PT学会で販売されていたチャリティーTシャツ |
講義の内容は、被災地の現状、JOCVのOBとしてできること、専門性に捕らわれないこと、笑いの力、など、隊員活動から繋がる今の活動についてお話いただきました。本当はそれぞれに2時間割いても足りないくらいの豊富なお話をお持ちなのですが、限られた時間でたくさんの内容を私たちに示していただきました。
被災地に行くと、いろいろな仕事があります。靴を提供することで歩いていただく、情報が氾濫したホワイトボードの整理をする、床に敷いているビニールシートをガムテープで固定し躓かないようにする、談話スペースを作るなど、必ずしも専門性を持った活動ができる、というわけではありません。パッチアダムスの映画にもあるように、人を笑顔にするには自分の専門だけに固執してはいけない、という事が被災地では特に当てはまるのだと思います。また、勝手に行って、勝手に理学療法士を名乗って、勝手に活動することはできません。やはり、被災地にもシステム・ルールがあります。問題は一度出来あがったシステム・ルールは変えることが難しい、ということ。最初にきちんとしたシステムやルールができなければ、後になって修正することは困難です。最初にきちんとしたシステム・ルールを作るためには、日ごろからの良好な関連職種との連携、職能団体と行政との関係、職能団体自体のシステム構築が必要だと思います。それがあって初めて発言する力が産まれるからです。
講師の方も災害ボランティアに参加するために、いろいろ情報が混乱しており苦労されていた様子でした。気持ちだけでなく能力がある人が、スムーズに活動に入れない理由には、システムの脆弱性、マンパワーの不足と疲弊など、さまざまな要因があると思います。これから派遣前の短い期間ですが、被災地でボランティア活動する仲間がいます。できることはなんでもして欲しいと思います。しかし、自分たちは限られた時間だが、被災地の人たちはずっとそこにいる、ということを忘れないで欲しいです。入れ替わり立ち替わり来るボランティアからのちょっとしたストレスも積りに積もれば大きなストレスです。プライバシーの尊重や不用意な声掛けなど、気を付けていただきたい、と思います。特に若い人には。