Yellow Card |
先日、大阪で黄熱ワクチンの接種を受けてきました。私が住む奈良では接種できず、一番近いところが大阪市立総合医療センターでした。予約制で、渡航先や渡航日程によって優先順位がつけら、優先度の高い人から順に予約ができます。私は1度「予約が取れませんでした」と断られ、今回2回目の申し込みで予約を取ることができました。
接種場所は大阪市立総合医療センターですが、申し込みは大阪検疫所に電話して行います。黄熱ワクチン接種を希望していることを電話で伝えると、渡航先や日程、他に希望するワクチンなどを聞かれます。そして後日、予約が取れたか取れなかったか電話で連絡が来ます。予約が取れなかったら、また次回の受付期間に電話で申し込みます。
予約が取れた場合は、そのまま電話口で「10分ほどお時間大丈夫ですか」となります。名前を漢字とローマ字でどう表記するかや、生年月日、住所、国籍、病歴、服薬状況、当日の持ち物、集合時間などの話があります。
支払いは収入印紙で行いますので事前に購入しておきます。私は郵便局で購入しましたが、小さな郵便局では10円単位での印紙の取り扱いがない場合がありますので、事前に電話で問い合わせてから行った方がいいと思います。
当日、総合受付で診察券が発行され、2階のセミナールームに案内されます。問診票や申込票を書いて、収入印紙を提出します。その後、接種担当の医師がワクチン接種に関する一般的な説明を行い、黄熱だけでなく、各種感染症に関する注意喚起を行います。そして、いよいよ接種です。私が接種を受けたときは他に7名ほどの渡航予定者が接種に来ていました。
接種は診察室で行われます。医師に「あなたは渡航先未定の方でしたね。どうして受けられるのですか?」と聞かれました。国際緊急援助隊に登録しているためであることを伝えると「JDR?じゃあ警察の方?」と聞かれました。医療チームで理学療法士であることを伝えると「いつもJDRは警察や消防のゴツイ人が来るので」と笑っていました。
接種が終わると、『予防接種又は予防薬の国際証明書』いわゆる『イエローカード』が交付されます。現在は黄熱に対してのみイエローカードが発行されていますが、以前は天然痘やコレラも対象だったそうです。発行されたイエローカードに記載されている名前や生年月日がパスポートのものと相違ないか確認し、パスポートと同じ署名をして完了です。
イエローカードはパスポートよりも横1cm、縦2cmほど大きいです。ですので、半分に折り曲げてパスポートに挟んでおくようにと言われました。生涯有効なので、破損しないようにラミネート加工を思いつく人もいるそうですが、そのような加工をした証明書は認められない国もあるそうなので、そのまま大切に保管する必要があります。
再発行は手数料がかかりますが10年以内なら可能だそうです。10年間は接種履歴をデータとして大阪検疫所で保管しているからです。10年を過ぎても「あきらめないで電話して」と検疫所の方が言っていました。保管義務が10年だからと言って、10年経ったらすぐにデータを消す、ということはない(と思う)からだそうです。データがなければ、また接種しないといけないそうです。黄熱ワクチンは値上がり傾向にあるそうなので、再接種となれば今より高くなっているかも、と言っていました。
昨年のモザンビークへのJDR派遣では、近隣の国への緊急避難に備えて1次隊はイエローカード所持者のみで派遣されました。そのため、私は1次隊には手を挙げることができませんでした。そのようなこともあるので、黄熱ワクチンは接種しておいた方がいいです。