理学療法士→青年海外協力隊→日本で臨床をしながら緊急援助について学ぶ(現在)→大学院?→国際協力をライフワークに
2011年3月11日より発生しました東日本大震災において、犠牲になられた方々に心よりご冥福をお祈り申し上げます。 また被災された方々に対しましては、お見舞い申し上げるとともに、一日でも早くの復興を応援・支援させていただきます。
2016年4月16日より発生しております熊本地震において、亡くなられた方に心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。

<祝>当ブログの読者Y.Kさんが青年海外協力隊(24-1 モンゴル)に合格した、という非常に嬉しい知らせを受けました。おめでとうございます。
<祝>当ブログの読者で青年海外協力隊を目指すMIDORIさんが理学療法士国家試験に合格した、というおめでたい知らせを受けました。もう同じ臨床家です。お互い頑張りましょう。
<祝>当ブログの読者KENJIさんが青年海外協力隊(25-2 タイ)に合格した、というまたまた嬉しい知らせを受けました。おめでとうございます。
<祝>募集説明会で体験談をお話させて頂いた方2名も青年海外協力隊(モザンビーク、ベトナム)に合格したと再会時に報告がありました。おめでとうございます。
<祝>2013年JOCVリハネットセミナーで私の活動報告を聞いてくださったA.Kさんも青年海外協力隊に合格されました。おめでとうございます。
<祝>国際緊急援助隊に当ブログを見て興味を持って頂いたOTさん、青年海外協力隊説明会でお会いしていたOTさん、フェイスブックで私を見つけて質問して頂いたPTさんが仲間入りしました。みなさん青年海外協力隊経験者でした。

青年海外協力隊  体験談&説明会
  *当ブログの作者(ドミニカ共和国、理学療法士)は今回の春募集では体験談を話に行くことができませんが、興味をお持ちの方はぜひお越しください。私に質問がある場合は、関連する記事のコメント欄に質問いただければ、回答いたします。

国際緊急援助隊(JDR)医療チームへの参加に関心のある方へ
  *JDR医療チームはWHO EMT InitiativeのType2認証を受けており、リハビリテーションの提供が求められるチームとなっています。理学療法士・作業療法士で関心のある方、仲間が増えるとうれしく思います。
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2018年7月20日金曜日

JDR(国際緊急援助隊)医療チーム 中級研修 2

7/16(海の日)、JICA市ヶ谷で国際緊急援助隊(JDR)医療チームの中級研修がありました。この中級研修は、私がJDR医療チームに登録されてから2回目の参加になります。(1回目の中級研修に関する記事はこちら)
 
前回はちょうど1年前で、その時はまだタイプ2として認証されて間もなく、「これから」と言う感じでした。しかし、今回はかなり具体的な話もあり、さらに今後もブラッシュアップしていきそうで、そのエネルギーに圧倒されてきました。
 
以下、中級研修を受けての私見を述べます。中級研修の内容とは異なりますのでご了承ください。
 
私は理学療法士ですので、登録は医療調整員となりますが、タイプ2となりリハビリテーション機能が必須となったため、理学療法士としての働きも求められます。WHOが発行したEMTにおけるリハビリテーション能力に関する冊子を翻訳しているのですが、その中で携行資材について書いている章があります。そこには、
 
・車椅子
・松葉杖
・歩行器
・除圧用マットレス
・短下肢装具
・頸椎カラー
・ギプス
・ギプスカッター
・ギプススプレッダー
・スリング
・切断端用弾性包帯
 
が最低ラインのリストに挙がっています。しかし、タイプ2になったからと言っても、リハビリテーション施設を作るわけではないので、歩行器や装具は要るでしょうか。また頸椎カラーやギプス関連の資材はリハビリテーションとは別ですし、そう考えて関係ないものを削っていくと、車椅子と松葉杖しか残らないような気がします。
 
車椅子と松葉杖は、これらがなければ帰宅困難な患者に、理学療法士が使用方法を指導して貸し出すといいのだと思いますが、貸出制度の難しい所は、「貸したら返ってこない」という事です。WHOは「きちんと返却されるようにルールを決めて、不要になれば必要な人に渡るようにしなさい」と述べていますが言うは易しです。JDRとしてどうしていくのか、今後検討していくそうです。
 
タイプ2で入院機能(病棟機能)を有することになりましたが、入院と言っても転院を前提とした短期入院です。じっくりリハビリテーション、という訳にはいきません。
 
実は私はタイプ2になり患者はある程度の期間入院しているものだと思っていました。だからタイプ1よりもじっくりリハビリテーションできると思っていました。これは私の認識違いで、理学療法士としてすべきことを改めて考えなおさないといけません。
 
退院時や転院時のリハビリテーションサマリーが大切になってくるかもしれません。最低でも英語である程度書けるようになっておこうと思います。
 
また、やはり医療調整員としての役割やロジスティック班としての役割をきちんと果たせるようにならないといけないと感じました。「タイプ2になったんだからリハビリテーション!」ではなく、そもそもリハビリテーションはすでに自分の専門として仕事しているんですから、それ以外の所のスキルアップが必要だと痛感しました。
 
そういう意味で、今後、いろいろ勉強していく動機付けができました。また紹介できたらと思います。

2016年3月8日火曜日

国際緊急援助隊(JDR)

 国際協力機構(JICA)は、ボランティア派遣事業だけではなく、非常に多くの事業を行っています。その一つが、国際緊急援助隊(Japan Disaster Relief, JDR)の派遣です。JDRのチームには、救助チーム・医療チーム・専門家チーム・自衛隊部隊があり、それぞれの役割に応じて、被災国からの要請があれば、出動します。
 JOCVリハビリテーションネットワーク(PT・OT・STのJICAボランティア経験者の集まり、通称リハネット)からの情報で、JDR医療チームにおける理学療法士の役割に期待が高まっている、という話を聞きました。そこで、私なりにいろいろ調べて見ました。

①JDRについてはJICAのウェブサイトをご参照ください→ http://www.jica.go.jp/jdr/about/jdr.html
②最近の日本理学療法士協会からの会誌にJDR医療チームとして派遣されたPTさんの記事があります→ http://www.japanpt.or.jp/upload/japanpt/obj/files/activity/news298/298_20.pdf
③2015年のネパールの大地震における理学療法士の役割についての文献が、WCPTのサイトからリンクされていました→http://www.wcpt.org/sites/wcpt.org/files/files/Nepal-JOSPT-sept2015-editorial.pdf
④WHO(世界保健機関)の災害時の障害とリハビリテーションについての特設ページです→http://www.who.int/disabilities/emergencies/en/
⑤同じくWHOから。病気・外傷の発生からリハビリテーションに至るまでの範囲をカバーできるチームが必要、と7段落目に書かれています→http://www.who.int/hac/emergency_workforce_february_2016/en/
⑥国境なき医師団(MSF)のclinical guidelineです。MSFの医師が現場で遭遇するであろう疾患の、現場での診断方法や処方の仕方が書かれています→http://refbooks.msf.org/msf_docs/en/clinical_guide/cg_en.pdf

 大規模災害が発生すると、大勢の怪我人や病人が医療施設に集まります。医師や看護師は、できるだけ多くの患者を救うため、緊急時のマニュアルに則り対処していきます。しかし、場合によっては対応可能な患者数を越え、病院はパンク状態になるかもしれません。さらに、治療が済んでも帰る所がなく、病院に患者が留まる場合もあります。帰る場所があっても、松葉杖がないと歩けない患者もいるでしょう。車イスで帰ろうにも、道が悪すぎて進めない可能性も考えられます。病院の近くにいた方が何かあった時に安心、と動こうとしない人もいるかもしれません。
 そこで、WHOは、災害時の外傷治療のみならず、その後のリハビリテーションにも対応する必要性を認識し始めたようです。効率よく治療し、退院させ、次の患者を受け入れる、という回転率の向上が重要です。そのために、退院先として自宅がない患者を受け入れる施設の設置(リハビリセンターのようなもの?)や、病院へと繋がる道の整備、歩行補助具や車いすなどのデバイスの提供・フィッティング・使用方法の指導などを行わなければならないと思います。
 第50回PT学会で、今後理学療法士には「社会参加・国際貢献」が求められてくるという提言があったそうです。国際貢献として青年海外協力隊に参加する理学療法士が増えることを願うとともに、大規模災害時に活躍できる人材を増やすための啓蒙活動も今後、必要でしょう。その一つの方法がJDRに登録する理学療法士を増やすことです。
 JDRに登録する条件に、PTとしての経験が5年以上、英検2級程度以上、などがあり、おそらく多くの人が語学の面で自身のキャリアにJDRという選択肢を除外してしまうだろうと思います。また、外国に行ったことのない人も多く、初めての渡航先が被災国というのもハードルが高いでしょう。どんな環境でも適応できる、なんでも食べられる、どこでも寝れる、外国語でもコミュニケーションが取れる、などの資質を持った人となると、青年海外協力隊の経験者が最適なのではないかと思っています。今後、理学療法士の帰国隊員にはJDRについての案内を帰国時オリエンテーションで行ってもいいのではないか、と思います。
 WHOが先月に⑤を出したように、今まさに理学療法士の緊急援助での活躍が期待されています。「鉄は熱いうちに打て」。4月からJDRの仮登録が始まる予定だそうなので、私も登録しようと思います。

2014年12月7日日曜日

医学英語検定試験(医英検)

 私たち理学療法士は、国家試験を受けるために指定された科目を指定された時間受けて、実習を受けなければなりません。医学英語は必修科目の一つです(多分)。しかし、いろいろな学校の卒業生に「医学英語でどんなことを学んだ?」って聞いても、中学生レベルの「What's your name?」からやっていたり、担当講師の自慢話で終始したり、そもそも記憶に残っていなかったり・・・。
 そのような話を聞いていると、自分ならもっときちんと医学英語を学生に教えられるのに、と思ってしまいます。けど、医学英語の能力を証明するものが今はないので、いろいろ調べてみると医学英語検定(医英検)というものがあるそうです。検定としての価値や評判はネットで調べるといろいろ出てきますが、来年3級を受けてみようと思います。(本当は2級から受けたいのですが、3級合格が受験資格のようなので。)
 他には、TESOL(Teachers of English to Speakers of Other Languages)のESP(English for Specific/Special Purpose)のコースで英語の教え方、医学英語の教え方を学び、修了書を得る、というのも英語教育能力を証明する一つの手かもしれません。
 具体的にどんな医学英語の講義をしたいかと言うと、①専門用語やその成り立ち(接頭語・接尾語など)や②日常的に遭遇する略語など、③使い方に注意が必要な用語の解説、④和製医学英語への注意喚起、⑤理学療法士が日常的に患者と行う会話の英語表現、⑥書き言葉と話し言葉の違い、⑦英語での論文の書き方、などを教えたいと思っています。
 いつか、医学英語を教えられる日が来たらいいなぁ、と思います。

2014年1月3日金曜日

2014年の目標

あけましておめでとうございます。
 昨年も多くの方に当ブログを読んでいただき、大変うれしく思っております。今年も有意義な情報をみなさんに提供できるように頑張ろうと思います。
 さて、今年の私の目標は

1、理学療法士としてさらなる飛躍
 1-1:関節運動学的アプローチ博田法 認定療法士試験の合格
 1-2:後進の育成(教育技術の向上)

2、国際協力に関わり続ける
 2-1:JICA国際協力出前講座の協力
 2-2:JICAボランティアOB・OG会へ積極的に参加
 2-3:JICAボランティアを広く知ってもらい、応募してもらう

3、語学の上達
 3-1:英語の勉強をやり直す
 3-2:スペイン語を忘れないように勉強を続ける
 3-3:英検の面接委員になる
 3-4:医療通訳の講座を受ける

4、ダイビングの上達
 4-1:ダイブコントロールスペシャリストになる
 4-2:障害者ダイビングの知識と技術を身につける

です。
 今年は、理学療法士としても大いに成長したいと思っていますし、若い人(中高生やPTの学生)に国際協力という道を知ってもらう活動に力を入れたいと思っています。また、ずっと続けていた英語の勉強と、ドミニカ共和国で身につけたスペイン語をさらに上達させ、時間とお金が許せば、医療通訳者養成コースに入りたいなぁと考えています。さらに、これも時間とお金が許せばの話になりますが、障害者ダイビングに関して、専門的に学びたいとも思っています。
 あれもこれも、となると体がいくつあっても足りない(いや、やる気があれば、私ならやれる?)かもしれませんが、優先順位をつけながら、一つひとつ達成していきます。
 というわけで、今年もどうか応援と、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

2013年7月14日日曜日

知的財産


私も寄稿させていただきました。
海外技術協力セミナーの20周年記念誌を頂きました。これまで国際協力に尽力してきた先生方や、今世界各国で活躍している先生方、ベテラン・若手、いろいろな人が、様々な視点で寄稿した、非常に貴重な冊子となっています。現在までの歴史やこれからの未来、国際協力の酸いも甘いもちりばめられていて、何度も読み返してしまいました。
 私は、日本の技術・知識を世界に広めたいと考えています。しかし、それにはいろいろ考えなければならないことがあります。一つは、日本の技術・知識を「正しく」伝えることの難しさです。どれだけ良いものでも、間違って伝えると意味がありません。意味がないどころか、日本の技術・知識の信頼が落ちてしまうことになりかねません。「本物」はそうではないのに、治療効果がない、理論が短絡的だ、などと思われることを防ぐために、本物を「正しく」伝えることが必要です。
 そのためには、教える側の技術・知識が高い水準になければなりません。厳しい言い方かもしれませんが、ちょっと研修会に行ったくらいで分かった気になっている人に、技術移転はできないと考えています。例えば関節運動学的アプローチ医学会および関節運動学的アプローチ医学会理学・作業療法士会は、関節運動学的アプローチ博田法(AKA-博田法)の普及・発展のために活動を行っていますが、AKAおよびAKA-博田法を商標登録し、ニセモノが出回ることを防ぐ仕組みを作っています。これにより技術・知識の信頼性、正確性を確保しています。
 誰かが勝手に真似してしまわないように保護する必要のあるものを知的財産と言います。知的財産を守るために、特許権・実用新案権・意匠権・商標権などがあります。診断、手術・投薬といった治療、すなわち医療行為の取り扱いは、「産業上利用可能なものではない」として特許権や実用新案権の保護対象にはなりません。よってAKA-博田法も特許を取ることができません。しかし、この取り扱いも今後は見直される可能性もあります。
 知的財産権について、広い知識を持つことで、私の将来の国際協力に繋げていきたい、と今考えています。日本の技術・知識を「正しく」世界に発信し、それを守り、質を下げないようなシステム構築ができるようになりたいです。
 逆に海外から良いものを取り入れる際にも、知的財産に関する知識は役に立つと思います。
 日本の技術が世界の技術に、○○国の技術が世界の技術に! 
 
 

2013年7月1日月曜日

JOCVの経験を未来につなげる

久しぶりの更新です。これまでサボっていて申し訳ありません。いろいろありましたが、無事に日本に帰国しています。同期隊員も続々帰国し、日本を満喫しているようですね。サービスの質、商品の質、種類、量、どれもが高い水準で驚かされるばかりの日本ですが、「日本の常識は世界の非常識」、あまりに良すぎるサービスに違和感を覚えながらも、自分もその水準に持っていかないと日本で働いていけないな、と感じます。
 さて、ドミニカ共和国での活動も振り返らなければならないのは勿論なのですが、今日は、これまでの経験をいかに未来に繋げていくか、について考えたいと思います。

1、青年海外協力隊(以下、JOCV)の経験を後進に伝える
 私がJOCVに参加する前、説明会で理学療法士の方がJOCVでの経験を語って下さり、モチベーションが上がったこと、JOCVに参加するイメージができたこと、何よりその人が充実した二年間を過ごしたことが感じ取れたことが、JOCVになる大きなきっかけです。仕事を辞めて二年間途上国に行くわけですから、軽い気持ちでは行けなかったですし、この説明会は私にとってなくてはならないのもでした。
 JOCVの説明会だけでなく、日本理学療法士協会などが主催する国際協力系のセミナーや、学術誌、JOCVのOB/OG会などの会合などから多くの情報を得ることができ、JOCV参加の後押しとなりました。これらは一重に、JOCV経験者が積極的に後進へ情報共有しようと努力してくれているからだと感謝しています。今後は、自分もその一助になるよう、さまざまな形で情報発信できるようになりたいと思います。
 特に、若い理学療法士や、理学療法士の卵たちに、国際協力という道がある、ということを知ってもらいたいと思います。最近は理学療法士が活躍する現場も多種多様になってきていますが、国際協力への道を進む人はまだまだ一握りだと感じています。理学療法士の数は11万人を超えましたが、これまでJOCVとして派遣された理学療法士は400人ちょっとです(青年海外協力隊派遣実績)。パーセントで換算すると0.36%です。また帰国後も国際協力を続ける人はさらに少ないのが現状ですので、派遣中の40人余りの人と帰国後も国際協力を行っている人とを合わせても100人程度なのではないでしょうか。
 国際協力には興味があるが一歩が踏み出せない、という理学療法士の方はどのくらいいるのでしょうか? 今の自分には、多いのか少ないのか、想像もつかないですが、興味がある、という人には是非、具体的に行動に移してもらえるように働きかけていきたいと思います。

2、自分に足りなかった知識や技術を強化する
 「ボランティアとは自分を映す鏡だ」(地球のステージ 桑山紀彦氏)という言葉の通り、ボランティアとして活動し、自分自身の長所や短所、得意・不得意、好き・嫌いなど、己と向き合う機会が増えました。私の性格的な部分、人間性に関しては、これからの長い人生で少しずつ良くなるように努力します。
 理学療法士として、国際協力を続けたいと考える者としては、さまざまな知識・技術が足りないことが明らかになりました。また別の機会に、どのような知識や技術を今後つけて行こうかを書こうと思います。派遣前には考えてもいなかった方向に向かっています。


3、JICAの草の根技術協力事業を活用する
 詳しくはJICAのホームページを見ていただきたいのですが、「草の根技術協力事業」という、NGOや大学などの団体がプロジェクトを立案し、JICAと相談・協力しながら、そのプロジェクトを実行するというものです。私自身のスキルアップの後、この事業と活用しプロジェクトを立ち上げたいと考えています。具体的なプロジェクト案もあるのですが、また書ける時期がきたら、ここで紹介したいと思います。

2012年5月19日土曜日

チーム医療

チーム医療という言葉は、日本にいた頃から知ってはいました。しかし、実践していたかというと甚だ疑問です。と言いますのも、振り返れば日本にいた頃は血気盛んで、「自分が一番偉い」なんて思っているような男でしたから、人に意見することはあっても、人に意見を求めることなどほとんどありませんでした。ただ、医師や自分の尊敬・信頼できる先輩などには意見を求め、患者安全やより良い医療、および自分自身の知識・技術の向上に資するようには努めていました。つまり、自分の知りたいことだけを尋ね、そうでないことは相手にしない、という自分勝手な働き方をしていました。
 逆に誰かに何かを尋ねられたときは、偉そうに理学療法士の世界でしかあまり耳にしないような単語を並べ、話していました。今思えば、理学療法士同士にとってもきちんと通じるような言い方をしていたのかと疑ってしまいます。自分自身の当たり前を、相手にも押し付けて、あたかも「分からない方が悪い」というような口振りだったと思います。
 そのような理由で、私に話しかけてくれる人はほとんどいませんでした。また、社会に出ると多少の理不尽な出来事を経験することがありますが、それらを全て、全力で批判したり改善を求めたりして、いろいろな部署ともめ事を起こしていました。それにより一層、要注意人物になっていました。
 チーム医療とは、「互いの能力を最大限に発揮するために互いの理解を深め、共通言語を用いて患者のために議論し、同意を得られた内容に基づいて、患者も同意のもと看護・治療を行うこと」だと私は考えています。どのプロセスにも対話が不可欠であります。日本にいた頃の私に欠けていた要素です。
 ドミニカ共和国に来て、チーム医療の重要さを改めて認識し、将来は、理学療法士と他部門の良い連携を築けるようなコーディネーター役、システム作りをしたいと思っています。以前の私のような問題児も、見捨てず上手く教育する体制を作ったり、対話の妨げになる要素を分析し対策を取ったりすることで、より良い病院、より良い医療、より一層の患者安全、より高度な人材育成ができればいいなと思っています。
 そのために、理学療法士として働きながら看護師・保健師の資格を取り、数年、看護師および保健師としても働き、それぞれの現場を知りたいと思います。そしてどこかのタイミングで、医療経営や管理学が学べる公衆衛生大学院で、専門的に学びたいと思っています。
 かつての問題児が、このような志を持ったのも、ドミニカ共和国に来て、チームで働くことの大切さに気づき、過去の自分をじっくり振り返ることができた、というきっかけがあったからです。
 JICAボランティアのキャッチコピーに「世界も、自分も、変えるシゴト。」というものがあります。派遣前には、「世界は変えるが、自分は変わらない。自分は今までやってきたことを引き続きすればいいだけだ」などと考えていました。全く、自分勝手なものです。

2012年1月31日火曜日

デスクワーク


 日本を離れて7か月が経ちました。ドミニカ共和国の病院で働き始めて半年です。ほとんど臨床をしていませんので、臨床を離れてから10か月になろうとしています。一生臨床家として生きていきたいと思っていた私にとっては、辛い日々でした。しかし、最近は少し考えが変わってきました。
 働きやすい職場を作るために、コーディネーターとしてシステム作りやスタッフの仕事管理も大切なんだと思ってきました。また、他部門との連携・連絡、他組織との協力などのネットワーク作りなども非常に重要だと感じています。これができる上司と、できない上司とでは、働きやすさ、働きがいが全く違うと思います。
 この役割を担おうと思うと、スタッフの働き方、熱意、人間関係などを把握しておかないといけないし、他部門と連携しようと思えば、その部門の業務内容、システムなどに精通していないといけないです。本気でこの役割を担うためには臨床を犠牲にしなければならない部分が出てくるでしょう。臨床がメインではなく下のスタッフの相談役になり、普段は管理者・教育者となる役割の人が必要かと思います。今の私の立場のように。でも今の私ではまだまだ力不足です。
 将来、看護師・保健師の資格を取り、そして公衆衛生学を深く学びたいと思っている私は、理学療法部門と看護部門の連携・協力体制の構築を将来行いたいと思っています。理学療法士は看護師の業務について知らな過ぎるし、その逆もまた然りです。双方を知り、お互いが働きやすい、そして患者にもっとも利益のある職場作りをしたい、と最近は考えています。
 なので、今やっているデスクワークの日々、案外、無駄にはならないのかも。

2011年5月22日日曜日

現時点での将来の目標

 医学には、1:治療医学、2:予防医学、3:リハビリテーション医学があります。将来の目標をここに書いてみようと思うのですが、その前に、この3種類の医学について書きます。

  1:治療医学
 治療医学とは、病気を治療するために系統立てられた医学であり、大きく分けると内科学(薬を使って病気を治す)、外科学(手術によって病気を治す)、物理医学(物理的エネルギーを使って病気を治す)の3つに分類できます。今は、内科は循環器内科や神経内科など、外科は呼吸器外科や消化器外科など、細分化されております。
  2:予防医学
 予防医学とは、病気になる前から、病気にならないように対策を講じるために用いられる医学の一分野です。労働環境や衛生などの公衆衛生学の分野や、食生活や文化などの社会学の分野、性教育などの教育学の分野など、いろいろな学問がここに応用されます。
  3:リハビリテーション医学
 病気や、病気による障害のために、社会参加や家庭復帰が制限される状態を、別の代替手段で解決しようとしたり、職場環境や家庭環境を改善させたり、障害者が暮らしやすいルール作りをしたりするために、医学的な考慮をする分野です。

 そして、それぞれの医学に携わる人々の例として、次のような職種があります。(括弧内はごく一部に限られた活動を行う職種)

  1:治療医学
 医師、看護師、(薬剤師、臨床工学技士、理学療法士、作業療法士など)
  2:予防医学
 医師、保健師、(理学療法士、栄養士、教師など)
  3:リハビリテーション医学
 医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚師、(ソーシャルワーカー、政治家など)

 私は1の中でも物理医学、そして3を行ってきました。そして、今後、進学して看護師・保健師の勉強をしようと考えています。今まで専門外だった予防医学や、医師の補助として治療医学にもう少し携わりたいからです。
 なぜ、予防医学なのか、と言うと、例えば、安全な飲み水が手に入らず、下痢で死亡したりする地域があると知り、病気を治すだけでは解決できない問題が存在するという事。障害を治療したり障害者を社会復帰させることだけでなく、障害の原因である病気を減らす必要性もあると感じる事が理由です。
 これは遠回りをしているようにも見えます。3つの医学、すべてやりたいなら医者になれば良かったのです。それを理学療法士、看護師、保健師と3つの資格をバラバラに取るのは奇妙に見えるかもしれません。しかし、理学療法士として働いてきたからこそ見える医者とは違った視点や、看護師・保健師の勉強をする中で得られるもの、というのはこの経路をたどった人にしか持ち合わせることができないのではないかと思います。
 少し、専門外の人には読みにくい内容になってしまいましたが、派遣約1か月前、いい機会なので書いてみました。

2010年12月29日水曜日

公衆衛生大学院

 先日、アメリカの公衆衛生大学院で公衆衛生学修士(MPH: master of public health)を取得された医師の講演を聞く機会がありました。留学のための基礎知識から、行った人にしか語れない大学院生活など、留学しようと思っている人にとっては非常に魅力的な講演でした。
 MPHのコースに入学する人は、医師が多いそうですが、それ以外の人も多くいます。看護師、保健師、薬剤師、栄養士、などの医療関係者だけでなく、経営者などの非医療従事者もいるそうです。それは、公衆衛生がカバーする領域が広く、産業衛生の分野では「いかに労働災害をなくすか」などで会社の経営者が学びにくることがあるのだそうです。最近はMPHのコースに入学する学生が減少傾向なのでアメリカの公衆衛生大学院は入りやすくなっているそうです。
 日本でもよく聞く、働きながら大学院で学ぶ、という制度もあります。40~50歳台の人が、病院で医師をしながらpart-timeで勉強に来ている事もあり、年齢層も幅広いようです。海外からの留学生はfull-timeで、アルバイトなどはなかなかできず、勉強に追われる、とのこと。演者の先生は、院での講義も含めて、1日8時間の勉強が11ヶ月間続いた、と話されていました。(アメリカでもMPHは1年で取得できるよう) まるで、医師国家試験の試験勉強をしている時のように、ひたすら勉強した、とのことでした。
 留学中はアルバイトができないので、お金はきちんと準備しておかないといけません。授業料や生活費などを含めて500万円ほどはかかる、とのことです。決して安くありません。しかし、その価値は絶対にある、とのこと。なかなかの大金が必要ですが奨学金制度の紹介もあり、フルブライトなど良く聞くものから、初めて聞くものまで情報を得ることができました。世界銀行も奨学金制度があるというのは知りませんでした。最近は、学生が減ってきている上、公衆衛生学はトレンドとなっているそうなので、奨学金はもらえやすい、とのことです。世界銀行の奨学金もあまり知られていないのか、応募している人はそう多くない(もちろん競争はあるが)かもしれないそうです。
 そして、入学のために必要な学力を証明するものですが、TOEFLとGREというテストがあります。TOEFLは留学のための英語力を見るもので、GREは一般学力を見るものです。GREは数学と国語(英語の)で、国語は極端に低い点数を取らなければ、外国人の点数はあまり重視しないそうです。GREよりもTOEFLの勉強が大変だったそうです。TOEFLとGREは足きりに使われる程度のものだそうです。
 もっと大事なのは、エッセイと履歴書(CV: curriculum vitae)で、志望動機や今後のことを高度な英語で書いて提出しなければいけません。自分が過去にやってきた実務経験・活動が非常に重視されます。これはアメリカ人でも、書いた後、プロによる英語の校正を受けるそうです。そこらへんの、英語ぺらぺらのにーちゃんに見てもらってもダメだそうです。
 そして、推薦状を最低3人に書いてもらう必要があります。これも重要で、自分のことを良く知っている人に書いてもらうことが必要です。ある程度、書いて欲しいことを持ってお願いに行くのがコツだそうです。
 これらの準備には手間と時間が非常にかかるそうで、留学が始まる前から、根気が必要なようです。入学すれば、後はやるかやらないかは自分次第。基本的に留学生には甘いらしく、よっぽどでなければ単位を落とすことはないそうです。ただ、大金を払っているので、 (留学生からどれだけお金を吸い上げられるか、という事を大学側は考えているそう)、怠ける人はほとんどいないそうです。いろいろな人との出会いもあり、刺激的で留学した人のほぼ100%が「行って良かった」「めっちゃおもしろい」と口をそろえて言うそうです。
 MPHを取得している日本人はまだまだ少なく、特に関西は少ないらしいです。(東京にほとんど集まっているらしい) 今回の講演を聞いて、ますますMPH取得に向けて勉強、そして活動をしようと思いました。大学院に挑戦するまでの間に、いろいろと活動したことを発表したり、学会誌に投稿したりして実績を積み、アピールポイントをたくさん作れるようにしていこうと思います!

2010年9月4日土曜日

長崎大学大学院 国際健康開発研究科

 今日は、JR灘駅から徒歩12分のJICA兵庫に行ってきました。これまで、JICA地球ひろば、JICA東京、JICA大阪に行ったことがあるので、JICAの施設はこれで4施設目です。で、思うのは、どの施設も非常にキレイで、デザインもモダンだ、という事です。いかにも、たくさんお金が使われていそうな印象を受けます。いろいろ叩かれているからでしょうか、「省エネのため、ご自身のハンカチで手を拭いてください」とトイレの手を乾かす機械の前に張り紙をしていたり、「便座のふたを閉めることで○○%エネルギーが削減されます。使用後を閉めて下さい」とウォシュレットに書かれていたりします。笑
 JICA兵庫に行ってきた理由は、今日ここで、長崎大学大学院の国際健康開発研究科の進学説明会があったからです。この研究科を開設するとき、文部科学省とのやり取りの中で、「これは日本でオンリーワンの大学院だね」と言われたそうです。たった1学年10人の研究科だけども、長崎大学の目玉として運営しているそうです。その理由の一つに、長崎大学の各学部・研究科から経験豊富な教授陣を集めて、さまざまな方面から教育を行っている、という事が挙げられていました。大学という縦割り構造の組織とは違う構造になっています。この構造は「公衆衛生学」という非常に守備範囲の広い学問を教えるためには必要不可欠な構造だと思います。
 その公衆衛生学ですが、(一般的な定義は省略するとして、)「医学では治せない病気をなくすことができる」と冒頭に研究科長がおっしゃっており感動しました。その例としてコレラの話を聞きました。昔、原因不明の下痢が大流行した際、患者の行動調査を行った結果、ある特定の井戸の水を飲んでいることが分かり、その井戸を封鎖することで患者をなくすことができた、とのことです。そしてその井戸から病原菌が特定され、治療法が分かった、というのです。研究科長は続いてこのような事をおっしゃられました。「こういう題材が途上国にはいっぱいある!」
 日本でこのような公衆衛生学を学べる大学院は長崎大学だけだ、とのことです。しかし海外では前述のこともあり昔から公衆衛生学の重要性は認められており、たくさん大学院があります。ただ、日本が公衆衛生学に関して実績がないか、というとそうではなく、母子手帳や寄生虫対策など、日本が自慢できる公衆衛生に関する活動もたくさんあるそうです。
 なんだかこの研究科で勉強したくなってきました。が、もう少し、自分のキャリアプランについては熟考する時間が必要です。慌てず、冷静な目で物事を判断していこうと思います。

2010年7月7日水曜日

一次試験で出た問い

「障害と開発」について、理学療法と関連させて答案を作成しなさい。
 次のように書きました。
 ↓
 「開発途上国では、先進国と言われる国においては死因とならない病気で人々は死亡する、と聞く。例えば、肺炎や下痢などで死亡する。このような生死に関わる問題を、様々な国や国際機関、NGOなどが改善しようと、多方面からアプローチしている。
 開発途上国が開発されていくためには、保健・医療、公衆衛生が整い、人々が健康であることを前提に、現地の人々が生産性のある活動をしていく必要があると考える。
 しかし、先進国においてもそうであるように、医学には限界があり、最善の治療を行っても、障害を残す可能性がある。また先天性障害を持って生まれる子もいる。障害を持っていても、自国の経済開発に貢献できるよう、理学療法士の知識と技術が必要である。理学療法により障害を治療したり、代償する方法を指導したりし、労働力となる道筋を対象者に示すことができれば、理学療法士として開発途上国の援助に携わったことになるのではないだろうか。

 患者さんを治すのではなく、その国を治す。大袈裟に言えばそういう事です。公衆衛生に関しては、様々な活動がなされていると思いますが、障害を治療し、社会復帰・職業復帰させることで、経済を盛り上げる、という活動はまだ成されていないと思います。実際にはそんなことできないから実践されていないのか、しようと試みる人がいないから行われていないのか。分かりませんが、誰もやってないから私もしない、というのではなく、新たなフィールドを築けたらいいんじゃないかと考えています。

七夕

 年に一度、七夕の日に会うことを許された彦星と織姫。もともと働き者だった二人が、結婚し、本業がおろそかになったことから、引き離されてしまったのです。「しっかり働けば、7月7日に会わせてやろう」という父の言いつけを守り、本業に精を出した、という事です。
 何事も、続けるには、それなりの報酬が必要です。報酬は、単に誰かからの「ありがとう」という言葉でもいい。彦星と織姫のように会う約束でもいい。もちろん、お金が大切という人もいてもいい、そう思います。
 最近の私が求めている報酬は、働き始めたころと変わってきました。最初は「ありがとう」と言ってもらえるだけで、自分が救われていました。治療効果なんて出ないので、自然回復を理学療法士のおかげ、と患者さんに錯覚させることで、「ありがとう」と言ってもらっていました。それには最初から気づいていましたが、そうでもして「ありがとう」と言ってもらい何とか精神の緊張を保ってました。しかし、最近は少し違ってきました。「これは自然回復」とはっきり患者さんに説明するようになってきました。治療効果を少しずつ感じるようになってきたからです。今は、治療効果がどれだけ出るか、を仕事に対する報酬にしています。
 将来は、開発途上国で教育に携わりたいと考えています。どう教育に関与するかは未定です。現場に立つのか、管理側に立つのか、立場は様々です。何を教育するのかも、まだよく分かりません。しかし、刻々と変化する自分の状況を常に評価しながら、自分が今やるべき事を見失わないようにし、短期目標、長期目標を立てて、人生を歩んでいきたい、と思います。

2010年6月16日水曜日

プログラムのスパン


 国際協力の現場で働いたこともないし、見たこともない私には、想像の世界ですが…、ある国際協力に関するプログラム・プロジェクトの実施期間というものは、1年や2年ではなく、5年、10年、もしくは15年やそれ以上など、長いスパンで行うものが主だと、思っています。なので、一つのプログラムが終わり、次のプログラムへ移った後、そのプログラムが終わるまでには20年や30年かかる、といったことも起こりうる世界なのだ、と思うようになってきました。
 私は、プロフィールに書いた通り…、公衆衛生学の専門家として「病気を減らすプログラム」を行い、その後、理学療法士として「障害の治療法の伝授・障害者のリハビリテーションの概念の普及を行うプログラム」を行いたい、と考えています。つまり、今までは、この2つのプログラムに関われるキャリアプランを模索しているわけですが、どうやら前述のごとく非現実的なのかもしれません。
 そこで、2つのプログラムにずっと携わる、というのではなく、病気と障害の両方の知見を生かすことができる立場に立てるようにならなければいけない、という結論にとりあえずは至りました。現場ではなく、プログラム立案のレベルで関わっていかないと、せっかく2つの専門性(公衆衛生と理学療法)があっても生かせる機会が少なくなってしまいます。
 しかし、現場を知らなければ、プログラム立案を行うにもイメージが湧きにくいと思います。現場の人に「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだっ!」というような事を言われかねないです。苦笑 だから、現在応募中の青年海外協力隊としての活動に意味があるのだと思います。期間は2年間で、何かを成し遂げるには任期が短すぎます。まぁ、後任の人が来るんですが。国際協力師を目指す者としては、現場を知るチャンスであり、自分の実力を存分に発揮し、その結果をみて自己評価するチャンスでもあります。
 ちなみに、先日の「国際協力キャリアフェア」で、JICAさんのセミナーに参加させてもらいましたが、こんな事を言っていました。JICA職員は2年毎に異動があり、その際は今まで関わっていたプログラムやプロジェクトを後任に引き継ぐ。という事でした。やはり、国際協力の現場で一つのプログラムにずっと関わりっぱなしになる事はないようです。JICA以外での機関でもそうなのかは、まだまだ情報収集しないといけないところですが、自分の専門性をできるだけ広く・多く提供できる道を探したいと思います。