理学療法士→青年海外協力隊→日本で臨床をしながら緊急援助について学ぶ(現在)→大学院?→国際協力をライフワークに
2011年3月11日より発生しました東日本大震災において、犠牲になられた方々に心よりご冥福をお祈り申し上げます。 また被災された方々に対しましては、お見舞い申し上げるとともに、一日でも早くの復興を応援・支援させていただきます。
2016年4月16日より発生しております熊本地震において、亡くなられた方に心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。

<祝>当ブログの読者Y.Kさんが青年海外協力隊(24-1 モンゴル)に合格した、という非常に嬉しい知らせを受けました。おめでとうございます。
<祝>当ブログの読者で青年海外協力隊を目指すMIDORIさんが理学療法士国家試験に合格した、というおめでたい知らせを受けました。もう同じ臨床家です。お互い頑張りましょう。
<祝>当ブログの読者KENJIさんが青年海外協力隊(25-2 タイ)に合格した、というまたまた嬉しい知らせを受けました。おめでとうございます。
<祝>募集説明会で体験談をお話させて頂いた方2名も青年海外協力隊(モザンビーク、ベトナム)に合格したと再会時に報告がありました。おめでとうございます。
<祝>2013年JOCVリハネットセミナーで私の活動報告を聞いてくださったA.Kさんも青年海外協力隊に合格されました。おめでとうございます。
<祝>国際緊急援助隊に当ブログを見て興味を持って頂いたOTさん、青年海外協力隊説明会でお会いしていたOTさん、フェイスブックで私を見つけて質問して頂いたPTさんが仲間入りしました。みなさん青年海外協力隊経験者でした。

青年海外協力隊  体験談&説明会
  *当ブログの作者(ドミニカ共和国、理学療法士)は今回の春募集では体験談を話に行くことができませんが、興味をお持ちの方はぜひお越しください。私に質問がある場合は、関連する記事のコメント欄に質問いただければ、回答いたします。

国際緊急援助隊(JDR)医療チームへの参加に関心のある方へ
  *JDR医療チームはWHO EMT InitiativeのType2認証を受けており、リハビリテーションの提供が求められるチームとなっています。理学療法士・作業療法士で関心のある方、仲間が増えるとうれしく思います。
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2013年12月8日日曜日

青年海外協力隊に医師!?

年二回募集が行われる青年海外協力隊(以下、JOCV)ですが、今回の秋募集で医師の要請が出ているのを見つけました。医師の要請は非常に稀で、要請を出したとしても応募する人はいつもいないのが現状です。今回の募集にも誰一人応募していないようですので、医師のJOCVは今回も生まれなさそうです。
 JOCVは国際協力への市民参加という枠組みで、自らの経験や能力を途上国の人々のために活かしたい、と望む人材を必要とされている国・地域に派遣する事業です。派遣されてから、どのような活動を行うのかは、比較的、派遣された本人に任されているところが大きく、自ら現地で生活しながら問題点を見つけて、その解決策を探っていきます。
 しかし、自由度が高いからと言って、なんでも許されるわけではないのが、医療系職種です。日本で取得した免許も、海外ではほとんど無効で、医療行為を行うには特別に現地政府に許可を得る必要があります。そのため医療行為はJOCVには禁止されているのが現状です。
 医師は診断・治療という医療行為を行うことを業としているので、医師がJOCVとして派遣される、というのには非常に違和感があります。要請内容を見ると、リハビリテーション病院の医師への教育がメインになっています。具体的にどのような教育が、現地のリハビリテーション科医師に必要なのか、考えてた上での要請かどうかは疑問ですが、最終的には機能的予後を見極めて、必要な治療を処方できる医師を育てたいようです。
 はたして、それができる医師が日本にいるでしょうか? それもJICAのホームページを見て、自らこの要請を見つけだしたり、事前に語学試験を自分で申し込んで受けたり、たくさんの書類を書いたりして応募する暇のある医者が日本にいるでしょうか? そして、20歳くらいの新卒の何も経験も資格もない人たちとも同等の待遇で二年間も途上国で生活できる医師がいるでしょうか?
 PTさんやOTさんなら分かると思いますが、いろいろな診療科がある中でリハビリテーション科を選んだ医師というのは、いろいろは事情を抱えていることが多いです。非常に優秀な医師がいるのも確かですが、大多数の医師は理学療法や作業療法をきちんと知っていないでしょう。
 そもそもPTやOTでさえ、自分が何をやればいいのか分からなくなっている時代です。医師を途上国に派遣することが、問題解決になるとは到底思えない、というのが私の意見です。要請内容に問題点として「処方の仕方が医師によって統一されていない」、「個々の患者に合った内容ではない」、「患者評価ができない」、「漫然とリハビリを続けている」などと書かれていますが、同じ問題を抱えた日本から医師を送っても、改善のためのノウハウがないのですから、妥当な要請とは考えづらいです。
 これが皮肉にも私が活動していたドミニカ共和国からの要請であり、私がもし活動中だったら断固反対しただろうと思います。もちろんいろいろ熟考した結果の要請ではあるのでしょうが、関係者にも「分かってるんだよ、そんなこと」と思うもしれませんが、この記事を読んでいただきたいと思います。

2012年11月27日火曜日

ステップアップのためのステップダウン

 もう派遣されて15か月になります。この間に、ドミニカ共和国の理学療法の質の低さを目の当たりにし、どのようにしたら改善されるのか日々考えてきました。しかし、答えは出ません。答えが出たと思ったら、その答えが違うことに気づき、また考え直す、という繰り返しの日々です。

<マンパワーになりながらでも地道に教えていこう>
 派遣前は、現地の人々と共に働き、ドミニカ共和国に足りないものを見つけ、直接指導し、理学療法の質を上げていこうと考えていました。一緒に働かないと、現地の人と同じ目線に立たないと問題は見えてこないと思い、マンパワーでもいい、という覚悟でした。

<大学教育を変えなくては>
 しかし派遣後、活動を初めてすぐ、現地スタッフの技術レベルの低さももちろんですが、基礎知識の欠如が指導の大きな妨げになりました。個別に少しずつ教えていけばよい、と思っていたのですが、個別では到底追いつかない莫大な基礎知識を教えないといけないことに気づきました。大学での教育レベルの向上が必要だと感じました。

<国語・算数もできないんじゃ話にならん>
 ドミニカ共和国には様々な職種のJICAボランティアや専門家が派遣されています。小学校教諭として派遣されているボランティアの話を聞いたとき、大学教育はもとより、初等教育から質が低いことを知りました。学校の先生が分数の計算を理解できない、分度器の使い方が分からない、というレベルです。
 大学の理学療法士学科に入るためには入学試験がありますが、数学の点数が悪くても、大学で数学の授業を受ければいいらしいのです。つまり、入学者を選ぶ試験ではなく、入学者の入学後の必須科目を決めるための試験なのです。初等教育の質向上が必要だと感じました。

<でも何とか現状を変えなくては>
 「教育が悪いからだ」と結論づけると、理学療法士にすることはない、ということになってしまいます。しかし、何もしないわけにはいきません。目の前に患者がいて、理学療法という名のものが患者に提供されているのです。よって、「医原性障害をできるだけ減らす」という目標を立てました。そのためには、愛護的に・丁寧に触る、関節を傷つけないよう運動学に基づいて動かす、理学療法士の体全体を使うなどの運動療法の基礎を教えようとしました。これらは各種の関節運動学的アプローチ(AKA)の基本概念としても知られています。
(*日本はAKAを基に改良を重ね、新たな知見を加味した診断・治療技術としてAKA博田法というものがあります。)

<スタッフの変化に手ごたえ>
 運動療法の基礎や触り方・動かし方などを指導したのですが、多少の改善はあるものの臨床で使えるレベルには決してなりません。それでも、指導したスタッフの仕事は丁寧にはなりました。下手でも丁寧にすることは非常に大切だと思います。丁寧に仕事をすることが上達への近道だと思い、指導を続けようと思いました。

<「日本では…」と言い続けていいのか?>
 ドミニカ共和国の理学療法の質は低い、と繰り返しこのブログでも書いてきましたが、では日本の理学療法の質は高いのか? と考えることがありました。友人の話や自分の目で見たことなどを総合すると、正直な所、「ドミニカ共和国の理学療法士と同じレベルの理学療法士が日本にもいる」と言わざるを得ません。もちろん素晴らしい理学療法士もいます。しかし、JICAボランティアに応募する理学療法士の中に、能力のない理学療法士が混ざってくる可能性があるのです。
 よって、日本においては、理学療法士の質の向上をこれから更に推し進めていかなければいけないと考えます。国際協力を志す理学療法士に、きちんとした知識と技術を身につけてもらわないと、今のままでは能力のない理学療法士が国際協力に携わることになると思います。

 こういう事を書いている私ですが、私自身、能力のある理学療法士とは言えません。理学療法の基礎ですら教えることができません。上辺だけの知識と、それに基づいた技術で仕事をしていたことが、ドミニカ共和国での経験ではっきりしました。日本に戻ったら、理学療法、すなわち運動療法・物理療法・基本的動作訓練について、基礎から勉強をし直そうと思います。ステップアップのためのステップダウンです。

2012年6月2日土曜日

周囲の安全確認

 先日、JICA事務所で、ボランティアによる中間・最終報告会と、現地警察官(安全対策クラーク)および大使館の安全対策官による安全対策連絡協議会がありました。報告会は年に4回、安全対策連絡協議会は年に2回、実施されています。
 安全対策連絡協議会では、最近の犯罪手口やその対処法などが紹介されました。その話の中でこういう内容がありました; 「道で倒れている人がいたら、近づいてはいけない」。私は最初、理解ができませんでした。傷病者を発見したら、自分の持つ知識・技術を総動員してファーストエイドに当たらないといけないと考えていました。意識がない、呼吸がないなど、重体の場合は救命処置を行い、人命救助を行うことがバイスタンダーの責務だと思っていました。それなのに、なぜ?? なぜ救命活動を行ってはいけないの?? 派遣前訓練や派遣後のセミナーでBLS(一次救命処置)を、JICAは私たちに学ばせていたのに!?!? 私は医療従事者として、苦しんでいる人を見て見ぬ振りすることはできない、と思い、モヤモヤしながら話を聞いていました。
 日本にいる時に、私は外部のBLSの研修を何度か受けていました。ダイビングのストレス&レスキューコースでも再び学んだり、前述のように派遣前訓練やドミニカ共和国でも学びました。傷病者がいたら、意識の確認をし、呼吸の有無を確認、呼吸がなければ次は・・・、など繰り返し訓練してきたのに、「傷病者には近づくな」と言われると、これまで学んだ事はなんだったんだ、となってしまいます。
 けど、私が忘れていたのは「ここはドミニカ共和国」という事と、救急活動で最優先すべきは「自分自身の安全」という事でした。この国の最近の犯罪で、傷病者を装った強盗事件があったそうです。銃の所有が認められている国であるので、銃による傷害事件や殺人事件も頻発しています。傷病者を発見したときに最初にすべき「周囲の安全確認」がこの国では難しく、傷病者に安易に近づくと危険なことが起こりうるのです。例えば、傷病者が麻薬犯罪の関係者で、あるトラブルから銃で撃たれた、という事件があったとすると、不用意にその被害者に近づいた者は、仲間か何かに勘違いされ、同じように銃で撃たれる可能性もあるのです。日本では周囲の安全確認と言えば有毒ガスの有無や、落下物のある可能性など、周囲の「物」に関する安全確認のみで良いと思いますが、ドミニカ共和国では周囲の「人」および傷病者の中に危険な人がいないかの確認が必要です。これは、目の前で卒倒するなど、状況がはっきりしている場合でなければ困難です。
 人が倒れていてもすぐに駆け寄れないのは、治安の悪い国では、自身の安全のためには仕方がないことです。救える命があったとしても、状況不明の場合なら、その場から離れることが正しい選択だと思います。
 治安と救命率を比較検討した研究があるのか、気になるところです。新たな興味が生まれた一日でした。

2012年3月30日金曜日

第47回理学療法士国家試験合格発表

 理学療法士の国家試験が今年は2月26日にありました。私はちょうど5年前に受験しました。その時も2月末だったと記憶しています。私と一緒に受験した人の数は7000人強でしたが、今回は12000人弱と、大幅に増えています。養成校の増加に伴う受験者数の増加です。
 合格発表は、私の時は5月でしたが、徐々に最近早くなってきており、今年は今日、3月30日が合格発表です。合格率は82.4%と去年(74.3%)よりは上がったものの、平成に入ってからの統計では2番目に低い合格率となりました。
 国家試験は、世に排出される理学療法士の質の維持と、同時に教育の質の維持、という作用をもたらしていると思います。養成校乱立時代があり、教育の質の低下に関して、みなが不安を抱きました。臨床や教育の経験が未熟な者が教員となっていったからです。また、少子化の影響も相まって、学生の取り合いも起こりました。近年、学生数が確保できず、募集停止に至った養成校がいくつも現れています。そんな状況で、国家試験という関門がもしなければ、理学療法士の質は低下し、信頼を失い、理学療法士を目指す若者はいなくなり、この資格自体がなくなってしまう危険があるのです。
 ドミニカ共和国では、この国家試験という第三者機関の評価がありません。理学療法士を目指す者は、大学の理学療法学科に入り、卒業と同時に理学療法士です。また学生の内から病院で働くことができますので、理学療法士と名乗っている学生もいます。(最近驚いたのは、私の配属先の現地スタッフのおよそ半分は大学を卒業していない、という事です。)つまり、学生教育の質が、そのまま理学療法士の質、延いては医療サービスの質に直結するのです。
 そして、教育の質はどうかと言うと、残念ながらWikipediaレベルです。同僚が大学に教えに行っていますが、wikipediaで講義準備を行っています。国家試験がないので、学生に低いレベルの教育をしても問題がありません。向上心も芽生えません。教育の質の低さが、理学療法士の質を下げ、その理学療法士がいずれ教える立場になる。
 それでも、ドミニカ共和国の理学療法士という職種が消滅しない原因はなんなんだろう、と考えてみました。おそらく、医師による治療の結果が悪い患者に、理学療法にいかせて、「後はあなたの頑張り次第」と言うためなんだと思います。事実、長期間の創外固定、整復ができていないピンニング、診断されていない脳障害、RSD、などの諦められた患者を多く見ます。そんな患者たちが理学療法でも何も良くならないと気づけば、もう医者の所にも理学療法士の所にも行かなくなり、忘れられてしまう。
 しかし、こちらの理学療法士の中にも、熱心に私の教えについて来てくれる人がいます。私がやっている事は、カリブ海に小石を一つ投げ入れるような、小さな事ですが、小さなステップから次のステップにつなげていけるようになればいいなかぁと思います。国家試験の話題から、大きく話がそれてしまいました。

2012年3月22日木曜日

レプトスピラ症


過去の流行地域
 レプトスピラ症とは、病原性レプトスピラの感染により発症する病気の総称です。重症型レプトスピラ症(ワイル病)と、軽症型レプトスピラ症(秋やみ)があります。
 病原性レプトスピラという菌は、ほとんど全ての哺乳動物に感染できると考えられており、感染後は、多くが保菌動物となります。レプトスピラは腎臓に保菌されることから、尿中に排出されます。保菌している動物の多くはネズミの仲間ですが、犬や猫、マングース、牛、アライグマなどからもレプトスピラは発見されています。これらの動物の尿を、直接触ったり、尿で汚染された土壌などに、間接的に触ったりすることで、我々人間にも感染する可能性があります。
 レプトスピラ症は、年間30万~50万人が発症していると推測されていて、温帯地帯よりも熱帯地帯に多いとされています。大雨や洪水後の集団発生や、稲作などに従事する農業関係者、下水道での作業者に多く発症しています。
レプトスピラの電顕像
 症状は、発熱などの感冒様の軽症型から、黄疸・出血・腎不全をきたす重症型まで、多彩な症状を示します。通常5~14日の潜伏期間を経て風邪のような初期症状が出て、重症型ではその後5~8日で黄疸等の症状が出始めます。初期症状が出て2週間ほどでさらに症状は強まり、出血が肺で起こると死に至ることもあります。黄疸を伴わない症例の致死率はゼロだが、黄疸を伴う場合は5~10%との報告があります。
 初期症状では診断が難しく、保菌動物との接触の有無、レプトスピラに汚染された土壌等との接触の有無、流行地域への渡航歴の有無などの申告が必要です。
 治療は、感染に対して抗菌薬を用いて、その他臓器障害に対しても治療も並行して行います。人から人への感染はありませんので、感染者を隔離する必要はありませんが、尿の取扱いには注意が必要です。
 今年に入って、ドミニカ共和国では、レプトスピラによる感染者171人、死者16人が確認されているそうです(大使館からの情報)。家にネズミが出る、という隊員仲間もいます。日本では関係なかった病気ですが、こちらでは気を付けなければいけません。レプトスピラ症だけでなく、デング熱マラリア、コレラなど、普段から注意していないと後悔してしまいます。

2012年1月9日月曜日

日系社会

カリブ諸国最高峰の山頂から。ご来光。
明けましておめでとうございます。

 戦後、日本政府が行った移民政策により、南米を中心に年間1万人の日本人が海を渡りました。中米の国、ドミニカ共和国にも249家族、1319人が1956年、ぶらじる丸に乗りサントドミンゴ港に到着しました。そのため、ドミニカ共和国には日系社会が存在します。
 しかし、この移民政策によってドミニカ共和国に移り住んだ日本人はみな、非常に苦しい生活を強いられました。事前に聞かされていた条件や環境と大きく異なった移住地だったのです。
  18ヘクタールの土地の無償譲渡のはずが、実際はその3分の1だった
  豊かな土地と言われていた場所は、農業には適さない土地だった
  (粘土質の地面や、塩を含む土地、深刻な水不足)
  土地の所有権は認められず、耕作権のみが与えられた
 などの悪条件により、夢と希望を持って移住してきた日本人は、自らを「日本に捨てられた=棄民」と考えるようになりました。2000年~2006年、移住者は国を相手に訴訟を起こすことになりました。

 「棄民」から「移民、日本人」になるために。

 この訴訟により、国の無責任な政策立案・外交が浮彫になり、国は移住者に対して謝罪、つまり責任を認めました。当時の総理大臣、小泉純一郎氏の談話で、「政府の当時の対応により移住者の方々に多大な労苦をかけたことについて、政府としては率直に反省し、お詫び申し上げます。」とあります。(全文←クリック)
 JICAはドミニカ共和国のドミニカ人社会の発展のために青年海外協力隊およびシニア海外ボランティアを派遣しています。そしてドミニカ共和国の日系人社会の発展のために日系社会青年ボランティアおよび日系社会シニアボランティアを派遣しています。
 私は青年海外協力隊ですが、日本人・日系人の力にもなりたいと思っています。自分の能力を発揮する場をドミニカ人社会に限定する理由はないと思っています。もちろん自分の職務は全うすることを前提としてですが。
 私と日系社会を結びつけてくれた日系社会シニアボランティア(看護師)のKさん(Kさんのブログ←クリック)という方がいます。(私のドミニカ共和国での母です。)来月、日系社会の健康講座のお手伝いをさせていただくことになりました。昨日、そのために、ドミニカ日系人協会の会長の所へご挨拶に伺いました。私のことを受け入れてくださり、今後も協力できることがあれば、協力していくことになりました。
 日本と同様、こちらでも日本人の高齢化が進んでいます。しかし、日本のように医療が発展しているわけではないし、アクセスが容易でなかったりもします。障害がある人には障害の治療を、ない人には長く健康でいてもらうための指導を、Kさんなど保健・医療に携わる人たちと協力して、(今は)地道にやっていきたいと思います。

2011年10月12日水曜日

ソフトボール大会

 先日、ハラバコアで日系人ソフトボール大会がありました。首都を朝6時過ぎに出発して、3時間ほどで到着する町です。派遣中のボランティアがJICAチームに入ってプレイしてきました。日系人チームが4つ、JICAチームが1つ、大使館チームが1つで、私たちJICAチームは初戦、大敗してしまいましたが、2戦目は何とか勝つことができました。
 日系人チームはみな、かなり練習しているようで、ホームランやランニングホームランを次から次へと打ってきますし、守備もほとんどエラーがありません。対するJICAチームは練習も全くしていない人がいるウケ狙いのチームです。笑
 でも私は、このソフトボール大会があると聞いて、グローブと運動靴を購入して、(少しだけ)試合に備えて練習してきました。グローブは近くの大型スーパーで、運動靴はハイチマーケット(ハイチ人がやっているフリーマーケット)で手に入れました。
 しかし、肝心の試合当日に、どちらも持って行くのを忘れるというミスを犯してしましました・・・。
 勝てたのはカープアカデミーの方のおかげだと思います。強力な助っ人で2人も入っていただきました。
 結局、顎でボールを取る、走塁時に滑ってこける、バッドを逆さに持つ、など適度に笑いを取って終わりました。
 このソフトボール大会は、日系人協会の方がグランド整備、テント設営など様々な準備をして開催された大会で、非常に楽しい一日を過ごせたことに感謝です。そして、大使館チームの大使から飲み物の差し入れがあり熱中症や怪我なく終えれたことにも感謝です。

2011年10月6日木曜日

ドミニカでの休日

 ドミニカ共和国に来て、もう3か月が過ぎました。平日はしっかり活動しつつ、休日はドミニカ共和国を知るためにいろいろな所に行っています。まだまだ、知らない所がたくさんありますが、これまで行ったところを簡単に紹介します。

1、ボカチカ
 ここは写真のように観光地ともなっているビーチです。首都にある空港から近く、高級ホテルや高級レストランなども近くに構えています。

2、コロンブスの像
 ここは世界遺産にも登録されているソナコロニアル(植民地帯)にあります。後ろに見えるのは大聖堂で、この辺りも観光地化しており、お土産屋さんの中には米ドルでも買い物できる所があります。

3、ハードロックカフェ
 コロンブスの像からすぐの所にあるハードロックカフェでは、ギターの形をしたプラスチックのグラスにジュースを入れてくれます。おかわり自由だったので、店を出るときにジュースを充填してもらいました。

4、コロンブスの灯台
 中には展示スペースとお土産屋さんがあります。行ったときは停電していました。笑

5、オサマ川の要塞
 要塞というだけあって重厚な造りです。弾薬庫や大砲なども展示されていました。

6、バラオナ
 高級リゾート地、カサボニータの入り口にあるラリマールショップは、原石を自分で選んで自分で磨くことができます。2つ作って帰りました。

7、バラオナ2
 バラオナにあるビーチです。ここはボカチカと違って地元の人だけ、という感じの落ち着いたビーチで、岩場にはいろいろな魚がいました。

8、ボーリング
 ドミニカ共和国にもボーリングがあるんです。ビリヤード場もあります。バッティングセンターもあるらしいのですが、まだ行けていません。

2011年9月9日金曜日

誕生日

 生まれて初めて、海外で誕生日を迎えることになりました。ドミ共の多くの人、別の国に派遣された仲間、日本の友人・知人、私の元担当患者さん、大勢にお祝いの言葉や、プレゼントを頂きました。とても幸せな気分で過ごした1日について、今日ここに書き残しておきたいと思いました。
 朝、いつも通り出勤しました。前日にカウンターパートが「明日誕生日だね」と言っていましたし、デスクには今月誕生日の人の一覧が貼られていますので、何かあるのかなって思っていましたが、まだ着任して1か月だし、活動らしいこともしてないし、さらっと過ぎるのだろうなぁ、と思っていました。しかし、職場に着いてビックリ。まず、私のデスクがある部屋の入口が風船で飾られていました。そして、みんな「誕生日おめでとう!」って言ってハグしてくれました。また、「みて欲しい患者さんがいるの」って言われて行ってみると、みんなに囲まれて、いつもの患者さんも一緒になって誕生日ソングを歌ってくれました。さらにお昼には、もっといっぱい集まってケーキとジュースも用意している部屋に、またまた「患者さんが待ってる」と言われて連行されました。こんなサプライズ、生まれて初めてで感動してしまいました。
 いままで誕生日の日も関係なく、日の出と共に出勤し、遅くまで残業し、後は寝るだけの誕生日をなにも疑問を感じずに過ごしてきました。でも今年のような素敵な誕生日も非常にいい、と思ったし、同じことをたくさんの人にやってあげたいって思うようになりました。これは今までになかった感情です。自分の事で精一杯なのに、人のことに構ってられるか、と日本で働いていたなら今でも思っているでしょう。ドミニカ共和国で、幸せって何なのか、という質問の答えに少し近づけたような気がした、大変貴重な一日でした。
 ちなみに、誕生日の日は午後から帰っていいそうです。それを知らずに午後からも「この患者さんみて」っていう(本当の)要望に応えていました。「まだいたの?」って最初に言われてから。笑

2011年4月23日土曜日

マラリア

 マラリアには年間3~5億人が感染し、150~270万人が死亡していると推測されています。死亡症例のほとんどがサブサハラの5歳以下の小児ですが、東南アジアや南アジア、南太平洋諸島、中南米でも起こっている感染症です。病原体はウイルスではなく原虫で、蚊により媒介されます。蚊が人に吸血する際に唾液腺からマラリア原虫が体内に侵入するのです。
 血中に入ったマラリア原虫はまず肝細胞内に取り込まれ、そこで分裂・増殖します。ある程度数が増えると肝細胞を破壊し、再び血中に出て次に赤血球に侵入します。そして赤血球内で分裂・増殖し赤血球膜を破壊し、別の赤血球に再び入る、というサイクルを繰り返します。肝細胞内に休眠原虫といって、じっとしているだけの原虫が留まることがありますが、これは再発のリスクファクターとなります。破壊された赤血球は、血管内皮と結合する性質を持ち、これが脳症の原因であるとも言われている。
 初期症状は蚊に刺されてから7~9日後に現れます。発熱、倦怠感、頭痛、関節痛、筋肉痛で、時折、嘔気・嘔吐、下痢、腹痛も呈します。重症化すると脳症、腎症、肺水腫/ARDS、DIC様出血傾向、重症貧血、低血糖などが起こります。
 潜伏期間から考えて渡航後1週間以内に起こる発熱はマラリアではありませんが、マラリア流行地域では1週間以降に発熱があれば直ちに医師のところへ行く必要があります。
 急性期治療は、抗マラリア薬であるクロロキンを使用し、治療が成功すれば休眠原虫の駆除のためにプリマキンを使用します。クロロキンに対して耐性を持っているマラリア原虫もあり、その場合は別の薬剤が使用されます。どの種のマラリア原虫か(人に感染するマラリア原虫には4種類ある)を鑑別することは治療を行うにおいても重要なことのようです。ドミニカ共和国においては耐性を持ったマラリア原虫は確認されていない、とのことですが、多くの地域ではクロロキン耐性が出来上がっているようです。
 ドミニカ共和国に行く際に携行しているとよいものとして、CDCは以下のものを挙げています。

  1、普段から内服している薬
  2、抗マラリア薬
  3、市販の下痢止め薬
  4、ヨウ素剤、携帯式water filter(水の浄化のために)
  5、サングラス、日焼け止め(有害な紫外線から身を守るため)
  6、手指のアルコール消毒剤
  7、蚊に刺されないためのグッズ

 ドミニカ共和国は観光地も含む全域でマラリアのリスク地域なので抗マラリア薬が挙がっています。死亡例を含む副作用の危険から使ってはいけないとCDCが指定している抗マラリア薬も多くの国で販売されているようです。日本から持って行けるものなのか、現地で手に入れるものなのか、また訓練所のスタッフに聞いてみようと思います。

(参考資料)
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k05/k05_04/k05_04.html
http://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/dominican-republic.aspx
http://wwwnc.cdc.gov/travel/yellowbook/2010/chapter-2/malaria.aspx

(世界マラリアの日:2011年4月25日)
http://www.worldmalariaday.org/home_en.cfm
http://www.rollbackmalaria.org/worldmalariaday/

2010年10月31日日曜日

【映画】The Price of Sugar

 原題 : The price of sugar
 制作年 : 2007年
 制作国 : アメリカ合衆国、ドミニカ共和国
 監督 : Bill Haney
 ナレーション : Paul Newman
 ホームページ : http://www.thepriceofsugar.com
 
 ドミニカ共和国でいろいろ検索していたら、「ドキュメンタリー映画『The Price of Sugar』 グローバル化の闇を浮き彫りにする」という記事を見つけました。この映画、見たいと思いアマゾンなどいろいろ調べてみても手に入れる方法が分かりません。公式ホームページを見てみると、どうやら現在、一般販売はされておらず、アメリカの学校や大学、教会など、団体への貸し出しの上映が有料で行われているようです。
 残念ならが映画自体は予告編しか見れませんが、公式ホームページのPressからPress Kitという所をクリックすると、いくつかデータが手に入るようです。
 「グローバル化」、「労働」、「国際経済」、「貧富の差」、「移民」、さまざまなキーワードが入っていると思います。次に読もうと思っている書籍『あなたのTシャツはどこから来たの』とテーマは似ているのかもしれません。いつかチャンスがあればこの映画見てみたいですが、それまでは頭の片隅に「こんな題材の映画があったなぁ」と留めておきたいと思います。

2010年6月21日月曜日

ドミニカ共和国の要請


http://jocv-info.jica.go.jp/jv/index.php?m=Info&yID=JL22410A03

 昨日の続きで、今日はドミニカ共和国からの要請内容について考えてみたいと思います。
 「当国では理学療法士養成機関が成熟しておらず、理学療法士は医師の診察による指示内容に基づきリハビリテーションを行っている。理学療法士としての知識とリハビリテーション技術を高めることを目標にボランティア派遣を行ってきており、現在派遣中の理学療法士隊員はリハビリテーション効果を高めるための理学療法評価法の確立に協力している。セミナー参加等を通じて他国の状況を知る中で、「チームリハビリテーション」や「CBR(地域に根ざしたリハビリテーション)」等への関心も高まっているところ、今後はこれらの導入と定着に協力するボランティア派遣が望まれている。
 ドミニカ共和国では、理学療法士の養成機関が十分な教育を提供できていないようです。理学療法士を育成するためには、知識だけではなく、技術に関する教育も行わなければいけません。ある専門学校の非常勤講師として学生に、関節の触診について技術指導する機会に恵まれ、その時の経験から学んだことは、技術と知識は決して切り離すことができない、という事でした。知識だけでは決して患者さんを良くすることはできないです。また、知識がなければ技術を学ぶ際に非常に効率が悪く、時間をかけて学んだとしても、その技術をどういう時に用いたら良いのか、という判断ができません。
 非常勤講師をして感じたのは、「知識がなければ技術を学ぶ際に非常に効率が悪い」という事です。指導したのは関節の触診ですから、関節について知っておかなければなりません(関節を構成するものは何か、関節の形状はどうか、どのような働きがあるのか)。つまり、関節について知っておくためには、解剖学、運動学、生理学が必須になります。私が特に感じたのは、解剖学の重要性でした。「小菱形骨は第2中手骨を遠位から近位に触診していき、底の部分で膨隆しますから、それを超えて窪んだ所に存在します」と言ってもピンと来ないようです。小菱形骨と第2中手骨が接していることや、「底(てい)」って何? ってことなど、解剖学的なイメージが沸かないから、話をしてもIt's all Greek to me.(ちんぷんかんぷんだ)となってしまいます。だから根本の解剖学から説明しないといけなくなります。
 解剖学も生理学も基礎医学と呼ばれ、文字通り、医学の基礎なのです。基礎がしっかりしていれば、それを応用していけば先に進むことができます。ドミニカ共和国のこの要請で書かれている「養成機関が成熟していない」というのは、基礎を教えることができていないのか、応用を教えることができていないのか? 基礎医学を教えるのは、理学療法士の知識では上っ面だけになる危険があります。医師でなければいけません。理学療法への応用はもちろん理学療法士が行うべきものです。なので、基礎ができていないのか、応用ができていないのかで、解決策が非常に異なってくるという事です。
 次に「理学療法評価法の確立に協力している」との文言があります。これは技術の話ですが、これこそ、知識がなければ全く使い物にならない技術です。打腱器で腱反射を検査しても、その結果の意味を医学的に理解できていなければ意味がありません。何も知らない人に打腱器を持たせて叩く練習をさせても、猿にパソコンを教えるような事です。
 なので、やはり、教育がどのレベルでの問題を抱えているのか、評価することが大切だと考えました。後、教育レベルの問題を挙げているので、チーム医療やCBRにまで手を広げるのは、時期尚早かなとも思いました。