理学療法士→青年海外協力隊→日本で臨床をしながら緊急援助について学ぶ(現在)→大学院?→国際協力をライフワークに
2011年3月11日より発生しました東日本大震災において、犠牲になられた方々に心よりご冥福をお祈り申し上げます。 また被災された方々に対しましては、お見舞い申し上げるとともに、一日でも早くの復興を応援・支援させていただきます。
2016年4月16日より発生しております熊本地震において、亡くなられた方に心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。

<祝>当ブログの読者Y.Kさんが青年海外協力隊(24-1 モンゴル)に合格した、という非常に嬉しい知らせを受けました。おめでとうございます。
<祝>当ブログの読者で青年海外協力隊を目指すMIDORIさんが理学療法士国家試験に合格した、というおめでたい知らせを受けました。もう同じ臨床家です。お互い頑張りましょう。
<祝>当ブログの読者KENJIさんが青年海外協力隊(25-2 タイ)に合格した、というまたまた嬉しい知らせを受けました。おめでとうございます。
<祝>募集説明会で体験談をお話させて頂いた方2名も青年海外協力隊(モザンビーク、ベトナム)に合格したと再会時に報告がありました。おめでとうございます。
<祝>2013年JOCVリハネットセミナーで私の活動報告を聞いてくださったA.Kさんも青年海外協力隊に合格されました。おめでとうございます。
<祝>国際緊急援助隊に当ブログを見て興味を持って頂いたOTさん、青年海外協力隊説明会でお会いしていたOTさん、フェイスブックで私を見つけて質問して頂いたPTさんが仲間入りしました。みなさん青年海外協力隊経験者でした。

青年海外協力隊  体験談&説明会
  *当ブログの作者(ドミニカ共和国、理学療法士)は今回の春募集では体験談を話に行くことができませんが、興味をお持ちの方はぜひお越しください。私に質問がある場合は、関連する記事のコメント欄に質問いただければ、回答いたします。

国際緊急援助隊(JDR)医療チームへの参加に関心のある方へ
  *JDR医療チームはWHO EMT InitiativeのType2認証を受けており、リハビリテーションの提供が求められるチームとなっています。理学療法士・作業療法士で関心のある方、仲間が増えるとうれしく思います。

2017年5月27日土曜日

【WCPT News】 完全版 2017/5/26 参加者で作り上げるIndabaセッション

新たな出会いと閃きの場、WCPTケープタウン大会ではネットワーク作りや情報共有が盛んに行われるでしょう。

 アフリカの言葉にIndabaという会議や集会を表す言葉があります。小グループでの議論を行い、様々な視点からの考え方を共有します。

 すでに準備できているプログラムもありますが、いくつかのプログラムでは、これから参加者自らが作り出していくものもあり、それにより今大会のプログラムは完成となります。

 WCPTの職能政策部長Tracy Buryは「Indabaでは参加者はリラックスした雰囲気で形式ばらずお互いの意見を交わすことができます。」と述べています。

 「私たちはアフリカ流のテーマ別集会所のようなものを展示ホールに設けようと考えています。情報共有や人脈作りの新たな方法です。世界の理学療法士たちがこの機会を活用し、今取り組んでいる課題を共有し、協力し、解決策が見つかることでしょう。」

 参加者は発表したいアイデアを提出しセッションを設けることができます。締め切りは6月2日金曜日、採用された方には6月9日金曜日までに連絡が来ます。

 Indabaセッションには3つのタイプがあります。

1、問題解決のためのグローバルな視点

 何か課題に取り組んでいるのなら、グローバルな視点で考えてみましょう。ローカルな課題でも、世界中からの参加者の経験を集めて問題解決に取り組むのです。

 訪問サービスをより効率的・効果的に行うにはどうすればいいか悩んでいませんか? 同僚に魅力をうまく伝えることができていない技術などはありませんか? 学生に対する臨床教育にあなたは悩んでいるかもしれません。そうであれば研究能力を高める必要があるかもしれません。これらはほんの一部のアイデアに過ぎません。

2、ひらめき

 これまでに専門職ならではの閃きをしたことがあるなら、あなたの頭の中にあるアイデアや閃きのきっかけをシェアしてください。

 あなたの考えを変えたきっかけは患者、論文、PTや他職種の人など様々でしょう。おそらく、理学療法とは全く関係のない人との出会いが新たな道を開いてくれたのではないでしょうか。

3、外国語

 母国語であれば何か発言したい、より楽に話せるということもあるでしょうから、Indabaでは世界中からの参加者のために英語以外の言語での議論をサポートします。

 「この新たな取り組みには非常に期待しています。ぜひ参加者には様々なアイデアを出し合ってもらい、Indabaセッションに命を吹き込んでもらいたいと思います」とTracyはメッセージを述べています。


【使われていた英語表現】

・indaba
 アフリカの言葉で、何か重要なことを話し合う会議のことを指す

・‘kitchen table’ discussions
 

・‘points of view’ exchanges
 見る点の交換→異なる視点からの意見交換

・themed meeting
 特定のテーマを持った集まり

・delivering services
 訪問サービス

・Lightbulb moments
 

・pivotal
 とても重要な

・bring it to life
 生き生きしたのもにする、興味深いものにする
 *本文ではitはthis new format=indaba session


【あとがき】
新たな学会の形としてindabaセッションが設けられるようです。テーマはhttp://www.wcpt.org/wcpt2017/indaba-sessionsで見れます。インフォーマルで言葉の壁もなく、と説明されていますが、通訳を配置するんでしょうか? どこかに情報があれば、また共有いたします。

2017年5月6日土曜日

【WCPT News】 完全版 2017/5/3 <会長ブログ>残り2年の任期を前に

 2年前、シンガポールにおいて副会長にMargot Skinnerが、会長に私が選出されました。私たち二人は他の新役員とともに新たな旅立ちに出たのです。

 任期の4年の内、もう半分が過ぎてしまったとは信じられません。前役員の仕事を引き継ぎつつも、この2年間でWCPTは大きく変わりました。



外との繋がり

・初めて私たちは、WCPTの戦略的計画についての国際協議を終えました。世界のPTやPT組織が未だかつてない程、この計画に関わっています。

・私たちは、WHOとのつながりを強化するために計画的に仕事をしました。特にWHO「加齢と人生」とWCPTサブグループIPTOPの連携や、リハビリテーション2030に参加しているWHO「障害とリハビリテーション」とのつながりを強化しました。WHO「障害とリハビリテーション」は国際的なリハビリテーション共同体を作ることに賛同しています。

・私たちは、パートナーシップ構築計画を引き続き行います。すでに結んでいるパートナーシップの見直し・整理や、INPTRAやHandicap Internationalとの覚書を交わしました。

・WCPTの認定制度は、私たちが想像していたよりも早く形になってきています。世界中の教育機関に対して質的保証を行うことに大きな意味があります。

昨年5月、成都市と昆明市の理学療法課程に認定書を授与する際、Margot Skinnerが中国を訪問

内部の見直し

・WCPTはこの時代の国際機関の中では最も優れた運営をする団体を目指しています。そのため組織の構造や資金や経営に関して見直しを進めるとともに、現在進行中の内政の見直しも継続します。

・初めてWCPTは戦略的事業計画をすべて原価計算で行いました。

・新たなメンバーとしてJonathon Kruger (最高経営責任者)、Sidy Dieye (プロジェクトマネージャー), Héðinn JónssonとBirgit Mueller-Winkler (職能アドバイザー)、Deborah Williams (財務部長)、Atim Henshaw (業務支援係), Kiran Acharya (渉外担当)が加わりました。

・財務・会員・認定の3つの部門が新設されました。

・WCPT各支部長5人とWCPT役員が会合で集まった際に、各地の支部との連携や統制をいかに行うか話し合いがされました。各支部長は今後、WCPT役員会議に出席することになります。

・役員憲章や運営ガイドラインを作成し、新たな枠組みでの経営を行えるよう今月、役員会議で話し合い、承認されることを目指しています。

Xerri de Caro博士がEl-Adawi教授とSaab博士と会談、2016年9月

これからの展望

・SUDAプロジェクト(マリ、ニジェール、セネガルの職能団体および教育プログラムの発展を支援する活動)に、支援金を送りました。能力開発をサポートする外部基金を発掘していく計画の第1号となりました。

・メンバー組織からのリーダーシップに関する研究や事例を活用して、WCPTは次世代のリーダーを育成するグローバルリーダーシップアカデミー開催に着手しました。

2016年4月、北米・カリブ地区WCPT年次会合でStacy De Gale(中央)とMargot Skinnerとともに

 経営改革におけるソートリーダーのWilliam L McCombは「改革は点ではなく線だ」と言います。
 メンバー組織や各地のWCPT支部、サブグループなどのニーズに応えるため、私たちは常に進歩しようと努力しています。
 この2年は忙しくも実りのあるものでした。いつも最善の方法を取っているとは限りませんが、常に成長と発展を目指し、世界中のPTが繋がりを感じられる組織になれればと考えています。
 これからの2年、皆さまに刺激的な機会を提供できるよう努めてまいります。


【用語解説】

・WHOのプログラム・プロジェクト
 計画や企画、事業などをprogramと言ったりprojectと言ったりします。同義語のように使われることもありますが、国際協力の世界などでは区別されています。小さな、例えば地域を限定したような事業はprojectと言い、projectが集まってできたものがprogramとなります。WHOには多くのプログラムやプロジェクトがあります。Aging and Life-CourseやDisability and Rehabilitationはその例です。
(参考)

・WCPTサブグループ
 WCPTとは別の組織だが、一定の要件を満たした理学療法に関する国際的な団体。各団体が自らWCPTに申請を出し、サブグループとして登録してもらう方式。
 本文に出てきたIPTOPは「高齢者のための理学療法国際団体」のことです。
(参考)

・リハビリテーション2030
 リハビリテーションのニーズは世界中で高いが、低中所得国では十分なリハビリテーションが提供されていません。WHOのプロジェクト「Disability and Rehabilitation」ではこの需要と供給のミスマッチを是正するため、リハビリテーション2030というアクションプランを立てました。
 WHOは以前、Global Disability Action Plan 2014-2021というものを発表しましたが、持続可能な開発目標(SDGs)のゴール3に対応するより幅広い内容のプランが必要だ、ということで2030年までに達成したい目標を設定しました。
(参考)

・SUDAプロジェクト
 Handicap Internationalという団体とWCPTが2018年1月までの予定で行っているプロジェクト。対象国となっているマリ、セネガル、ニジェールは紛争地区で障害者が多く、リハビリテーション職種に求められるものを大きいと言われています。
(参考)

・グローバルリーダーシップアカデミー
 WCPTのStrategic Plan 2017-2021の中で何度かleadership academyを開校し、可能ならWCPTが提供する生涯学習教材としてMOOCs(Massive Open Online Courses、大規模公開オンラインコース)展開したい考えのようです。
(参考)

・ソートリーダー
 Thought leaderとは自分の哲学や考えを表明して、ある特定の分野でリーダーシップを取っていく人(もしくは組織)を言うのだそうです。単なるリーダーとは違い、時代を先取りし、人と人の間に議論を引き起こすような活動をする人を指すようです。


【使われていた英語表現】

・unprecedented
 前例のない

・consortium
 協会、共同体
 *tiumの所の発音はティアムよりもシアムが普通のようです。

・memoranda of understanding
 各書、基本合意書
 *memorandaはmemorandumの複数形です。

・accreditation
 認定

・contemporary
 同世代の、同時代に存在する

・charter
 憲章

・explicit
 明白な、腹蔵のない

・draw on
 (知識、経験、技術など)を活かす


【翻訳のウラ側】

・Transformation is an era, not an event.
 Transformationは直前に出てきたchangeと同義ですが、やや堅い表現になります。同じ単語の繰り返しを避けるために言い換えていると思われますので、「改革」とそのまま訳出しました。
 eraは時代、eventは出来事、ですが、これは時間的幅の比喩表現と読んで、それぞれを「線」と「点」というように訳出しました。後の文の、常に変わり続ける、という内容にも合っていると思います。
 (訳例)改革は点ではなく線である。

・We are a constant work in progress.
 初見ではこの文章の意味がよく分かりませんでした。workを「仕事」と捉えて「私たちは絶え間ない仕事」となり日本語としておかしかったので、英文の方の誤植か、と思ってしまいました。
 困ったときはtwitterで同じ表現を使っている人がいないか検索して、どういう文脈で使用しているのかを調べてみる方法を時々取ります。今回もa constant work in progressと検索ボックスに入力して、世界中のツイートを見てみました。すると比較的よく使用する表現のようで、ツイートを読んでいると、いつでも学ぶ姿勢がある、という意味のようです。
 文を分析すると最後のwork in progressが一塊で、「作っている最中の作品」という感じです。人に対して使われているので、「まだ未熟で学んでいる最中」という意味になると思います。それにconstantがついて「一生勉強」に近い意味になるのではないでしょうか。
 (訳例)私たちはこれからも学び続けていきます。


【あとがき】

 今回の会長の記事は、知らない内容が多く、関連のレポートなども読みながら訳しましたので、非常に時間がかかりました。解説も多く載せましたので、合わせてご覧ください。
 関連レポートを読んでいると、どこそこの分野の研究が足りていない、などの問題提起がされています。研究者の方は、自分がしたい研究より、求められている研究をしてほしいな、と思うときがあります。何が求められているかは、WHOなどのレポートを読むと分かることがあるんだと学びました。

2017年5月1日月曜日

Rocket Language

PCでのメイン画面
スペイン語の勉強の導入はロゼッタストーンでした。昨年、フランス語を始めるにあたり、ロゼッタストーンも良かったのですが、別の教材を試してみることにしました。それが、Rocket Languagesのフランス語コース「Rocket French」です。これは、New York Timesなどでも取り上げられた英語圏では有名は教材のようです。たまたま13周年記念か何かでセールをしていて194USドルで全レベルまとめ買いしました。

 公式ウェブページに書いている特徴は、

 1、スマホなどでいつでもどこでも、隙間時間に勉強できる
 2、文法も学習できる
 3、聞き取り、書き取り、ロールプレイ、クイズなどで脳へ定着させる
 4、自分の発音を録音し、ネイティブに近づく
 5、効率的な学習技術を採用
 6、講師や他の学習者などとのネットワーク
 7、楽しみながら、モチベーションを保つ

ということです。

 レベルは3つあり、各レベルにモジュールが8つずつ程あり、さらに各モジュールには8~15程のレッスンがあります。各レッスンには、PDFのテキストと、音声データがダウンロードできるようになっており、さらにオンラインでクイズ(聞き取り、書き取り)や自分の発音の録音などができます。

 基本的にフランス語を話せるイギリス人男性が話を進めながら、フランス語が母国語の女性がお手本の発音をしてくれます。つまり、英語でフランス語を勉強するスタイルです。

 私の使い方は、印刷したテキストを見ながら、学校で講義を聞いているかのように音声をiPodで聞いています。PDFテキストの余白にいろいろ書き込んだりしながら、自分流のテキストを作るような形でやっています。文化などのコラムも面白いです。

 ちなみにこのRocket Languagesにはフランス語の他に、スペイン語・イタリア語・ドイツ語・ヒンディー語・韓国語・中国語・ポルトガル語・ロシア語・日本語・アラビア語・アメリカ手話のコースがあります。今のところ、このRocket FrenchとNHKのラジオ「まいにちフランス語」とテレビ「テレビでフランス語」を通勤中や昼休み、お風呂の時間などにやっていますが、着実にいろいろ覚えてきていると感じます。もともとスペイン語をある程度習得しているので、フランス語の動詞の活用や、修飾方法、代名詞の位置など馴染みのある共通部分もあり、そのおかげで分かりやすい部分も多いです。

 あっと言う間にフランス語を始めて1年が経ちました。これからもフランス語の学習は続けていくつもりですが、実は今、中国語の勉強も始めました。ロゼッタストーンがキャンペーンで81%offだったからです。本当はもう一つ気になっている教材にRadio Lingua NetworkのCoffee Breakシリーズがあったのですが、ロゼッタストーンの強気セールの誘惑に負けました。(笑)

 みなさんの語学学習の教材選びの参考になれば幸いです。

(参考)
ロゼッタストーン
ロゼッタストーン:スペイン語レベル1終了

2017年4月29日土曜日

Sphere Handbook 2018年版発行に向けて改訂作業中

スフィアハンドブックは2000年に第1版、2004年に第2版、2011年に第3版が発行され、各版は日本語に翻訳され公開されてきました。

(参考)スフィアハンドブック第3版 日本語版

 そして今、第4版の2018年夏発行を目標に改訂作業が行われている最中で、その草案が先日公開されました。草案公開に合わせて、変更点などを共有しディスカッションするために、ウェビナー(web + seminar = webinar)が開催され、私もリアルタイムで参加しました。

(参考)ウェビナーの模様 Revising the Sphere Handbook: What is new and how you can contribute

 人道憲章(the Humanitarian Charter)や基本理念などの大きな枠組みは変更されませんが、「スフィアとは?(What is Sphere?)」の部分の内容が増強されます。

 そして、すでに発行されている他のガイドラインとの整合性を向上させるよう配慮されているようです。例えば「人道支援の必須基準(Core Humanitarian Standard)」はスフィアハンドブック第3版が発行された後の2014年に作成され、第4版ではその「9つのコミットメントと基本行動(9 Commitments and Key Actions)」はそのまま「コア基準(the Core Standards)」の章に受け継がれるようです。

 また、翻訳された時に、正しく理解してもらうため、分かりやすい言葉を使うように努めているようです。ちなみに日本語版の作成は第2版と第3版で別の団体が行っています。第4版は誰が翻訳するか分かりませんが、簡潔な英語で書いていただいていると翻訳者は助かりますね。

 各章の構成も新しくなっています。指標と目標値を別に記載し、特定の数値(specific numbers)を書かずに参考値(threshold)を記載するに留め、状況に応じて目標値を考えるようにされています。

 大枠の変更の他に、各章の改訂もされていますので、下記のページの後半にあるGet the draft standardsから確認してみてください。

(参考)改訂版草案1 http://www.sphereproject.org/handbook/revision-sphere-handbook/draft-ready-for-feedback/

 このウェビナーはAdobe Connectを使って行われました。参加人数や参加者の名前がサイドバーに表示され、プレゼンテーションを聞きながら、コメントのやり取りもできます。リアルタイムで質問して発表者が答えたり、後日返答したりすることができるシステムです。今回は参加者が110人前後を行ったり来たりしていました。参加者の名前を見ていると日本人らしき名前は私ともう一人いました。ちなみに発表者の一人は日本人だったのですよ。

 コメント欄には英語での書き込みの他、フランス語も使用されていました。数回アラビア語かな、という書き込みもありました。スペイン語では誰も発言していなかったと思います。こういう国際的な場での言語はやはり英語とフランス語なのかな、と感じました。

2017年4月23日日曜日

災害医学とリハビリテーション(DM&R)

物理医学におけるリハビリテーションは、私たちが日々臨床で行っている理学療法・作業療法という形で発展してきましたので、「物理医学とリハビリテーション(Physical Medicine and Rehabilitation, PM&R)」科という長い名前の診療科がアメリカにはあります。日本で言うリハビリテーション科は正しくはPM&R科なのですが、日本には物理医学がきちんと入ってこなかったのでPM&Rという言葉は馴染まなかったようです。

 今、WHOもマニュアルを作っていろいろ動きがあるホットな分野に、「災害医学におけるリハビリテーション」があります。世界中で様々な災害が起こり、各国の支援チームが緊急援助を行っています。発災初期からのリハビリテーションにまで対応できるチームの発足が必要と認識されてきており、WHOが緊急医療チームの認証制度を作っています。日本のJDRはリハビリテーションにまで対応できるチームとして認証されており、災害におけるノウハウの整理や研究が必要だと今後は思います。

(参考)・JDR(国際緊急援助隊)医療チーム 導入研修

 災害医学におけるリハビリテーションが発展し、ノウハウが蓄積されてくれば立派なリハビリテーションの一分野となると思います。その時は、私としてはリハビリテーションの歴史の流れに乗って「災害医学とリハビリテーション(Disaster Medicine and Rehabilitation, DM&R)」と名乗って欲しいな、と思っています。

 このDM&Rの発展のために研究会を立ち上げました。今後、様々な活動を行えるようにしていきたいと考えています。JDRやJRAT、災害医学に興味があるPT・OTなら登録して頂けます。登録希望の方は下記の登録フォームからお願いいたします。(停止中)

(参考)・災害医学とリハビリテーション研究会 新規登録フォーム

 様々な活動と書きましたが、実際はまだまだ模索段階です。現在はメーリングリストを利用した情報共有や意見交換が中心です。今後は、勉強会を行ったり、WHOのマニュアルを翻訳したり、メンバーの皆で記事を書き合ってウェブサイトを立ち上げたり、などを考えています。仲間が増えることを心から願っています。

2017年4月17日月曜日

国際リハビリテーション研究会キックオフミーティング(2017/4/16)に出席して

WCPT Photo Competition 2012
 「国際理学・作業療法学(案)」という記事を書いてから随分と時間が経ちました。少しずつその中身を作り上げて行こうという計画でしたが、実際はほとんど進んでいません。そのような折りに、国際リハビリテーション研究会キックオフミーティングが東京で開催されました。そこには協力隊同期が私の他に三名も参加しており、同窓会のようで楽しめました。この分野に熱い隊次なのだと再確認できました。

 このミーティング(主催者はセミナーではないと強調していました)では「国際リハビリテーション学」という学問を自立させるべく研究会を立ち上げ、過去の実績や経験・技術をまとめたり、積み上げたり、学術的に発展したりするためにはどうすれば良いかを考える会でした。

 国際看護学というのは国が定めるカリキュラムに組み込まれており、国家試験にも国際関係の問題が出題されているようです。「国際」と付くと海外での支援活動を想像するかもしれませんが、国際看護学という学問の狙いはそこではありません。「国際看護学を学ぶことでより良い看護を提供することができる。なぜなら看護の対象は『人間』であり、背景に様々な文化、風習、宗教、価値観を持っている。幅広い視点から対象者を見ることは国内外を問わず看護を行う上で重要である」ということだそうです。

 これは看護をリハビリテーションに置き換えて読んでも違和感はないと思います。この観点から「国際リハビリテーション学」を解剖していくと、
 宗教とリハビリテーション
 文化とリハビリテーション
 政治とリハビリテーション
 経済とリハビリテーション
 開発とリハビリテーション
 災害とリハビリテーション
などに細分されるのではないでしょうか。

 「国際」と言われてよく想像される青年海外協力隊は、もともと私たちが持っているリハビリテーションの知識・技術に、上記の宗教・文化・開発などの知識を組み合わせて活動しているものだと私は考えます。もし役所に配属されるなら政治を知らなければならないでしょうし、貧困削減が上位目標にあるなら経済・開発を知らなければなりません。

 災害に関しては、災害の種類によって、例えば、地震・津波・洪水・火災・干ばつ等にさらに細分化されるのかと思います。この辺りはまたJDRの研修などを通して考えていけたらと思います。

 このような事を私は想像していたのですが、今回のミーティングでは、国際協力を主軸に置いた考え方のようでした。協力隊などでの活動をいかに学問的に残すか、事例を蓄積していくかを重点課題としているようでした。国際協力だけを対象にするならば、「国際リハビリテーション学」という冠は仰々し過ぎると思います。実際は国際協力だけを取り扱うわけではないでしょうが、一日しかない今回のミーティングではそういう印象でした。

 同期とも話したのですが、「国際」も「リハビリテーション」も扱う範囲が広く漠然とした概念です。二つ合わせて新しい概念ができるかと言うとそうではなく、今ある知識や技術の寄せ集めになると思います。寄せ集めた中から、使えそうなものを選び出し関連付けていくという作業になるのではないでしょうか。

 そもそも理学療法も、解剖学・生理学・運動学などの元々ある学問を基礎に、病気を考慮して行ってきたものであり、すなわち寄せ集めです。AKA-Hも独自の発見はありますが基礎は、解剖学・運動学・関節生理学・組織学などの元々ある学問です。寄せ集めて体系化する作業は大きな苦労を伴うと思いますが、国際リハビリテーション学というものを普及させるには誰かが舵を取らないといけません。

 ミーティングでは、主催者は「外枠は作った。中身はまだない。これから皆で作り上げて行く」と述べていました。しかし、前述のように中身となり得るものはすでにたくさんあって、今まで外枠がなかっただけだと考えます。その外枠を慎重に作らないと今後、混乱するのではないかと思います。外枠の議論がまだまだ必要です。中身はその後でいいので慌てずに外枠作りをしないといけないと思います。

 リハビリテーションは単独では存在しません。理学療法も作業療法も「物理医学とリハビリテーション(PM&R)」という名の下で発展しました。言語聴覚療法は「耳鼻咽喉科とリハビリテーション」。このような流れに倣うと、「宗教とリハビリテーション」「開発とリハビリテーション」など、国際リハビリテーション学には先に述べたような様々な『とリハビリテーション(and rehabilitation、&R)』が出現しそうです。

 「宗教とリハビリテーション」という外枠があれば、そこに過去の宗教に関する経験を蓄積していくのです。イスラム教徒の患者に対して行った配慮、キリスト教徒の患者の対応での失敗談、土着宗教の例、などなど。

 DALYsやジニ係数などは「経済&R」、持続可能性や適切技術や就労支援などは「開発&R」、医療制度などの政策がらみは「政治&R」。計画立案やPDCAなどはリハビリテーションとは直接結び付かないので&Rからは切り離した方がよいのかな、と思います。

 この&R案はまだまだ改良の余地があると思います。受け入れてもらうにはもう少し洗練させないといけないでしょう。今年11月に第1回学術集会をやろうと企画しているようですので、そこで改訂版&R案を披露できたらいいかな、と考えています。いろいろな人の意見も取り入れて作っていこうと思います。ご意見ございましたら、是非コメントをお願いいたします。

2017年3月31日金曜日

【WCPT News】完全版 2017/3/30 WCPT段ボールを使った共同プロジェクトに支援

 技術は進歩し装具や補助具の大量生産ができるようになりましたが、既製のサイズだけでは個別のニーズに応えられないことが多いです。

 ニューヨークにあるAdaptive Design Associationは国際的なヘルスケア団体とチームを組み、不要になった段ボールを使った補助具の作成に取りかかりました。

 このプロジェクトのチームにはWCPT、グラスゴー・カレドニア大学、WCOTが入っています。世界中の障害を持つ子供や大人、機能低下のある人が自由に動けたり、自立した生活ができるようになるのが目標です。

 グラスゴー・カレドニア大学のTracey Howeは「私たちが大事だと考えていることがあります。それは一人として同じ人はいないと言うことです。ニーズもみな違います。置かれている環境もみな異なります。しかし、市販されているものはフリーサイズのことが多いです。」と述べています。

 理学療法士のHoweが最初にADAを知ったのは2016年にウインストン・チャーチル奨学制度でニューヨークにいた時でした。Alex Truesdellを中心に1998年からオーダーメイドの補助具を作ってきました。

 Adaptive Design Globalではデザイナーがあらゆる形やサイズのシーティング装置や脊柱サポーターなどを作ります。
 
 「このプロジェクトの素晴らしい点はオーダーメイドであるという事です。人が中心であり、チームで作られます。チームとは家族や教師、セラピストであり、何が実現可能か、何をしたいか、などを考えながら作製します。

 WCPTのEmma Stokes会長はこのプロジェクトを歓迎しています。「WCPTがこのプロジェクトに関わることができるのは非常に嬉しいです。この分野に理学療法士は多いに貢献できるでしょう。」と言っています。

 「プロジェクトは国際団体が掲げる使命や目的を果たすものです。この高度な新たな取り組み、未来を見据えた取り組みは世界中の関係職種に影響を与えるでしょう。」

 グラスゴー・カレドニア大学で理学療法学科を取りまとめているFiona Moffattはオーダーメイドの良さの例を挙げました。「例えば脳性麻痺の子供のために作られた車いす用のテーブルがありますが、既製品では上肢の緊張が高く、腕が外に飛び出してしまいます。そこで腕が納まるように横に窪みを作り、腕が落ちないようにしました。簡単な工夫です。しかし、これは市販のものではできない、オーダーメイドならでは事例です。」

 ADAは段ボールの補助具を作ることですでに大きな成功をしています。セラピストとデザイナーが作ってきた製品は毎日の使用にも10年以上耐えています。プラスチックやアルミニウム製に比べて、段ボール製の方がより快適でかつ涼しく、軽いです。またリサイクルもできます。

 「今や、どこを見ても段ボールがあります。みんな街で段ボールを見かけたら写真を撮って送ってきてくれます。」とHoweは言っています。

 今はまだ挑戦の途中です。今年の初めにADGは100万ドルの支援をMacArthur基金から得るために、他の2000のプロジェクトと競争しました。

 この戦いには敗れましたが、チームの野望が薄らぐことはありませんでした。補助具をオーダーメイドすることの秘めたる可能性を広く認識してもらうために、Howeは教育プログラムを改変し、世界中に広がるようにしようと考えています。

 「毎年、非常に多くのセラピストがオーダーメイド補助具の重要性に気がついてくれました。世界中に広まるまでには、まだまだ時間がかかるかもしれませんが、今までに10万人ほどのセラピストが新たに賛同してくれました。

 私たちは、各大陸にスペシャリストを置いたハブを作りたいと思っています。たとえ小さな村であっても、段ボール補助具を作ることは可能でしょう。しかし、どんなに優れた職人がいても、段ボールを使って補助具を作製するという発想はないでしょう。」と彼女は話しました。


【使われていた英語表現】

・back 
(動詞)支援する、支持する

・cardboard 
段ボール

・adaptive 
適応性のある

・one-size-fits-all
フリーサイズ

・overlook
見落とす

・identical 
同一の、全く同じ

・under the leadership of
~の指揮のもとで

・cascade down to
~に段階的に伝わる、流れる

・offer an example
例を挙げる

・tray
車イス用のテーブル

・gutter 

・custom-made
オーダーメイドの
※order-madeとするのは誤り。

・in contrast to 
~と比べて

・one of scale 
いくつかの段階の内の1つ

・compete with ~ for ~ 
~を得るために~と競う

・bid
企て、努力

・undimmed
dimmed(薄らぐ)に否定のunが付いている

・provision 
用意、食糧

・thousands of
何千の、(概数的に)非常に多くの

・awareness 
気付くこと
※英英辞典にはknowing that sth exists and is important、つまり「大切だと気付くこと」


【リンク】

・原文
http://www.wcpt.org/news/adaptivedesign

・Adaptive Design Assosiation
http://www.adaptivedesign.org/


【あとがき】

 久しぶりのニュース更新でした。段ボールを使った補助具の作製についてでした。段ボールと言えば思い出すのが、熊本地震のときに避難所で使われていた段ボールベッドです。非常に軽く、しかし十分な耐久性があり大活躍でした。
 ADAのウェブサイトで見られる動画や写真には、段ボールで作った椅子や階段などの実例が写っています。一度ご覧になるとイメージが湧くと思います。
 各種研修コースも開催しているようです。ニューヨークに来いと書いていますが、日本に来てくれないでしょうかね? 招致しましょうか?