毎年9月8日は「世界理学療法の日」です。この日に合わせて、World Physiotherapyは様々はプロモーションを行います。毎年、テーマを決めてポスター等を作成し、近年では、そのポスターの翻訳合戦(?)がすごいです。今年はポスターが公表されて1週間でまずモンテネグロ語が一番乗りで翻訳しました。その語、フランス語(12日)、スペイン語・ブラジル語(13日)、アラビア語(14日)、ハイチクレオール語・ベトナム語(15日)、ルーマニア語・ポルトガル語(17日)、韓国語(19日)、バングラ語(20日)、ノルウェー語(21日)、…と続き、現在34言語に翻訳されています。スワヒリ語やマラティー語なんかもあります。日本語は…まだなようですが日本理学療法士協会JPTAが翻訳協力者を募っていましたので、今も頑張っているのでしょう。(毎年9/8に間に合っていないような…)
今年のテーマは「Rehabilitation after COVID-19」です。日本ではまだあまり浸透していないテレヘルス(遠隔医療)についても触れられています。ここでは、一部のポスターの日本語訳を公開し、残りはJPTAが正式に出すのを待とうと思います。
Infographic 1 |
新型コロナウイルス感染症の回復に向けた運動プログラムを理学療法士が立案します。
運動は新型コロナウイルス感染症の回復に重要な要素です。自身のペースで行いましょう。運動の専門家として理学療法士は以下のような効果のある運動を指導します。
・体調を整える
・息切れを軽減する
・筋力を強化する
・バランスを改善する
・思考能力を上げる
・ストレスを軽減する
・自信をつける
・体力がつく
体力を取り戻し、呼吸機能を改善させるために、運動を継続的に行いましょう。運動の記録を取ることも良いでしょう。
きつい運動を時々するより、軽い運動を定期的に行う方が有効です。以下のような運動をしてみましょう。
・立ち座りの運動
・足踏み
・階段を上る
・散歩
・踵上げ
・つま先上げ
・片足立ち
・壁に手をついての腕立て伏せ
理学療法は新型コロナウイルス感染症の回復のカギとなります。極度の疲労感や息切れなどの不調を感じた時は、運動を中止し理学療法士に相談しましょう。
Infographic 2 |
(訳)
新型コロナウイルスに感染した重症者の回復のためには
新型コロナウイルス感染症の重症例では、人工呼吸器や酸素投与が必要になり、長期間寝たきりになります。そこから回復するにはリハビリテーションが必要です。重症者の症状には以下のようなものがあります。
・肺の機能が低下
・重度の筋力低下
・関節のこわばり
・全身倦怠感
・活動範囲の制限や日常生活の制限
・頭がもうろうとしたり混乱する(せん妄)
・飲み込む力が低下したり意思疎通がうまくいかなくなる
・精神的なサポートが必要な状態になる
理学療法は新型コロナウイルス感染症の重症者のリハビリテーションの重要な一部です。重症者は身体的、精神的、社会的に様々な障害に遭遇するリスクがあります。
理学療法士は早期に以下のようなリハビリテーションを開始します。
・早期離床し寝たきりを防止
・簡単な運動から開始
・日常生活動作の獲得
・肺の機能の回復
・呼吸法の指導
・全身倦怠感の改善
・運動と休憩のバランスの取れたプログラムの提供
重度の感染症から回復するには多くの時間が必要です。理学療法士は回復の手助けをし、患者さんに合った優先度の高い項目から支援を行います。理学療法士は多職種連携で患者さんをサポートします。
理学療法士は運動能力の改善や活動性を上げ、日常生活に復帰するお手伝いをします。