→②症例報告 からの続き
椅子も現地で容易に入手できる段ボールを使用し、作成するところを現地の人も見ていたので、もし破損しても自分たちの力で作り直すことができると考えます。
障害を有する人たちは、災害による影響をより受けることになるため、発災前から障害を有する人にリハビリテーションを行うことができたことは意義深いと思います。
またリハビリテーションの観点から予防医学で言う一次予防・三次予防ができたことは、急性期治療が災害時には注目されやすい中で、特筆すべき成果かと考えます。
今後の課題として、平時からできることと言えば、機材の充実や、各種外国語で作成した運動指導用のパンフレットの準備などが挙げられると思います。
また、今回、症例5のように自力では診療所にたどり着けない方を、現地の人が連れてきた例がありましたが、この他にも、医療やリハビリテーションが必要でも診療所に来られない方がいたと予想されます。そういった隠れたニーズを発見するためにも、活動エリアの巡回ができればよかったと考えています。
今後、手術も行うようなチームで派遣される場合には、長期的なリハビリテーションニーズが発生することを視野にいれて、リハビリテーションが可能な転院先の確保や調査が必要になると考えます。
最後に、災害医療におけるリハビリテーションがさらに発展するために、実践のみならず、調査・研究等も行わなければいけません。そのためには、どのような調査ツール・評価ツールを用いればよいのか、今後、多くの人と議論を交わしていきたいと考えています。
以上
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