えるくらいでした。ただ、面接中、明らかに手が震えていたことが、どう取られるか。全身に力が入っており、声も最初は震えていたように思います。後半、専門の話になった時には、力が抜けてきていましたが。
 具体的な内容については、これも後日書こうと思います。
 <試験終了後
 午前中に試験が終了し、提出書類も全て提出して、後は、JICAの方が、その書類に不備等がないか全員分をチェックするまで待期、という状態になりました。チェックが終わったのは15:15分頃。日に日に、このチェック作業が早くなってきているそうです。そんなことをJICAの方同士の会話で言っているのが聞こえてきました。そして15:30分、解散、という事になりました。
 <帰阪の途
 最長で17:00までかかる予定だったので、余裕を持って18時、品川発の新幹線にしていました。しかし、予想外に早く終わったので、早割り料金で取った新幹線チケット(品川―新大阪¥12000)の時間変更をして16:37品川発の新幹線に乗りました。早割り適応外になったので、差額1000円が後日引き落とされます。
 平日のこの時間は空いており、ずっと三人がけシートを独り占め状態でした。後ろにも人がいません。こりゃ快適だー、と『竜馬はゆく』3巻を読んだり、景色を見たり、眠ったり、していました。そして、事件は起こりました。・・・新横浜を出て数分、本を読んでいると、急に車内の照明が非常灯のみになり
ました。そして、新幹線も徐々にスピードを落とし、完全ストップしてしまいました。停電、とのアナウンスです
。冷房も同時にストップしました。トイレの水洗も使えなくなりました。電光掲示板はしばらくは光っていましたが、それも知らぬ間に消えていました。電線に竹が倒れ掛かったらしいです。復旧までに50分かかりました。冷房が切れたので、あっという間に暑くなってきて、地獄でした。寝てもられません。外にはギャラリーも集まってきていて、子供が喜んでいました。運転再開すると手を振って見送ってくれました。笑
 なんやかんやで自宅に到着したのが20時40分頃。
 さて、長い長い夏休みは今日で終了です。明日から、仕事一筋!日ごろの行いをよくしておいて、合格を呼び寄せます。後は神頼み。笑

2010年7月10日土曜日

行ってきます!!

 いよいよ二次試験が明後日にまで迫ってきました。明日、夕方、東京へ発ちます。JICA東京に明日1泊して、明後日、JICA地球ひろばにて試験です。英語の試験の後、面接です。もうやるべきことは全てしたつもりです。
 ちなみに明日は、英検が全国で行われます。その試験会場で一日お仕事です。JOCVに合格したら今勤めている病院もそうですが、英検の仕事も引退です。今回から後継者を育てないといけません。後継者といえば、同窓会の広報係りの後任も育成しなければいけません。引継ぎはきちんとしないと、安心してこの地を離れられません。
 仕事を辞めることに関して、「君は勉強熱心だから、同じ所にいつまでも留まっていてはいけない」と、私の部署の教授が、私へ言ってくれました。今読んでいる『竜馬がゆく』でも、竜馬がちょうど脱藩しました。このまま竜馬と共に人生が進んでいけばいいなぁ、と思います。
 次、このブログ上でお会いするのは、試験後、大阪に帰ってきてからでしょう。試験報告を月曜日にしますので、それまで、さようなら。行ってきます!

2010年7月9日金曜日

再会

 今日は、母校に行って、ブログ「アフリカ留魂録」の管理者でもあるT先生に会ってきました。前回、枚方で会った時以来です。目的は前にも書いた通りJOCV二次試験対策。15時に会う約束だったのですが、早く着きすぎたため、学校前の喫茶店Rでコーヒーを飲んでいました。説明会があると聞いていたので、あまり早く行っても迷惑かと思い、10分前に校門をくぐり、事務室に入校許可をもらいに行きました。入館許可証のようなものをぶら下げないといけないのかなぁ、と思っていましたが、今も特にそんなものはないようです。事務の方が職員室の方へ取り次いで下さりました。最初はK谷先生が対応してくださいました。「おー、久しぶりやねぇ」と笑顔で迎えてくださり心が和みました。そして職員室には、Y本先生とI佐先生もおられ、近況報告をさせてもらいました。そしてしばらくすると行方不明だったT先生が保健室のS先生と共に戻ってこられました。
 先生はかなり私のブログを通読して下さっていて、打腱器についてまで保健室のS先生から情報収集されていました。本当に嬉しい限りです。 ――打腱器は神経系を検査する機器で、膝頭を叩いてポンと足が前に飛び出す現象を見ます。これが過剰だったり、逆に叩いても無反応だったりすると種々の異常が考えられれます。これは、古くから行われている検査方法で、非常によく使います。しかし、非常に難しいので、使えない理学療法士が多いのが現状です。難しいから、みんな練習しないのです。本当は、難しいから練習が必要なんですが・・・。―― 先生と応接室に行き、お話しをさせてもらいました。試験官として、どういう質問をどういう意図で行うのか。どういう状況が試験官にとって一番困るのか。試験官がどういう事を考えているのか、そういう所が知れて、心に余裕ができました。突拍子のない質問をされても慌てる必要はないんだ、と分かりました。目から鱗です。
 ちなみに、黙り込んでしまうことが、試験官にとって一番困るのだそうです。また、「おいおい、こいつ大丈夫か?」と思われてしまうようです。これは、専門学校時代の実習中に、指導者の先生からの質問に対して「フリーズするな。反応がないのが一番アカン」と言われているのを聞いており、これは面接にも当てはまる事だと再確認しました。自分が今、学生を指導するときの事を思い出してみても、理解しているのか、していないのか分からない学生には、次に何を教えていいのか分からないことがあります。しっかり意思表示すること、どうしても考えなければ答えられないような質問ならば、「少し考えさせてください」とお願いすることが必要だと学びました。
 おそらく、フリーズするような事はないと思います。むしろたくさんの事を考えているので、しゃべり過ぎになってしまうかもしれません。質問を受けたら、まずは答えを先に簡潔に述べることを忘れないようにしようと思います。その後、少し詳しく適度に話せたらいいと思います。
 自信を与えてもらった後は、Y本先生に保健室に呼び出されました。笑 このシチュエーションはデジャヴです。前に母校を訪れたときも、保健室でマニアックな話をしました。今回は、さらに私の方がマニアックになっているので、前回も今回も同席したT先生や保健室のS先生には申し訳なかったです・・・。ちなみに、Y先生の左仙腸関節の動きは、左の第1肋椎関節の動きが改善すると良くなりました。このような例は、実際の患者さんでも時折あります。第1肋椎関節の治療後に完全に膝の痛みが消失した例が2例今まであります。その時は、自分も患者さんも、横にいる家族も実習生もびっくりです。笑
 この後、再び喫茶店RでT先生とお茶しました。宗教学の話を聞かせていただきました。これは、派遣国が決まったら、最低限勉強しておかなければなりません。異文化理解ができるようになるのも、JOCVで行っている間の目標であります。
 今日は非常に勉強になりました。そして、懐かしの先生方に再会できて非常に嬉しかったです。ありがとうございました。

理学療法士が世界中どこでも活躍できるだろうと考える理由

 理学療法の特徴から考えて、理学療法士はもっと世界中、いたるところで活躍できる能力を持っていると思います。その理由には2つあります。このブログの所々に書いてありますが、まとめてみようと思います。
 1つ目は、理学療法士は、患者さんを自分の腕一本で治療することができる技術職である、という事です。特殊な機器や装置は必要ありません。ですので、ほとんど場所を選びません。開発途上国であろうが小さな山奥の村だろうが、理学療法士は治療を提供できます。これは、他の保健医療系の職種には類を見ない特徴ではないかと考えます。しかし、物理療法や、義肢装具が必要な患者さんにはどうするか、と言われると、それは機器等に頼らなければいけませんが、理学療法に占めるその割合というのは数%程度かと思います。
 2つ目は、理学療法士が設定するゴールが患者さんの職業復帰・社会復帰である、という点です。障害を負った人々が、理学療法により社会復帰が可能となると、その人の暮らす国の経済発展に微力ながらも貢献できるのではないかと考えます。また、その人の家庭が経済的な危機に瀕するリスクを減らすことができる可能性もあります。このような職業は、世界中、どこにいっても必要とされる職業だと思います。
 1つ目の特徴に対しては、技術力が要求されます。日々の鍛錬が必要です。
 2つ目の特徴に対しては、活動する国の文化や歴史、社会情勢、社会福祉サービス、等の知識が必要です。現地での情報収集が鍵となります。
 以上のように、理学療法士は世界で活躍できる能力を持っているはず。しかし、JOCV経験者で継続して国際協力をしている人はJOCV経験者の方に聞いてもいないようです。『国際協力師になるために』の著者、山本敏晴先生とお話した時も、理学療法士で国際協力をしている人を聞いたことがない、とのことでした。私は、国際協力という選択枝が理学療法士にはある、という事を広く日本の理学療法士に知ってもらう活動も、自分が国際協力に携わることができたらやっていかなければならない仕事か、とも考えます。そのために自分でまずは道を作ることが重要だと思いますので、頑張っていきたいと思います。

2010年7月8日木曜日

夏休み半分終了

 7月6日から7月12日まで7日間、夏休みを取っています。もう前半終了です。臨床家から教育に移った理学療法士の先生はよく、「長く教育現場にいると、臨床にちゃんと戻れるか心配」という事をおっしゃいます。理学療法士にとって「全く患者さんを治療しない」という事は、サッカー選手にとって「全くボールを触らない」という事に等しいような気がします。今回、この7日間の夏休みは、過去最長の連続休暇です。臨床モードにすぐ戻れるかやや心配です。
 ちなみに、週1~2回の休日は、非常に重要です。1週間の疲れを癒し、心も体もリフレッシュすることができると、休み明け、治療の精度がアップします。だから、月曜日、火曜日辺りは調子がいいです。逆に金曜日になると、集中力が低下していることは否めません。カルテを見ながらウトウトすることもあります。(汗) だから、外来で理学療法に行かれている方にお勧めするのは、週末よりも週明けに予約を取ることです。きっと担当の先生の実力の100%近くが発揮されるでしょう。
 休みも3日目になると、どうしてもだらけてきます。今日は、いいタイミングで博田先生の診察見学に行くことができ、身が引き締まる思いです。目の前で起こる現象、一つひとつが刺激的で、感動の嵐でした。初めて見る現象もあり、非常に勉強になりました。今日、学んだことをツイッターで小出しにアップしていきます。http://twitter.com/lily_words
 さあ、いよいよ夏休み(試験対策)後半戦です。明日は、模擬試験が待っています。高校時代の社会科の先生が快く模擬試験を引き受けてくださりました。非常に有難く、心強いです。ただ、模擬試験とは言えかなり緊張しています。

2010年7月7日水曜日

MDGs 2015 on twitter

投稿したら掲載されました。笑 分かりますか、どこにあるか?

一次試験で出た問い

「障害と開発」について、理学療法と関連させて答案を作成しなさい。
 次のように書きました。
 ↓
 「開発途上国では、先進国と言われる国においては死因とならない病気で人々は死亡する、と聞く。例えば、肺炎や下痢などで死亡する。このような生死に関わる問題を、様々な国や国際機関、NGOなどが改善しようと、多方面からアプローチしている。
 開発途上国が開発されていくためには、保健・医療、公衆衛生が整い、人々が健康であることを前提に、現地の人々が生産性のある活動をしていく必要があると考える。
 しかし、先進国においてもそうであるように、医学には限界があり、最善の治療を行っても、障害を残す可能性がある。また先天性障害を持って生まれる子もいる。障害を持っていても、自国の経済開発に貢献できるよう、理学療法士の知識と技術が必要である。理学療法により障害を治療したり、代償する方法を指導したりし、労働力となる道筋を対象者に示すことができれば、理学療法士として開発途上国の援助に携わったことになるのではないだろうか。

 患者さんを治すのではなく、その国を治す。大袈裟に言えばそういう事です。公衆衛生に関しては、様々な活動がなされていると思いますが、障害を治療し、社会復帰・職業復帰させることで、経済を盛り上げる、という活動はまだ成されていないと思います。実際にはそんなことできないから実践されていないのか、しようと試みる人がいないから行われていないのか。分かりませんが、誰もやってないから私もしない、というのではなく、新たなフィールドを築けたらいいんじゃないかと考えています。

七夕

 年に一度、七夕の日に会うことを許された彦星と織姫。もともと働き者だった二人が、結婚し、本業がおろそかになったことから、引き離されてしまったのです。「しっかり働けば、7月7日に会わせてやろう」という父の言いつけを守り、本業に精を出した、という事です。
 何事も、続けるには、それなりの報酬が必要です。報酬は、単に誰かからの「ありがとう」という言葉でもいい。彦星と織姫のように会う約束でもいい。もちろん、お金が大切という人もいてもいい、そう思います。
 最近の私が求めている報酬は、働き始めたころと変わってきました。最初は「ありがとう」と言ってもらえるだけで、自分が救われていました。治療効果なんて出ないので、自然回復を理学療法士のおかげ、と患者さんに錯覚させることで、「ありがとう」と言ってもらっていました。それには最初から気づいていましたが、そうでもして「ありがとう」と言ってもらい何とか精神の緊張を保ってました。しかし、最近は少し違ってきました。「これは自然回復」とはっきり患者さんに説明するようになってきました。治療効果を少しずつ感じるようになってきたからです。今は、治療効果がどれだけ出るか、を仕事に対する報酬にしています。
 将来は、開発途上国で教育に携わりたいと考えています。どう教育に関与するかは未定です。現場に立つのか、管理側に立つのか、立場は様々です。何を教育するのかも、まだよく分かりません。しかし、刻々と変化する自分の状況を常に評価しながら、自分が今やるべき事を見失わないようにし、短期目標、長期目標を立てて、人生を歩んでいきたい、と思います。

2010年7月6日火曜日

その他の要請 JOCV(理学療法士)2

 モンゴル1 配属先がHandicapped Kindergartenですので、障害を持った子供の幼稚園です。必要条件に「障害児に対する業務経験(含むNDT)」とあり、私は該当しません。これも私の弱点です。行けば、私が研修のために滞在しているようなものになると思います。
 モンゴル2 整形外科病院で、手術が頻繁に行われているがその後の後療法の質の向上のため、理学療法の知識と技術の提供が求められています。同時に作業療法士のJOCVも要請しており、協力して活動することになります。ここは希望は出しませんでしたが、派遣されれば私のやりたい事が実践できる地だと思います。特に整形疾患の方は、脳の機能は正常であることが多いので、回復後、社会復帰してもらい働き手になってもらう必要があります。患者だけのためではなく、ひいては、その国のためになるような活動にしたいと思います。
 フィジー 経験年数が足りないので私は該当しません。ただ、ここは単にマンパワー的な活動を求めているような印象です。マンパワーが絶対的に足りない所では、外から人を呼ぶといった対症療法では解決策にはならず、原因に対する対策を講じないといけません。例えば、一人の患者に1時間かけてマッサージしているようなら、10分でAKA-Hをして終わる。そうすれば時間は6分の1ですし、治療効果も向上するはずです。
 グアテマラ 必要条件の「小児治療経験」がまたまた壁になっています。今からはどうしようもない問題です。
 ニカラグア 同上…。(泣) 対象者は小児患者中心だそうです。

2010年7月5日月曜日

その他の要請 JOCV(理学療法士)1

 コロンビア 現地の体制は、ハード面もソフト面も比較的整っている、と要望調査票から読み取れます。現地スタッフの技術レベルは高い、と明言しておりボランティアとして誰かが行く理由が見出せません。別の国の話ですが、派遣されて行ったものの、現地の人は自分で何でもでき、それで成り立っており、JOCVに対して「あなたは私の言うとおりしてくれればいいの」というような態度を示された、という報告書を読んだことがあります。単なるマンパワーとして行くのは、私の目的から大きく外れます。ただ、もし私が行くならば、日本オリジナルのAKA-Hを紹介し、博田先生から学んだ知識や技術を持って、現地の人々に認めてもらえるよう努力したいです。
 エクアドル ここの要請内容もそうですが、マンパワー的な活動が期待されています。施設規模等の拡大による人材不足だそうです。人材不足が予想できなかったのでしょうか?今回は2代目要請ですから、初代隊員が無茶をしたのでしょうか…。国の政策で止められなかったのかも知れません。また、ここでは小児疾患に対応しなければいけません。残念ながら小児疾患については全くと言っていい程、経験がありません。ここで私ができることは限られているでしょう。
 キルギス ここでは現在、作業療法士(OT)が活動中だそうです。その方と協力して現地の人の知識・技術を向上させるための教育を行うことが求められているようです。しかし、ここでも小児疾患への対応が切望されているようです。弱点はもっと早期に解決しておくべきでした…。
 中国 40人ものセラピストがいる中、主な指導対象は3名の若いセラピスト、となぜか限定されています。上の者が下を教えずに、外国から西洋医学を押し付けて、今後、この若者たちは異端児扱いされないだろうか、と心配してしまいます。そもそも院長が同じ区域の他の病院でJOCVが派遣される際の現場視察の際に、同行し(勝手に?)興味を持って、手を挙げた、という経緯のようです。
 (つづく)

休館日


 土曜日、日曜日と、東京の日本教育会館で行われた「第11回関節運動学的アプローチ医学会 理学・作業療法士会 学術集会」に参加してきました。東京は2回目です。まだまだ電車の乗り換えに慣れません。エスカレーターの立ち位置にはすぐに順応してしまい、大阪に帰って間違ったくらいでした。笑 学会のテーマは「これからの10年」という事で、会員は技術習得に切磋琢磨し、インストラクター以上は関節原性の障害の診断・治療に「AKA博田法」がグローバルスタンダードになるよう、普及活動をしていく、という事でした。
 ネパールの理学療法士協会の会長さんも来られて、英語でプレゼンテーションされました。現在150人の理学療法学士がネパールにいて活動されているそうです。ただ、学士取得のためには海外へ行く必要があるそうです。質疑応答の時に質問する勇気がなかった自分が恥しいですが、「学士を取得したネパール人は皆、ネパールに戻ってくるのか?」という質問をしたかったです。後で非常に後悔しました。
 1.5日に渡る学会の後は、JICA地球ひろばに行き、過去の協力隊の報告書を閲覧・複写させていただく予定でしたので、飛行機の時間の関係もあり、急いで広尾という駅に向かいました。事前の情報収集では月曜日が休館日という事で、学会→地球ひろば、という順でプランを立てていました。急いだかいがあって予定より早く到着し、受付に行き、入館証をもらおうとすると、返ってきた言葉が
 「本日は休館日になっております」
 ショックでした。良く見ると利用しようとしていた「ひろばライブラリー」は少し違って、日曜・月曜が休館日になっており、昨日(土曜日)なら良かったんです。地球ひろば→学会、の順でプランを立てれば良かったです。調べが足りませんでした…。というわけで、前隊員の報告書を見ることはできませんでしたが、前回、初めて東京を訪れた際に一度「ひろばライブラリー」で別の国のPTの報告書を読んだことがありますので、良かったと思います。
 さて、JOCV二次試験が1週間後に迫ってきました。明日から1週間、私は夏休みです。受験準備に費やします。今日は夏休み前の患者さんの引継ぎで忙しくなります。

2010年7月1日木曜日

ボランティアについて


 JOCVの応募用紙には、次のような質問に回答する欄があります。
(1)ボランティア活動に参加する動機、抱負について記述してください。
 私は次のように書きました。
理学療法士として3年以上、大学病院にて最先端医療を受ける患者を担当してきた。しかし我々は、患者がどのような治療を受けていようが、できることは自分の腕一本で障害を治療することであると確認することができた。理学療法士が使用する技術は、開発途上国の設備が不十分な病院であっても、ベッド1台あれば提供することができ、その技術を現地の人に習得してもらい、さらに後進の育成に繋がっていけるよう技術支援・教育支援をしたいと考えた。
 理学療法士の技術は、物に頼らない部分の割合が非常に大きいです。9割は自分の手で治します。残りの1割は物理療法や、動作訓練のための歩行補助具などです。医学は日々発展し、以前は治療できなかった病気が最先端技術で治せるようになってきています。しかし、その最先端技術のほとんどは、高価な医療機器や、数少ない特殊機器によるものであり、万人が受けることができる医療ではありません。それに対して、理学療法の技術は、先進国であれ、開発途上国であれ、技術を習得した者さえいれば万人に提供可能な技術です。唯一必要なものを挙げるとしたらベッドですが、これは現地で作製可能なものですから、なければ工具を持って作ろうと思います。
(2)ご自身が考えるボランティア活動の意義、目的を記述してください。
自分が持つ知識や技術は、自分一人で使用していては、その恩恵を受ける人は非常に少なすぎる。日本では理学療法教育が系統立てられて実施されているが、そうでない国では、我々が、昔他国から教育を受けていたように、教育に協力すべきであると考える。ボランティアとしてではあるが、あくまでもプロとして派遣される国の問題点を把握し、協力・支援できるよう尽力したい。また、そうすることで自国の教育方法・技術指導方法を見直し、自国へフィードバックするきっかけになれば良いと考える。
 日本で理学療法士の養成が始まった初期の頃、養成校の教員は海外から来ていました。学生は英語で授業を受けていたそうです。海外から援助を受けて、日本の理学療法は発展していきました。今度は日本が、その恩を今必要としている国に還元するべきだと考えます。『Pay It Forward』という映画がありましたが、これこそ恩をpay forwardする、ということだと思います。また、日本でただ臨床だけしているならば、一人のPTが関わる患者さんの数は非常に限られてきますが、技術を10人、20人、に伝え、彼らがまた10人、20人、と伝えていくことでさらに恩恵を受ける患者さんが増えていくと思います。こうして、恩恵を次の人にpay forwardしていく形こそが理想のボランティアかと考えています。しかし映画『Pay It Forward』は、そう上手くはいかない、と現実と理想のギャップを描いた映画になっています。このギャップを狭める工夫こそが国際協力の楽しさ・やりがいなのかもしれません。

2010年6月30日水曜日

合格祈願


 今日は、今話題の「洗えるスーツ」なるものを、夏用のスーツとして購入してきました。「2着目1000円」というキャンペーンで、2着購入です。黒と紺。これから長く着るだろう、ということで、機能的に良いものを選びました。自宅で洗える、抗菌、ストレッチ素材、長持ち加工、などの特徴を兼ね備えたスーツです。今まで、クリーニングに出す手間やお金などを考えると、スーツは特別な時にしか着用しなかったのですが、これからはもう少し気楽に着ることができそうです。実は、スーツが好きな私。使用頻度が増えそうです。(実際は、オシャレすることが面倒で、センスも無いことが最大の理由だが・・・笑)
 で、スーツを購入した帰り道、同じ電車に、近所に住む、小中学校の同級生I君に久しぶりに再会しました。高校に進学して依頼、年賀状のやり取りしかなかったのですが、I君の方が気付いて声をかけてくれました。中学時代からラグビー選手として活躍し、高校、大学ともラグビーで有名な所へ進学しました。そして一度、社会人を経験し、今、理学療法士を目指して勉強中、とのことでした。私が理学療法士をしている、ということは知っていなかったようで、もう4年目になることを言うと驚いていました。そしていろいろ質問してくれました。近々、理学療法士養成校の入学試験を受ける、とのことです。エールを送って別れました。ぜひぜひ合格してもらいたいです。
 彼はスポーツを経験して理学療法士を目指す、よく聞くケースです。一方、私は、もともとは国際協力のために理学療法士になったのではありません。高校の英語科で英語ばかり勉強していて、ふと気がついた事が、「英語を話せても、自分には何の技術や専門的知識もない。伝える能力があっても伝えるモノがない」という事でした。そんな折に、たまたま祖母が膝の手術を受け、病院で理学療法を受けることになりました。幼いころから祖母に可愛がってもらってきた私は、祖母の力になりたい、と思い理学療法士という道を選びました。その原点は「苦しむ人、困っている人の力になりたい」であり、最初の対象が祖母だった、という事です。「苦しむ人、困っている人の力になりたい」という事で、JICA大阪の高校生セミナーに参加し、国際協力にその当時から興味を持っていたことは確かです。祖母の力になることはできました。そして微力ながら多くの患者さんの力になることもできました。今度はもっと範囲を広げ、開発途上国で活動できることを夢見ています。
 もう二次選考まで2週間を切っています。自分にも合格祈願です。桜咲きますように。

2010年6月27日日曜日

一次選考合格

 JOCVの一次選考の合格発表が、2日前にありました。そして、昨日、文書でも通知が来て、二次選考の受験票が入っていました。試験は7月12日月曜日です。朝の8時40分までに受付をしなければいけないので、前日入りすることになります。今年、東京に就職した友人S松君の所に泊まらせてもらう予定でしたが、なんと、JICA東京に泊まらせてもらえるようです。そして試験会場のJICA地球ひろばまでは、バスで送迎があるそうです。さらになんと、一泊させてもらえるだけでなく、朝食までサービスとなっています。至れり尽くせりです。しかし、これも皆さんの血税。すれ違う働く人々に、心の中で感謝感謝です。
 送られてきた用紙の中に、「歯科検診の勧め」がありました。歯科疾患では、自覚症状がないまま進行するケースが多く、赴任先で症状が出現・悪化することがあるようです。途上国では、治療器具・機材の不足により「痛む歯は抜いてしまう」というのが一般的だ、と書かれています。また、衛生面の問題から感染症のリスクも高い、とのことです。時間を無理にでも作って行かなければいけない、と思いました。歯痛は生活の質(QOL:quality of life)を非常に低下させます。食事が取れない・楽しめないし、痛みで仕事に集中できなくなります。頭痛に繋がるケースもあります。そういえば、ここ5年ほど歯科検診を受けていません。ちょうどいい機会です。
 あと、夏用のスーツを買わなければいけません。冬用はなぜか2着持っています。私は、職業上、基本的に職場について白衣に着替えます。なので通勤ではフォーマルな服を着ません。スーツを着用するのは冠婚葬祭および学会くらいです。面接用に夏用のスーツを1着買っておけば、今後も活躍してくれるはずです。
 忙しくなります。

2010年6月24日木曜日

セントルシアの要請



 今日もJOCVの要請について書きたいと思います。セントルシアの要請です。
 「現短期隊員はNCPDによる理学療法サービス立上げ支援の為に派遣された。経済的・地理的問題を抱える患者を対象に理学療法サービスの提供が開始されたが、配属先に医療の知見があるスタッフはおらず、サービスを継続する現地理学療法士の雇用を計画しているものの、予算・人材面共に難航を極めており、サービスを提供可能なのは同隊員のみである。これを受け、同隊員帰国後、サービスが途絶えることによる治療を受ける機会、継続的治療による機能改善の可能性が失われることを避けるため、本要請に至った。なお、今後配属先が確保予定の医療の知見のある人材と協働するとともに、リハビリ補助技術を有する人材に育成することも期待されている。
 NCPDはこの国の「全国障害者協議会」というものだそうです。JOCVの要請は「新規」となっていますが、短期ボランティアが先駆けて派遣されているみたいです。そして、これは日本だけで行っているプログラムではなく、ピースコー(アメリカの国際ボランティア活動機関・米国平和部隊=アメリカのJICAのようなもの?)の隊員と協力しながら行っているものです。ピースコー隊員は専門的知識はない、とのことです。そういう前提があって、内容について考えていきたい、と思います。
 率直に言うと、向こう見ずな案件だと思います。教育を受けたものが全くいない中で、新しい概念をたった一人で始めようとしています。例えると、私の病院に、中国から漢方医師がやってきて、全く漢方について無知な人々に、「今日から漢方外来を始めます」と言っているようなものです。この隊員も、現地の人々に「日本から来た若僧が、理学療法だの、リハビリテーションだの、聞きなれない活動は始めてるぞ。あれは一体なんなんだ?」となっていないだろうか・・・。
 全く新しい活動を、現地の人々に教育する前に、外国人が始めてしまっている例です。まさに「与えるだけの援助」に感じてなりません。マンパワーとしての活動も期待されているようですが、この案件では、2年間、まるまる教育に当てるべき案件なのかもしれません。一見、遠回りのようですが、実際はそれが近道だろうと思います。ただ、教育する前に、「これが理学療法だ」と、漠然としたイメージを持たせる意味があったのかもしれません。なんせ、今の隊員は短期隊員ですので。
 教育に全力を尽くすことで、患者さんの治療はストップしてしまいますが、今だけを考えるのではなく、これから先を考えると、目をつぶらなければいけません。JOCVが2年間に関わる患者数よりも、その後、教育された現地のスタッフが関わる患者数の方が圧倒的に多いのですから。教育が終わるまでの何年かは、障害を持って生きている人にとって利益はありませんが、不幸ではないと私は考えます。利益があるから幸せ、とは限らないからです。利益が不幸を招くこともあるからです。よって、今、障害を持って生きている人々には期待を持ってもらえれば良いし、将来の患者さんたちには利益を受けてほしい、そう思います。
 今回で、3件の要請について考察してきましたが、やや批判的になってしまいました。ただ、問題点を見つけ出して解決策を立てるには、批判的な立場から一つ一つ考察していくことも必要かと思います。この3件は、今回、JOCVに応募した際に希望した要請です。ちなみに、明日、1次試験の合格発表の日です。

2010年6月21日月曜日

ドミニカ共和国の要請


http://jocv-info.jica.go.jp/jv/index.php?m=Info&yID=JL22410A03

 昨日の続きで、今日はドミニカ共和国からの要請内容について考えてみたいと思います。
 「当国では理学療法士養成機関が成熟しておらず、理学療法士は医師の診察による指示内容に基づきリハビリテーションを行っている。理学療法士としての知識とリハビリテーション技術を高めることを目標にボランティア派遣を行ってきており、現在派遣中の理学療法士隊員はリハビリテーション効果を高めるための理学療法評価法の確立に協力している。セミナー参加等を通じて他国の状況を知る中で、「チームリハビリテーション」や「CBR(地域に根ざしたリハビリテーション)」等への関心も高まっているところ、今後はこれらの導入と定着に協力するボランティア派遣が望まれている。
 ドミニカ共和国では、理学療法士の養成機関が十分な教育を提供できていないようです。理学療法士を育成するためには、知識だけではなく、技術に関する教育も行わなければいけません。ある専門学校の非常勤講師として学生に、関節の触診について技術指導する機会に恵まれ、その時の経験から学んだことは、技術と知識は決して切り離すことができない、という事でした。知識だけでは決して患者さんを良くすることはできないです。また、知識がなければ技術を学ぶ際に非常に効率が悪く、時間をかけて学んだとしても、その技術をどういう時に用いたら良いのか、という判断ができません。
 非常勤講師をして感じたのは、「知識がなければ技術を学ぶ際に非常に効率が悪い」という事です。指導したのは関節の触診ですから、関節について知っておかなければなりません(関節を構成するものは何か、関節の形状はどうか、どのような働きがあるのか)。つまり、関節について知っておくためには、解剖学、運動学、生理学が必須になります。私が特に感じたのは、解剖学の重要性でした。「小菱形骨は第2中手骨を遠位から近位に触診していき、底の部分で膨隆しますから、それを超えて窪んだ所に存在します」と言ってもピンと来ないようです。小菱形骨と第2中手骨が接していることや、「底(てい)」って何? ってことなど、解剖学的なイメージが沸かないから、話をしてもIt's all Greek to me.(ちんぷんかんぷんだ)となってしまいます。だから根本の解剖学から説明しないといけなくなります。
 解剖学も生理学も基礎医学と呼ばれ、文字通り、医学の基礎なのです。基礎がしっかりしていれば、それを応用していけば先に進むことができます。ドミニカ共和国のこの要請で書かれている「養成機関が成熟していない」というのは、基礎を教えることができていないのか、応用を教えることができていないのか? 基礎医学を教えるのは、理学療法士の知識では上っ面だけになる危険があります。医師でなければいけません。理学療法への応用はもちろん理学療法士が行うべきものです。なので、基礎ができていないのか、応用ができていないのかで、解決策が非常に異なってくるという事です。
 次に「理学療法評価法の確立に協力している」との文言があります。これは技術の話ですが、これこそ、知識がなければ全く使い物にならない技術です。打腱器で腱反射を検査しても、その結果の意味を医学的に理解できていなければ意味がありません。何も知らない人に打腱器を持たせて叩く練習をさせても、猿にパソコンを教えるような事です。
 なので、やはり、教育がどのレベルでの問題を抱えているのか、評価することが大切だと考えました。後、教育レベルの問題を挙げているので、チーム医療やCBRにまで手を広げるのは、時期尚早かなとも思いました。